二次創作
イカれたメンバーを紹介するぜ!
side レノ
今日こそはクイ兄貴がなぜ尊敬しているのかを訊こう。今はノア兄貴もカノ兄貴もヒノ兄貴も部屋に籠っている。ならば、チャンスは今だろう。僕はソファーに座って黙々と本を読んでいるクイ兄貴の隣に座った。
「…クイ兄貴。」
少しだけ勇気を使って声をかける。クイ兄貴はすぐさま本から目を離して、僕の方をちらりと見た。本を膝の上に置いてから、彼は僕に問いかける。。
「なんだよォ。」
なんやかんやで秘匿され続けてきたパンドラの箱のようなものを今から僕は開けるのだ。とてつもないほどにわくわくしてきた。この過去の話にはロマンなんて微塵もないが、面白そうじゃないか。
「…なんでクイ兄貴はノア兄貴とカノ兄貴とヒノ兄貴を尊敬しているんですか? というか、いつ出会ったのか気になるんですが…。」
僕は少し口角が上がってしまっているままクイ兄貴の話を待った。クイ兄貴はその姿を見て不思議に思ったのも束の間で、すぐに傾げていた首を元に戻しクイ兄貴は出会いを話そうと口を開いた。
「ン? ボク様の過去かァ? 殆ど…ボク様の一目惚れのようなものだがなァ。一度戦場でノア様のお姿を拝見したんだけどよォ…そのお姿のお美しさにボク様は見とれたんだよなァ。すげえ綺麗だったぜェ。それで、昔はノア様の後を雛鳥みてーについて回ってたりずっとお守りしてたらよォ。いつの間にかノア様に気に入られてたんだよなァ。『こんなにも自己犠牲をして自分を守ってくれた奴はいない。』ってよォ。それでなァー…カノ様と出会ったんだ。それでカノ様にも気に入られて…それで時を経るごとにボク様の忠誠心はどんどん深まっていったんだよなァ。従者になりたいって懇願して、ノア様とカノ様を主のようなポジションにしたんだよなァ。それでお前を戦場で見つけて舎弟にして…んで裏切ってきたヒノ様にも忠誠を誓ったんだよなァ。本当にあの方達はなによりも素晴らしい。お前も戦闘技能をノア様とカノ様とヒノ様が自らお教えになられたのだ。そのご恩を忘れないようにしておけよォ。」
クイ兄貴はノスタルジックな気分に浸っているのか、自然と顔が綻んでいる。ノア兄貴に拾ってもらったのがそんなに嬉しかったのだろう。クイ兄貴の過去を訊いていると、自分の過去まで思い出してしまう。実際に、僕も戦場で孤立していた時にクイ兄貴に拾ってもらえたのがなによりも嬉しく、そして弱っちかった僕に動きや技能を教えてくれたのも全部クイ兄貴だ。もちろん、ノア兄貴にもカノ兄貴にもヒノ兄貴にも教えてもらったが、やはり僕の兄貴分といえばクイ兄貴なのだ。
「そうなんすか…なんやかんやで初めて聞いたっす。」
ちょっとだけ、表情筋が緩んでしまう。昔の嬉しい記憶を思い出しているといつもこうなってしまうのだ。クイ兄貴は少しだけ首をかしげて、「表情筋が少し緩んでいるなァ。どうしたんだ?」と、僕に言う。僕は食い入るように「いやあ? 何にもないっすよ!」と返す。
「そうかァ。」
それだけ言うと、クイ兄貴はまた本を読み始めた。そうだ。焼肉に誘わなければ。いつもいつも忘れていたので、今日こそはクイ兄貴に告げなければ。
「あっそうだ。焼肉食べに行きません? ノア兄貴もカノ兄貴もヒノ兄貴も誘ってみんなで。車は出すんで。」
やっと誘えた。いつもいつのまにか忘れて寝る前に思い出し次の日には起きた時には忘れているを繰り返していたのだ。やっとこれでちょっとした重荷が下りる。クイ兄貴はすぐさま予定を立て始める。仏頂面でなにを考えているのか分からないようなクイ兄貴だが、意外にもこういう楽しそうな、みんなで騒ぐような事象がクイ兄貴は好きだという事を僕は知っている。
「なら、ボク様がノア様とカノ様とヒノ様に連絡しておくなァ。いつ食べに行く? ボク様はいつでもいいけどよォー。」
本に栞を挟んでからクイ兄貴はこちらをちらりと見る。本のタイトルを見ると、ノア兄貴がものすごく進めてくる本じゃないか。今は僕が借りていたはずだが、ノア兄貴はもしかして本を複数買いしているのだろうか。
「とりあえずノア兄貴とカノ兄貴とヒノ兄貴にいつ予定空いてるか訊いてからにしません?」
「確かに、そっちの方がいいなァ。今は…見に行ったけどよォ、創作活動中でいらっしゃった。今はやめておこうぜェ。」
まあ、部屋に籠っているとはそういう事だろう。それに、今だと誰も応答には答えてくれないだろう。カノ兄貴は部屋の目の前を通ると少し不気味な呟き声が聞こえてくるため、今は本当に話しかけてはいけない時間だ。食事の時間になれば全員揃うので、その時に言えばいい。
「はーい。いつかは絶対行きましょうね。」
「そりゃあなァ。それに、てめーが考えたモンならいいものになれるってボク様は信頼しているぞ。レノ。」
がしがしと荒々しく微笑んでいるクイ兄貴に頭を撫でられた。もちろん、クイ兄貴の期待に応えないという道はない。そもそも僕が言い出したのだから、僕が頑張ってこの計画を立てなければ。この計画は立てるのが楽しそうだ。ならば、すぐに計画は立てられるだろう。
「もちろんっすよ。もっと信頼してくれてもいいんですよ? 逆にもっと期待して信頼してくださいよ! クイ兄貴!」
僕は自身ありげにクイ兄貴を見つめる。すると、クイ兄貴は一瞬呆気にとられたような顔をしてから、ついつい笑いを吹き出してしまっている。そしてすぐに僕に言葉を投げかけた。
「流石このボク様の舎弟だ。そういう、自信家な野郎は嫌いじゃねェぜ。」
クイ兄貴はけらけらと珍しく頬を緩ませ笑っている。基本的にはノア兄貴とカノ兄貴とヒノ兄貴の目の前以外では笑わないのかと思っていた。そんなに優しい顔を出来たのかと少し驚くが、やはりクイ兄貴は僕の兄貴分。これからもずっとついていこう。
今日こそはクイ兄貴がなぜ尊敬しているのかを訊こう。今はノア兄貴もカノ兄貴もヒノ兄貴も部屋に籠っている。ならば、チャンスは今だろう。僕はソファーに座って黙々と本を読んでいるクイ兄貴の隣に座った。
「…クイ兄貴。」
少しだけ勇気を使って声をかける。クイ兄貴はすぐさま本から目を離して、僕の方をちらりと見た。本を膝の上に置いてから、彼は僕に問いかける。。
「なんだよォ。」
なんやかんやで秘匿され続けてきたパンドラの箱のようなものを今から僕は開けるのだ。とてつもないほどにわくわくしてきた。この過去の話にはロマンなんて微塵もないが、面白そうじゃないか。
「…なんでクイ兄貴はノア兄貴とカノ兄貴とヒノ兄貴を尊敬しているんですか? というか、いつ出会ったのか気になるんですが…。」
僕は少し口角が上がってしまっているままクイ兄貴の話を待った。クイ兄貴はその姿を見て不思議に思ったのも束の間で、すぐに傾げていた首を元に戻しクイ兄貴は出会いを話そうと口を開いた。
「ン? ボク様の過去かァ? 殆ど…ボク様の一目惚れのようなものだがなァ。一度戦場でノア様のお姿を拝見したんだけどよォ…そのお姿のお美しさにボク様は見とれたんだよなァ。すげえ綺麗だったぜェ。それで、昔はノア様の後を雛鳥みてーについて回ってたりずっとお守りしてたらよォ。いつの間にかノア様に気に入られてたんだよなァ。『こんなにも自己犠牲をして自分を守ってくれた奴はいない。』ってよォ。それでなァー…カノ様と出会ったんだ。それでカノ様にも気に入られて…それで時を経るごとにボク様の忠誠心はどんどん深まっていったんだよなァ。従者になりたいって懇願して、ノア様とカノ様を主のようなポジションにしたんだよなァ。それでお前を戦場で見つけて舎弟にして…んで裏切ってきたヒノ様にも忠誠を誓ったんだよなァ。本当にあの方達はなによりも素晴らしい。お前も戦闘技能をノア様とカノ様とヒノ様が自らお教えになられたのだ。そのご恩を忘れないようにしておけよォ。」
クイ兄貴はノスタルジックな気分に浸っているのか、自然と顔が綻んでいる。ノア兄貴に拾ってもらったのがそんなに嬉しかったのだろう。クイ兄貴の過去を訊いていると、自分の過去まで思い出してしまう。実際に、僕も戦場で孤立していた時にクイ兄貴に拾ってもらえたのがなによりも嬉しく、そして弱っちかった僕に動きや技能を教えてくれたのも全部クイ兄貴だ。もちろん、ノア兄貴にもカノ兄貴にもヒノ兄貴にも教えてもらったが、やはり僕の兄貴分といえばクイ兄貴なのだ。
「そうなんすか…なんやかんやで初めて聞いたっす。」
ちょっとだけ、表情筋が緩んでしまう。昔の嬉しい記憶を思い出しているといつもこうなってしまうのだ。クイ兄貴は少しだけ首をかしげて、「表情筋が少し緩んでいるなァ。どうしたんだ?」と、僕に言う。僕は食い入るように「いやあ? 何にもないっすよ!」と返す。
「そうかァ。」
それだけ言うと、クイ兄貴はまた本を読み始めた。そうだ。焼肉に誘わなければ。いつもいつも忘れていたので、今日こそはクイ兄貴に告げなければ。
「あっそうだ。焼肉食べに行きません? ノア兄貴もカノ兄貴もヒノ兄貴も誘ってみんなで。車は出すんで。」
やっと誘えた。いつもいつのまにか忘れて寝る前に思い出し次の日には起きた時には忘れているを繰り返していたのだ。やっとこれでちょっとした重荷が下りる。クイ兄貴はすぐさま予定を立て始める。仏頂面でなにを考えているのか分からないようなクイ兄貴だが、意外にもこういう楽しそうな、みんなで騒ぐような事象がクイ兄貴は好きだという事を僕は知っている。
「なら、ボク様がノア様とカノ様とヒノ様に連絡しておくなァ。いつ食べに行く? ボク様はいつでもいいけどよォー。」
本に栞を挟んでからクイ兄貴はこちらをちらりと見る。本のタイトルを見ると、ノア兄貴がものすごく進めてくる本じゃないか。今は僕が借りていたはずだが、ノア兄貴はもしかして本を複数買いしているのだろうか。
「とりあえずノア兄貴とカノ兄貴とヒノ兄貴にいつ予定空いてるか訊いてからにしません?」
「確かに、そっちの方がいいなァ。今は…見に行ったけどよォ、創作活動中でいらっしゃった。今はやめておこうぜェ。」
まあ、部屋に籠っているとはそういう事だろう。それに、今だと誰も応答には答えてくれないだろう。カノ兄貴は部屋の目の前を通ると少し不気味な呟き声が聞こえてくるため、今は本当に話しかけてはいけない時間だ。食事の時間になれば全員揃うので、その時に言えばいい。
「はーい。いつかは絶対行きましょうね。」
「そりゃあなァ。それに、てめーが考えたモンならいいものになれるってボク様は信頼しているぞ。レノ。」
がしがしと荒々しく微笑んでいるクイ兄貴に頭を撫でられた。もちろん、クイ兄貴の期待に応えないという道はない。そもそも僕が言い出したのだから、僕が頑張ってこの計画を立てなければ。この計画は立てるのが楽しそうだ。ならば、すぐに計画は立てられるだろう。
「もちろんっすよ。もっと信頼してくれてもいいんですよ? 逆にもっと期待して信頼してくださいよ! クイ兄貴!」
僕は自身ありげにクイ兄貴を見つめる。すると、クイ兄貴は一瞬呆気にとられたような顔をしてから、ついつい笑いを吹き出してしまっている。そしてすぐに僕に言葉を投げかけた。
「流石このボク様の舎弟だ。そういう、自信家な野郎は嫌いじゃねェぜ。」
クイ兄貴はけらけらと珍しく頬を緩ませ笑っている。基本的にはノア兄貴とカノ兄貴とヒノ兄貴の目の前以外では笑わないのかと思っていた。そんなに優しい顔を出来たのかと少し驚くが、やはりクイ兄貴は僕の兄貴分。これからもずっとついていこう。