二次創作
イカれたメンバーを紹介するぜ!
side ノア
現在時刻、午前二時半。もうみんな起きている。全員がそろって少々時を経た時、カノが五つのカップに入ったなにかをわたし達に差し出してきた。
「…インスタントラーメン、っていうもの…全員分買ったんだけど。」
「ああ…お湯を入れて三分間待てばラーメンが手軽に作れるというあれか。」
今ふと思うと、インスタントラーメンは食べた事がなかった。ラーメンこそ何度もあるが、インスタントで、しかも夜中では食べた事がない。そもそもラーメンを夜中に食べるという事は健康に悪いはずなのだが、カノは何をする気なのだろうか。
「………お腹、空いてない?」
彼はじいっとこちらを見つめる。そう言われると、確かにお腹が空いた気もしなくはない。だが、今はいいだろう。大してお腹も空いていない。それに、深夜にそういうインスタントラーメンは健康に悪い。健康を害すなど少しもやりたくない。ここは大人しく自分の部屋に籠るとしよう。
「何処に行く気かな? ノア兄さん?」
そっと肩に手が置かれる。これは逃げられない、とわたしは心の中で確信した。最早抵抗する事なく、わたしはカノに引き留められる。
「ふふ…ノア兄さん、いい子だね。」
にっこりとカノは笑っており、とても満足そうだった。カノはまた口を開き、とある事を話し始める。
「お腹…空いただろう。みんなで…深夜の罪、犯してしまわないかい?」
こういう言い回しは普通は犯罪や、エロ漫画の世界になるとSEXの誘いになるのだろう。エロ漫画の世界ではみんなで、というセリフが少々邪魔だろうが。乱交モノならば、大丈夫なセリフになるのだろうか。
「…なんですか、それ。」
レノが訝し気な瞳でカノを見る。レノはもちろん、気づいているだろう。確認の為にカノに訊いているという事に過ぎない。訝し気な瞳で見る理由については人を殺す誘いならばシンプルに『○○したいから、人を〇人殺さないか。』と誘ってくるのだから。そもそもわたし達は直球なコミュニケーションを望む為、更にそんな言葉遣いは少ない。例え話こそ多いものの、歌詞で出てくるようなものは少ないのだ。
「ああ…直訳すると、この…インスタントラーメン、みんなで食べないかい? という事だよ。」
少しわたし達の瞳が鋭くなる。こんな事象、初めてだからだ。一応、年齢的にはカノは中学生、わたしは中学生か高校生、ヒノ兄さんは高校生、クイは高校生、レノは高校生か大学生。こんな健全な育ち盛り(恐らくわたしとカノとヒノ兄さんは身長がもう伸びない。)のわたし達なのだから、もちろん食べる。だが、そう言いつつ沢山食べるのはクイのみだが。
「…そりゃあ、お腹も空いているが…健康に悪いというのがネックだな…。」
「わたしも…健康に良くないよね。シンプルにさぁ…。」
「カノ様が食べるとおっしゃるならば、このクイも食しましょう。」
「…僕は~…う~ん…食べたいけど罪悪感が…。」
最初に発言した準から。ヒノ兄さん、わたし、カノ、クイ、レノだ。クイ以外はわたし含め渋っている。こんな背徳を感じる時間帯でハイカロリーだと言われているものを食べようとした事がないから。
「大丈夫…背徳感を感じるのは最初だけさ。食べてしまえばどうって事ないよ。」
けらけらと笑いながらカノは誘ってくる。まさに悪魔の囁きだ。好奇心には抗わず従え精神でやっているが、これは好奇心より背徳感の方が強い。カノは悪びれる様子もなく
「っく…こんな所でこの私が屈するとは…!!」
なぜかヒノ兄さんは苦しんでおり、きゅっ、と苦しそうに顔を歪めている。そんなに食べたいのか、と少し唖然としてしまう。いつもの虚無顔はどこにいったのだろう。いつも真顔を保ち我が家一番のポーカーフェイスじゃないか。ヒノ兄さんは表情を作る事は多々あるが、基本的には無表情無感情気味だ。だというのに、今ではポーカーフェイスのぽの字もない。
「ヒノ兄さん屈服しないでくれ…見てるこちらがしょうもなくなってくる…。」
なんだかこんなしょうもないやり取りをしていると頭が痛くなってくる。もう嫌だ。なんでこんな事でヒノ兄さんは屈服してしまうのだ。もうこんな茶番劇やめてしまいたい。
「ははっ!! カノ兄さんもこちらにおいでよ。君も好きになれるだろう…この背徳感がよく感じてくるさ。いつかはね!」
カノはノリノリ。これはもうどうすればいいというのだ。こんな複雑な感情に陥ったのは初めてだ。こんな事をやっているわたし達が馬鹿らしくなってくる。
「なあレノっ! お前は食べるのか!? 君もこちらの世界に溺れようではないか!!」
ついに矛先がレノに向いた。もういっその事カノを縛ってしまおうか。ヒノ兄さんは相変わらず蹲り罪悪感に頭を抱えている。それを横目にカノがレノを勧誘している様を見つめる。
「くッ…私は…どうすれば…!!」
「もう黙っててくれないかい…ヒノ兄さんもカノも…。」
この場をただ収めたい。それだというのに、場の状況は混沌を極めるばかり。わたしも食べたいは食べたいのだが、そんなヒノ兄さんほど苦しむわけでもない。これはもうどうすればいいのだろうか。こんなにもストレスを感じたのは初めてだ。わたしはついつい癖で、爪を噛んでしまう。夢中で噛んでしまっていたせいか、ぽたぽたと指先から血液がこぼれ落ちる。
「っ!! ノア様ッ!!」
わたしの傍にクイが駆け寄る。いつまで経ってもクイはわたしの行動に慣れていない。ずっとがりがりがりがり、とわたしは爪を噛み続け、クイのなだめる言葉は聞いているのだが、行動に移せないという事実だけが残る。まさにこの状況は魑魅魍魎かカオスという言葉が似合うだろう。インスタントラーメンを食べるか食べないかでこんな状況になるとは誰が予想したのだろう。頭が痛い。それにストレスでかお腹も痛い。
「…こんなの…もう…。」
わたしは色々な要因によって苦しみながらそう呟いた。
・・・
「…いただきます。」
わたし達は『だめだよなぁ…。』と思いながらもインスタントラーメンを啜り始めた。確かに健康に悪いという事は確か。だが、ラーメンがとても美味しいという事も確か。
「…これが深夜の背徳飯かぁ…。」
噂には聞いた事があったが、なんやかんやで初めてかもしれない。お腹がすいても、あまり食事というものに興味がなかったのだ。それに空腹を感じる機会は少なく、朝まで持つのだ。そして、背徳感と深夜という事も相まってか、食べるインスタントラーメンはとても美味しいものだった。
現在時刻、午前二時半。もうみんな起きている。全員がそろって少々時を経た時、カノが五つのカップに入ったなにかをわたし達に差し出してきた。
「…インスタントラーメン、っていうもの…全員分買ったんだけど。」
「ああ…お湯を入れて三分間待てばラーメンが手軽に作れるというあれか。」
今ふと思うと、インスタントラーメンは食べた事がなかった。ラーメンこそ何度もあるが、インスタントで、しかも夜中では食べた事がない。そもそもラーメンを夜中に食べるという事は健康に悪いはずなのだが、カノは何をする気なのだろうか。
「………お腹、空いてない?」
彼はじいっとこちらを見つめる。そう言われると、確かにお腹が空いた気もしなくはない。だが、今はいいだろう。大してお腹も空いていない。それに、深夜にそういうインスタントラーメンは健康に悪い。健康を害すなど少しもやりたくない。ここは大人しく自分の部屋に籠るとしよう。
「何処に行く気かな? ノア兄さん?」
そっと肩に手が置かれる。これは逃げられない、とわたしは心の中で確信した。最早抵抗する事なく、わたしはカノに引き留められる。
「ふふ…ノア兄さん、いい子だね。」
にっこりとカノは笑っており、とても満足そうだった。カノはまた口を開き、とある事を話し始める。
「お腹…空いただろう。みんなで…深夜の罪、犯してしまわないかい?」
こういう言い回しは普通は犯罪や、エロ漫画の世界になるとSEXの誘いになるのだろう。エロ漫画の世界ではみんなで、というセリフが少々邪魔だろうが。乱交モノならば、大丈夫なセリフになるのだろうか。
「…なんですか、それ。」
レノが訝し気な瞳でカノを見る。レノはもちろん、気づいているだろう。確認の為にカノに訊いているという事に過ぎない。訝し気な瞳で見る理由については人を殺す誘いならばシンプルに『○○したいから、人を〇人殺さないか。』と誘ってくるのだから。そもそもわたし達は直球なコミュニケーションを望む為、更にそんな言葉遣いは少ない。例え話こそ多いものの、歌詞で出てくるようなものは少ないのだ。
「ああ…直訳すると、この…インスタントラーメン、みんなで食べないかい? という事だよ。」
少しわたし達の瞳が鋭くなる。こんな事象、初めてだからだ。一応、年齢的にはカノは中学生、わたしは中学生か高校生、ヒノ兄さんは高校生、クイは高校生、レノは高校生か大学生。こんな健全な育ち盛り(恐らくわたしとカノとヒノ兄さんは身長がもう伸びない。)のわたし達なのだから、もちろん食べる。だが、そう言いつつ沢山食べるのはクイのみだが。
「…そりゃあ、お腹も空いているが…健康に悪いというのがネックだな…。」
「わたしも…健康に良くないよね。シンプルにさぁ…。」
「カノ様が食べるとおっしゃるならば、このクイも食しましょう。」
「…僕は~…う~ん…食べたいけど罪悪感が…。」
最初に発言した準から。ヒノ兄さん、わたし、カノ、クイ、レノだ。クイ以外はわたし含め渋っている。こんな背徳を感じる時間帯でハイカロリーだと言われているものを食べようとした事がないから。
「大丈夫…背徳感を感じるのは最初だけさ。食べてしまえばどうって事ないよ。」
けらけらと笑いながらカノは誘ってくる。まさに悪魔の囁きだ。好奇心には抗わず従え精神でやっているが、これは好奇心より背徳感の方が強い。カノは悪びれる様子もなく
「っく…こんな所でこの私が屈するとは…!!」
なぜかヒノ兄さんは苦しんでおり、きゅっ、と苦しそうに顔を歪めている。そんなに食べたいのか、と少し唖然としてしまう。いつもの虚無顔はどこにいったのだろう。いつも真顔を保ち我が家一番のポーカーフェイスじゃないか。ヒノ兄さんは表情を作る事は多々あるが、基本的には無表情無感情気味だ。だというのに、今ではポーカーフェイスのぽの字もない。
「ヒノ兄さん屈服しないでくれ…見てるこちらがしょうもなくなってくる…。」
なんだかこんなしょうもないやり取りをしていると頭が痛くなってくる。もう嫌だ。なんでこんな事でヒノ兄さんは屈服してしまうのだ。もうこんな茶番劇やめてしまいたい。
「ははっ!! カノ兄さんもこちらにおいでよ。君も好きになれるだろう…この背徳感がよく感じてくるさ。いつかはね!」
カノはノリノリ。これはもうどうすればいいというのだ。こんな複雑な感情に陥ったのは初めてだ。こんな事をやっているわたし達が馬鹿らしくなってくる。
「なあレノっ! お前は食べるのか!? 君もこちらの世界に溺れようではないか!!」
ついに矛先がレノに向いた。もういっその事カノを縛ってしまおうか。ヒノ兄さんは相変わらず蹲り罪悪感に頭を抱えている。それを横目にカノがレノを勧誘している様を見つめる。
「くッ…私は…どうすれば…!!」
「もう黙っててくれないかい…ヒノ兄さんもカノも…。」
この場をただ収めたい。それだというのに、場の状況は混沌を極めるばかり。わたしも食べたいは食べたいのだが、そんなヒノ兄さんほど苦しむわけでもない。これはもうどうすればいいのだろうか。こんなにもストレスを感じたのは初めてだ。わたしはついつい癖で、爪を噛んでしまう。夢中で噛んでしまっていたせいか、ぽたぽたと指先から血液がこぼれ落ちる。
「っ!! ノア様ッ!!」
わたしの傍にクイが駆け寄る。いつまで経ってもクイはわたしの行動に慣れていない。ずっとがりがりがりがり、とわたしは爪を噛み続け、クイのなだめる言葉は聞いているのだが、行動に移せないという事実だけが残る。まさにこの状況は魑魅魍魎かカオスという言葉が似合うだろう。インスタントラーメンを食べるか食べないかでこんな状況になるとは誰が予想したのだろう。頭が痛い。それにストレスでかお腹も痛い。
「…こんなの…もう…。」
わたしは色々な要因によって苦しみながらそう呟いた。
・・・
「…いただきます。」
わたし達は『だめだよなぁ…。』と思いながらもインスタントラーメンを啜り始めた。確かに健康に悪いという事は確か。だが、ラーメンがとても美味しいという事も確か。
「…これが深夜の背徳飯かぁ…。」
噂には聞いた事があったが、なんやかんやで初めてかもしれない。お腹がすいても、あまり食事というものに興味がなかったのだ。それに空腹を感じる機会は少なく、朝まで持つのだ。そして、背徳感と深夜という事も相まってか、食べるインスタントラーメンはとても美味しいものだった。