二次創作
皇女様の誕生日
#1
__今思えば、わたしの幼少期の記憶は、図書館で過ごしたときのものばかりだった。
親が冒険家で、会う機会がなかったので、いつも図書館で過ごしていた。
図書館にいる時間の方が、親といる時間よりも、長かった時期もあった。
寂しいと思うときもあったけど、しょうがなかった。
__そしてある時、一冊の本を見つけたんだ。
「わぁ…!面白い…!」
そう、それこそが「フィッシュル皇女物語」だった。
あの本に出会ってから、わたしは変わった。
本の主人公、フィッシュル・ヴォン・ルフシュロス・ナフィードットを真似てみて、その時にオズも作り出した。
オズは、わたしの眷属的存在でもあり、心の友でもあった。
彼とはずっと一緒に過ごしていて、いつも彼に頼りきりなところも、少しはあった。
そして、旅人とも出会えて、わたしは、わたくしは、幸せだ。
「__今日は…」
オズの前ではわざと濁したが、5月27日。今日は、わたしの誕生日。
「誕生日、でございますよね。皇女様。おめでとうございます」
オズはそう言った。少し味気なかったが、覚えてくれているだけ嬉しい。
「皇女様。実は旅人が、プレゼントを用意しています。さぁ、こっちへ」
「え?旅人?今は確か、フォンテーヌあたりに__」
「来ていただいたんですよ。さぁ、早く行きましょう」
[水平線]
「フィッシュル。こんにちは。誕生日おめでとう」
「旅人!どうしたのよ。急に、プレゼントだなんて…」
連れて行かれた先には、謎の包みを持った旅人がいた。
旅人はすごく笑顔になっていて、いったいこれから何が起こるのか、わたしには分からない。
「えっと、その包みは…?」
「うん、これはフィッシュルへのプレゼントだよ。ほら、開けてみて」
旅人が持っていた包みを、おそるおそる受け取る。そして、開けてみると__。
「これは…!」
「どう?気に入ってくれると嬉しいな」
そこには、きれいなネックレスと、イヤリングが入っていた。どちらも、紫と黒がメインの、とても美しいアクセサリーだった。
「こ、これ…どこで買いましたの?」
「これは、作ってもらったんだ。フォンテーヌに、仲が良いアクセサリーデザイナーがいるから」
オズも旅人も、笑っていた。
試しにネックレスを付けてみると、中央にある紫の宝石が、とてもきれいに輝く。
「気に入った?」
「…え、えぇ。悪くないわね!」
照れ隠しをしたが、今わたしはすごく、すごく嬉しい。
「さて、皇女様。ケーキもありますので、食べますよ」
「ケーキ…!あ、じゃなくて…。え、えぇ、分かったわ。感謝するわ」
「__お誕生日、おめでとうございます。皇女様」
「誕生日おめでとう!」
親が冒険家で、会う機会がなかったので、いつも図書館で過ごしていた。
図書館にいる時間の方が、親といる時間よりも、長かった時期もあった。
寂しいと思うときもあったけど、しょうがなかった。
__そしてある時、一冊の本を見つけたんだ。
「わぁ…!面白い…!」
そう、それこそが「フィッシュル皇女物語」だった。
あの本に出会ってから、わたしは変わった。
本の主人公、フィッシュル・ヴォン・ルフシュロス・ナフィードットを真似てみて、その時にオズも作り出した。
オズは、わたしの眷属的存在でもあり、心の友でもあった。
彼とはずっと一緒に過ごしていて、いつも彼に頼りきりなところも、少しはあった。
そして、旅人とも出会えて、わたしは、わたくしは、幸せだ。
「__今日は…」
オズの前ではわざと濁したが、5月27日。今日は、わたしの誕生日。
「誕生日、でございますよね。皇女様。おめでとうございます」
オズはそう言った。少し味気なかったが、覚えてくれているだけ嬉しい。
「皇女様。実は旅人が、プレゼントを用意しています。さぁ、こっちへ」
「え?旅人?今は確か、フォンテーヌあたりに__」
「来ていただいたんですよ。さぁ、早く行きましょう」
[水平線]
「フィッシュル。こんにちは。誕生日おめでとう」
「旅人!どうしたのよ。急に、プレゼントだなんて…」
連れて行かれた先には、謎の包みを持った旅人がいた。
旅人はすごく笑顔になっていて、いったいこれから何が起こるのか、わたしには分からない。
「えっと、その包みは…?」
「うん、これはフィッシュルへのプレゼントだよ。ほら、開けてみて」
旅人が持っていた包みを、おそるおそる受け取る。そして、開けてみると__。
「これは…!」
「どう?気に入ってくれると嬉しいな」
そこには、きれいなネックレスと、イヤリングが入っていた。どちらも、紫と黒がメインの、とても美しいアクセサリーだった。
「こ、これ…どこで買いましたの?」
「これは、作ってもらったんだ。フォンテーヌに、仲が良いアクセサリーデザイナーがいるから」
オズも旅人も、笑っていた。
試しにネックレスを付けてみると、中央にある紫の宝石が、とてもきれいに輝く。
「気に入った?」
「…え、えぇ。悪くないわね!」
照れ隠しをしたが、今わたしはすごく、すごく嬉しい。
「さて、皇女様。ケーキもありますので、食べますよ」
「ケーキ…!あ、じゃなくて…。え、えぇ、分かったわ。感謝するわ」
「__お誕生日、おめでとうございます。皇女様」
「誕生日おめでとう!」
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