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本作はガールズラブ(GL)の要素を含んでおり、女性同士の友情や感情の発展を描いています。その中でロマンチックな関係が展開されることがあります。GLジャンルに興味をお持ちの方には、登場人物たちの成長や心情の変化を楽しんでいただける内容となっています。少しでもお楽しみいただければ幸いです。

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桜の中でおぼれて

#1


桜が教室に入るたび、周囲の空気が一変する。誰もが彼女のことを見つめ、誰もがその笑顔に心を奪われる。それは、いつもと変わらない光景だった。私もその一人だった。彼女が歩くたびに、まるで世界が静かになっていくような感覚に包まれる。

でも、私はただの一ファンだ。彼女のような存在には届かない。心の中でずっと、桜に対する想いを隠していた。彼女の笑顔を遠くから見守りながら、私には何もできないことを理解していたから。

私は椿。普段は目立たないように、周りと無理に関わろうとしない。でも、桜に対する想いは強くて、どうしようもなかった。彼女が何をしても、どんな言葉を発しても、全てが心に響いていた。

それでも、私はずっと遠くから見守るしかなかった。彼女は私のような存在に興味を持つことはない、そう思っていたから。

そんなある日の放課後、予想もしない出来事が起こった。私は教室の隅でノートを整理していた。静かな空気が流れる中、扉が静かに開かれる音がした。振り返ると、桜が立っていた。

「椿、少し話せる?」

桜が私に声をかけてきた。最初は、驚いて何も言えなかった。彼女が私に声をかけるなんて、考えもしなかったから。私の心臓は激しく鼓動を打ち始め、思わずその場に立ち尽くしてしまった。

「うん、いいよ…」

その一言が、やっと口から出た。桜は少し照れたような、でも決意を感じさせる表情を浮かべていた。

「実は、ずっとあなたのことを気にしてた。」

その言葉が耳に入った瞬間、私は一瞬、言葉を失った。まさか桜がそんなことを言うなんて。アイドルであり、皆から注目を集める存在の桜が、私のことを気にしてくれていたなんて信じられなかった。

「どうして…私なんかが?」

私は自分の気持ちに整理がつかないまま、そう問いかけてしまった。桜は優しく笑って、ゆっくりと歩み寄る。

「だって、あなたは他の誰とも違う。あなたの静かな強さが、私はすごく好きだった。」

その言葉に、私は胸が締め付けられるような気持ちを覚えた。桜が私を見ていてくれた、私のことを思っていてくれた。その事実が、何よりも嬉しかった。

桜は私の目をしっかりと見つめながら、続けた。

「私は、アイドルとしてみんなに見られてるけど、君には本当の私を見てほしかった。君となら、何でも話せる気がする。」

その瞬間、私は桜に対する気持ちがますます強くなったのを感じた。彼女が私に本当の自分を見せてくれるのなら、私はその期待に応えたかった。ずっと彼女のことを遠くから見守っていただけじゃない、これからはもっと近くで彼女と一緒にいたいと、強く思った。

「私も、桜のことが好きだよ。」

言葉にして初めて、自分の気持ちがはっきりとした。私の中で、桜に対する思いが溢れていく。これまで何度も胸の中で叫んでいたその言葉を、ようやく口に出すことができた。

桜は私の手をそっと取って、微笑んだ。その笑顔に、私は再び心を奪われる。周りの誰もが桜を見て、羨望の眼差しを向けている中で、私だけが知っている桜の一面が、こんなにも近くに感じられることが信じられなかった。

「これから、もっとお互いを知っていこうね。」

桜の言葉に、私はただ頷くしかなかった。私たちの間にあった距離は、少しずつ縮まっていく。桜は、ただのアイドルではなく、私が本当に知りたいと思っていた桜そのものだった。そして、私は彼女にとってもただの「ファン」ではなくなった。私たちは、少しずつお互いの存在を感じながら、歩み寄っていくのだと確信した。

桜と椿、二つの花が並んで咲くように、私たちの距離も徐々に縮まっていく。その花が同じ風に揺れ、共に見上げる空が広がっていくような、そんな未来を想像しながら。

作者メッセージ

本作は、女性同士の関係性を描いたガールズラブ(GL)の物語です。登場人物たちが少しずつ心を開き、お互いの距離を縮めていく様子をお楽しみいただけたら嬉しいです。彼女たちの成長や感情の変化を通じて、愛情や絆の深さを感じていただけることを願っています。

物語の中で、友情や愛情の形は人それぞれ異なることを描きたかったので、少しでも共感していただけたら嬉しいです。読者の皆様にとって、この物語が心に残るひとときとなりますように。

どうぞ、最後までお楽しみください。

月影

2025/03/17 18:56

月影 ID:≫ 5iUgeXQ3Vbsck
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