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この小説はオリ主やオリ主と関係を持っているオリキャラが登場します。苦手な方はお気をつけください!

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二次創作
ギャンブラー、あなたに賭けます。

#65

#65 砕破

__俺は、恋をして愉悦をやめた。
元々、愉悦を追い求めるのが好きだった。いや、それだけが俺の存在価値だった。
そのはずなのに、俺の人生は、たった一人の少女によって、全て変わってしまった。
「あ、カンタレラちゃん!こんにちはー!」
「お、おう……」
花火。彼女は俺と共に愉悦を追いかける者、仮面の愚者だった。その様子はあまりにも狂っていて、今でも俺は彼女の人生や性格に関して、何が真実で何が嘘か、全く掴めない。それぐらいにさ、彼女は何かを演じていて、何かを隠していた。花火とは、そんな少女だった。
「……あ、そうだカンタレラちゃん!これあげる!」
「え、なんだこれ……、人形か?」
「そう!似合ってるでしょ?カンタレラちゃん忘れてた?今日は君のお誕生日なのに!とっても愉悦な日じゃんか!」
「……そういえばそうだったか……。あ、ありがとう……」
彼女についてはあくまでも、仮面の愚者の一員。同じ所属の人、そんな認識で留めるはずだった。
そのはずだったのに。
「ううん、いいんだよ!これを渡したかっただけだから、それじゃ!またねー!」
「……また」
いつからだろう。花火と話す度に、胸が高鳴るようになったのは。花火が笑う度に、こちらも微笑みたくなったのは。
俺はいつからか、彼女に恋をしていたのだ。
しかし、人は恋によって狂っていく。そう、元々の生きがいを、恋によって失ってしまう程に。
「もう……、愉悦なんてどうでもいい!花火だけ、花火がただ、俺の隣で笑ってくれればいいんだ……!」
俺はいつしか、そんな事を思うようになっていった。これがいけなかったんだ。
俺はそこから愉悦を失い、そしてやがて__仮面は割れた。本物の愚者になってしまったのだ。
その理由はただひとえに、彼女に恋をしていたからに過ぎない。
あの時に恋をしなかったら、初恋が彼女じゃなければ、もう少し結果は違っていたのかもしれない。今さら悔やんでも、もう遅いのだが。
「……」
シルヴェスターに敗北した今、俺には、本当に何もないのだから。

[水平線]
アベンチュリンさんとハグしてしまってから、大体数秒くらい経った。確かにたったの数秒なのだが、私にとっては、それは永遠に感じた。好きな人とハグできる時間は、体感ではあまりにも長く、そして心も、永久にこれが続いてほしいと感じていた。
彼の方も、気持ちが同じかまでは分からないが、私に対して何も言わず、何も抵抗せず、ただじっとしていた。少しばかり照れくさい無言の時間が続いている。
「……アレヴァーナ」
そんな中、静寂を破ったのは、彼の方だった。
「あー、そろそろ……離れようか」
彼の恥ずかしそうな声が耳に届いた。その言葉はとても至極真っ当なもので、私もはいと言った後、素直に体を離した。だけど、まだ彼の温度が微かに残っている。離れた後は、なんだか妙な気分だ。
「あ、あの……ごめんなさい」
「いいよ……大丈夫だ」
なんだかんだ謝った後、さっきと同じような沈黙が、私達の間で立ち込めた。次にこの静寂を破るのは、誰になる事やら。

作者メッセージ

長らく更新していませんでしたが、忘れているわけではなかったのですよ。ただちょっと展開に悩みができているだけです。でも大丈夫だとは思います。


2025年、あけましておめでとうございます。この物語も、今年中には完結できたらいいな。厳しく期限とか言うなら六月、2025年から半年経つまで?それはちょっと厳しいかな……。


登場人物
アベンチュリン
花火
カンタレラ
シルヴェスター(名前のみ)
アレヴァーナ

2025/01/06 19:37

夢野 シオン@水野志恩SS ID:≫7tLEh4qnMjetA
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