ギャンブラー、あなたに賭けます。
__アベンチュリンとアレヴァーナが逃げ出していた時、廃墟にて。
カンタレラと銀狼は戦って__いなかった。
「シャーレ…」
「……」
シャーレは、横たわっているカンタレラの前に立ち、彼を見下すような姿勢をしていた。銀狼は、シャーレの後ろで無気力に座っている。
「あんた……!」
[水平線]
銀狼とカンタレラの戦いは、数分前まで、拮抗状態を続けていた。
互角、この言葉がふさわしい戦い。両者は徐々に限界を迎えていた。
そして、そんな状況を変えたのは__シャーレだった。
なぜ彼女が状況を変えたのか、理由は数分前に遡る。
「くっ…」
「そろそろ…降参か…?」
数分前まで、シャーレはずっと前と変わらず、部屋の隅に横たわって戦いを見ていた。残酷な火花が散ってゆく。
「……動けっ…」
シャーレは、力の抜けた体で床を這おうとした。だが、毒のせいで上手く動けはしない。
早く終わってほしい、彼女がそう願っていた__その時。
銀狼の右腕に、大きな大きな傷がついた。
その切り傷が、彼女のつぶらな瞳に入る。
「……!」
その瞬間、元々巨大な宝石のようだった彼女の瞳が、さらに大きく開く。開かれたその目の持ち主は、小さく「え」と声を漏らした。
「くっ……!」
「え…」
銀狼は、傷を負ったせいで、一旦攻撃をやめ、後退りをする。そしてカンタレラも、なぜか攻撃をやめてしまった。
一瞬で冷たくなった空気を切り裂いたのは、シャーレだった。
「カンタレラ……!」
恨みのこもったその一言は、空虚な部屋にて激しく響く。
そして次の瞬間。カンタレラの目に写ったのは__光だった。
一面の光。陽光が差し込むのみで、暗かったその部屋を照らす、白色の光。
そう、その光は、シャーレから発されたものだった__。
カンタレラと銀狼は戦って__いなかった。
「シャーレ…」
「……」
シャーレは、横たわっているカンタレラの前に立ち、彼を見下すような姿勢をしていた。銀狼は、シャーレの後ろで無気力に座っている。
「あんた……!」
[水平線]
銀狼とカンタレラの戦いは、数分前まで、拮抗状態を続けていた。
互角、この言葉がふさわしい戦い。両者は徐々に限界を迎えていた。
そして、そんな状況を変えたのは__シャーレだった。
なぜ彼女が状況を変えたのか、理由は数分前に遡る。
「くっ…」
「そろそろ…降参か…?」
数分前まで、シャーレはずっと前と変わらず、部屋の隅に横たわって戦いを見ていた。残酷な火花が散ってゆく。
「……動けっ…」
シャーレは、力の抜けた体で床を這おうとした。だが、毒のせいで上手く動けはしない。
早く終わってほしい、彼女がそう願っていた__その時。
銀狼の右腕に、大きな大きな傷がついた。
その切り傷が、彼女のつぶらな瞳に入る。
「……!」
その瞬間、元々巨大な宝石のようだった彼女の瞳が、さらに大きく開く。開かれたその目の持ち主は、小さく「え」と声を漏らした。
「くっ……!」
「え…」
銀狼は、傷を負ったせいで、一旦攻撃をやめ、後退りをする。そしてカンタレラも、なぜか攻撃をやめてしまった。
一瞬で冷たくなった空気を切り裂いたのは、シャーレだった。
「カンタレラ……!」
恨みのこもったその一言は、空虚な部屋にて激しく響く。
そして次の瞬間。カンタレラの目に写ったのは__光だった。
一面の光。陽光が差し込むのみで、暗かったその部屋を照らす、白色の光。
そう、その光は、シャーレから発されたものだった__。
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