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この小説はオリ主やオリ主と関係を持っているオリキャラが登場します。苦手な方はお気をつけください!

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ギャンブラー、あなたに賭けます。

#45

#45 傾聴

それは、聞き覚えのある声だった。
ここ数日ずっと、私の隣にいてくれた人。私の事を、今まで何回も助けてくれた人。
大切な人__シャーレの声だった。
「シャーレ!」
途端にそう叫んで、声のした方まで走る。走った。物音をたてないとか、そんな事は全く気にしていなかった。
スマホの通信からは、銀狼さんの声が聞こえる。内容は分からないが、きっと、私を止める声だろう。だが、私には聞こえない。聞こえないのだから、気にしない。気にできない。
「アレヴァー__!!」
シャーレが、わたしの名前を呼んでいる。ああ、こんな所に居るなんて、怖かっただろう。彼女は、なんでこんな場所にいたんだろう。理由は何にせよ、きっと、こんな所には居たくないだろう。
そう考えつつも、私はただ、声の場所まで駆けるだけだった。
だけど__今思えば、ここで誰かの声を、よく聞くべきだった。誰でもいい、シャーレでも、銀狼さんでも。誰かの声に、耳を傾けていればよかった。

[水平線]
走っていたので、すぐに声がした場所までは着いた。そこは、ホテルの部屋の一介だった。何号室とか、倉庫とか、そんな部屋だったんだろう。
床には、さっき引きずられていたであろう、ボロボロの麻袋がある。そしてこちらも、倒れたであろう金属の貯蔵庫のような物が。
一見するだけでは、シャーレの姿は、全く無いように思える。どこにいるのやらと。
だけど、私はそれで帰るような半端者ではない。
少し周りを見れば、部屋の隅に、なにか大きな塊のような物を見つけた。ブランケット?のような物に包まれている、ような気がする。
そして形は、丸まって寝そべっている人間のようだ。多分背中であろう曲線が、それを教えてくれる。
「……アレヴァー?」
確信に変わったのは、その塊からシャーレの声がしてから。
「シャーレ!!大丈夫?怪我は…!」
すぐ彼女の下へ近寄り、様子を見ようとする。その時、太ももの裏あたりに、注射器の針を刺されたような…チクッとした感覚がした。誰かに刺されたみたいだ。
毒だったのか走らないが、それから急に痛みがし、私は倒れた。
「うっ…」
脂汗が、ダラダラと止まらない。呼吸が乱れて、体が暑いような、寒いような、そんな感覚になる。
視界もくらみ、シャーレのもとには、到底行けなかった。
「…あぁ、だから…」
気絶寸前。最後に、シャーレの声が聞こえた。私はずっと励ましてくれた、あの優しい声が。私に向かってか、誰かに向かってか、虚無に向かってか話した。
「__こっち来ないでって、言ったのに…。聞いてなかったでしょ」

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作者メッセージ

登場人物
銀狼(セリフ無し、描写あり)
シャーレ
アレヴァーナ

2024/06/08 23:44

夢野 シオン@水野志恩SS ID:≫7tLEh4qnMjetA
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