ギャンブラー、あなたに賭けます。
「え…どこから音した?」
廃墟のどこかから、大きい何か__金属物が倒れるような、そんな物音がした。恐怖で咄嗟に振り返る。一体、どこからこんな音が?微振動の影響なのか?
「一階…あたりから音がしたんじゃない?」
「今二階にいるから…、下からか」
一階、正直めんどくさかった。
私が今いる廃墟は、六階建てだと見られる。私が今いるのは二階で、シャーレがいるかの確認のために、最上階まで、登らなきゃいけない…とは思う。一回引き返すのは、怖いし何よりめんどくさい。
いや、めんどくさいというか、階段が多く、普通に足が疲れるのだ。私はこの数日間で、少し重めの筋肉痛になった。そこに階段の上り下りがあるなんて、脚がいつか壊死するんじゃないか、とすら想像する。
「ねぇ、一階行かないの?」
「うーん……。でも、シャーレが居るのかもしれないか…。分かった、いきます。私に何かあったら骨は拾ってくださいね」
「う、うん…。言い方が物騒」
「にしても本当に怖い…。ちょっと銀狼さん、ちょっと面白い話とかできません?面白い、はなし」
「いや、それ困るなぁ…」
自分の中にある恐怖を紛らわすため、銀狼さんとなんでもない話をする。もちろん、下にいる人がとんでもない奴だったら危ないので、コソコソと。体感、耳打ちをする時ぐらいの声量で。
「階段…きっつ…」
階段を下りることが嫌になった時。音が再来した。
今度は金属音ではなく、大きい麻袋か何かを引きずるような…、そんな音。
正直、こんな[漢字]人気[/漢字][ふりがな]ひとけ[/ふりがな]のない廃墟というのがまず怖いし、音の種類が不穏すぎる。何かがあるんじゃないかと、探偵を気取って勘ぐってしまうぐらいだ。シャーレ、無事だといいが。
「着いた…。誰かいるのかな」
近辺を見渡してから、なるべく音を立てないように歩く。抜き足、差し足、忍び足。
「どこだー…?」
少し冷たいことを言うようだが、私は、すでに帰りたい。今は疲れているのだ。
だが、そうとも言ってられない状況になるまで、時間はかからなかった。
「…アレヴァー!!」
廃墟のどこかから、大きい何か__金属物が倒れるような、そんな物音がした。恐怖で咄嗟に振り返る。一体、どこからこんな音が?微振動の影響なのか?
「一階…あたりから音がしたんじゃない?」
「今二階にいるから…、下からか」
一階、正直めんどくさかった。
私が今いる廃墟は、六階建てだと見られる。私が今いるのは二階で、シャーレがいるかの確認のために、最上階まで、登らなきゃいけない…とは思う。一回引き返すのは、怖いし何よりめんどくさい。
いや、めんどくさいというか、階段が多く、普通に足が疲れるのだ。私はこの数日間で、少し重めの筋肉痛になった。そこに階段の上り下りがあるなんて、脚がいつか壊死するんじゃないか、とすら想像する。
「ねぇ、一階行かないの?」
「うーん……。でも、シャーレが居るのかもしれないか…。分かった、いきます。私に何かあったら骨は拾ってくださいね」
「う、うん…。言い方が物騒」
「にしても本当に怖い…。ちょっと銀狼さん、ちょっと面白い話とかできません?面白い、はなし」
「いや、それ困るなぁ…」
自分の中にある恐怖を紛らわすため、銀狼さんとなんでもない話をする。もちろん、下にいる人がとんでもない奴だったら危ないので、コソコソと。体感、耳打ちをする時ぐらいの声量で。
「階段…きっつ…」
階段を下りることが嫌になった時。音が再来した。
今度は金属音ではなく、大きい麻袋か何かを引きずるような…、そんな音。
正直、こんな[漢字]人気[/漢字][ふりがな]ひとけ[/ふりがな]のない廃墟というのがまず怖いし、音の種類が不穏すぎる。何かがあるんじゃないかと、探偵を気取って勘ぐってしまうぐらいだ。シャーレ、無事だといいが。
「着いた…。誰かいるのかな」
近辺を見渡してから、なるべく音を立てないように歩く。抜き足、差し足、忍び足。
「どこだー…?」
少し冷たいことを言うようだが、私は、すでに帰りたい。今は疲れているのだ。
だが、そうとも言ってられない状況になるまで、時間はかからなかった。
「…アレヴァー!!」
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