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ギャンブラー、あなたに賭けます。

#3

#03 友達

「ここが、ホテル・レバリーの部屋…!なんと豪華!」
チェックインを済ましたあと、私は観光をする前に部屋へと行った。単純に、ここまでの旅路で疲れていたのだ。
「うっわぁ……!ソファも、床も、何もかもが…!私、もう人生で一切の悔いない………!」
疲れが一瞬で吹っ飛ぶほど、ホテル・レバリーの客室は見事なものだった。
試しに__これからもホテルに居るから、一旦かも__ソファに座ると、背中から[漢字]臀部[/漢字][ふりがな]でんぶ[/ふりがな]にかけて、天使の羽を敷き詰めたかのような心地よさを感じた。
「ふわぁ……!一生ここ座っていられるかもぉ……!」
スイートルームでもない一般の客室でさえ、ここまでの極楽浄土なのか。
ここに来れてよかった、ありがとうあの時の老人、と本気で思った。
「はぁ……って、やだやだ。私、ここに来たらやりたいことがあったんだ!」
ソファから立ち上がりたくない、一生ここに座っていたい。そう思いながらも、やっぱりやりたい事が第一なので立ち上がる。
「うっ…」
列車の時と同じように、目眩で視界が一瞬の黒に包まれる。憶質への耐性って、鍛える方法ないのかな…。

[水平線]
「そ、外もやば…めっちゃ綺麗じゃん…!」
私が生まれ育った故郷とは比べ物にならないほどの、綺麗な街。その綺麗さは微量の不気味さもあり、もはや一種の風景画のようだとすら感じる。
「すっご…、あぁ違う違う。"あの子"どこに居るの?」

__少しだけさかのぼり、数時間前。
私はパソコンで、一人の少女とチャットをしていた。
『まさかアレヴァーもピノコニーに来るとはねー、案内は任せといて!』
『よろしくね!私もう緊張でしょうがないよ!』
画面上で私とチャットしている彼女の名は、シャーレ。数年前にインターネットで知り合ってから、ずっと仲良しな友達だ。
シャーレはピノコニーで生まれ育った裕福な家庭の人間で、数日はとりあえず彼女にピノコニーを案内してもらう。
道に迷わないためとか、そういう目的ももちろんあるが、何より、会ったことない彼女に会いたかったし、ピノコニーを観光するのが私の夢の一つだったというのもあった__

『ねぇシャーレ、あんた今どこいる?』
『ホテル前!白髪青目だから!見逃さないでね!』
『えぇ!私いまホテルからちょっと離れてるよ!今走って行くからちょっと待ってて!』
チャットを繋いだままにして、私はシャーレがいるであろうホテル・レバリー前まで走った。

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作者メッセージ

登場人物
シャーレ
アレヴァーナ

2024/05/04 22:48

夢野 シオン@水野志恩SS ID:≫7tLEh4qnMjetA
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