【 リクエスト短編集 】 桜御坂学園高校・番外編
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《 奈乃 side 》
私の名前は “ 如月 奈乃 ” 。
自分でも自覚アリの 、 重度なオタクである 。
私は今 、 廊下の陰からとある人物を見つめている 。
奈乃「 … 今日も可愛いな 、 先輩 … 」
私が見つめている人物 、 もとい柚先輩は 、 この学園の生徒会長だ 。
生徒会長 、 バレー部部長 、 容姿端麗 、 成績優秀 、 運動神経抜群 。
推しポイントしかない先輩を知ったとき 、 私は一瞬で先輩のファンになってしまった 。
奈乃「 ( 気付いてくれたり 、 しないかなあ … ) 」
私は生徒会執行委員で 、 柚先輩と同じバレー部だ 。
けれど 、 向こうにとって私はそれほど大切な存在ではないと思う 。
どうせ 、 「 執行委員で同じ部活の子だ ー 」 くらいにしか思ってないんだ …
はあ …
こんなに近くに推しがいるのに 、 勇気が出なくて手が届かないこのもどかしさ 。
先輩は弓道部長の響先輩 、 吹奏楽部長の葉月先輩と話していて 、 こっちを向く気配が全くない 。
奈乃「 ( … やっぱり 、 オタクは推しに認知されちゃだめだよね … ) 」
柚先輩の隠れファンは多いと聞くから 、 変に近付いて恨まれても怖い 。
いやでも 、 推しに完全なる認知をもらうほど嬉しいことはない …
なんて思いながら 、 諦めて教室に帰ろうとする 。
その前に一目見ておこう 、 と顔を上げた途端 、 柚先輩と目が合った 。
奈乃「 …… !!! 」
こっちに気付いた柚先輩は ふわりと柔らかく笑いながら 、 小さく手を振ってくれた 。
奈乃「 ……… ぐぁあ … っ … ! 」
廊下を歩く生徒たちが 、 いきなり謎の奇声を発した私を見て ぎょっとする 。
私は色んな意味で恥ずかしくなって 、 走って教室に戻ったのだった 。
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