この世界は嘘で満ち溢れている。
どんなに偉い人だって人気な人だって優しい人だって一度はついたことはあるだろう。
もし、あなたの推しが嘘で作られた人でもあなたは愛し続けられるだろうか？

第1章 出会い
ガタンゴトン。
俺は ため息をついた。
次は渋谷駅 渋谷駅です。
電車のアナウンスが聞こえた。
俺は鈴木琥珀。いたって普通の24歳の大人だ。
俺は今日から大人気アイドルグループWindowsのマネージャーをやることになった。
そのグループは5人で今最も人気な女子アイドルグループだ。
テレビでもドラマでもよく目にする。
可愛くて優しい今人気のアイドルたちのマネージャー だから一番近くに入れて幸せ？
ふざけるな。
初めは 俺だってそう考えてた。
でも現実はどうだ。
どいつもこいつもテレビの前ではいい顔をして実際の性格は最悪。
ああしろ これしろと奴隷のように俺を使う。
俺はあいつらのお世話係じゃねえんだよ。
今回も どうだ？
しかも そのアイドルグループのセンターだ。
きっと今回も今までと同じような生活を送るんだろう。
最悪。
それだけで ため息が止まらない。
窓を見ると4月になっても 桜は満開ではなく ちらほらと桃色を覗かせるだけである。
あー 本当に帰りたい。
でも、 社長の命令だからしょうがない。
そんな重い 気分のままふと顔を上げると電車のポスターが目に入った。
そこには今日からマネージャーを担当する大人気アイドルグループの圧倒的センター若草風花がいた。