二次創作
梟谷のマネは今日も静寂。
[小文字]ピピピッピピピッピピピッ[/小文字]
おぼろげな意識の中響く音
それはいつも朝の訪れを
合図するアラームの音
俺はこの音があんまり好きじゃない
朝起きなきゃ行けないって憂鬱も
あるけど、その時に夢を見ていたなら
それがいい夢だったなら余計
目覚めたくないと考えてしまうから
木葉「…ん…」
木葉「…あれ…」
霞む目を開いた時見えた天井は
学校の天井じゃなくて、見慣れた
自分の部屋の天井だった
木葉「…」
目をぐしぐしと擦ってみたけど
風景は変わらず自分の部屋の天井
木葉「…合宿…あれは…夢…?」
やけにリアルだったような気がするが
何度も目を擦っても頬をつねっても
めっちゃ普通に痛いだけだった
木葉「…あ…日付…」
スマホを手にとって電源をつける
日付を確認したが合宿なんて近いと
言えば近いがまだ先、なら
あれは夢だったのか
木葉「…支度するか…」
つか、今日朝練あったっけ
…ま、あってもなくてもあの
バレー馬鹿は居るんだろうな
…なんか今日天気わりーな
今すぐにでも降り出しそうだ
木葉「んじゃ、行ってきまーす」
木葉母「…大丈夫なの?」
木葉「?別に俺、元気だけど…」
木葉母「…そう…なら、気をつけてね」
木葉「お、おう…?」
母さんが言ったことが
俺は全然理解できなかった
別に変なこともないのに…
…そういや、今日の朝練に
●●と赤葦居なかったな…
別に強制じゃないからただ忙しかった
だけだとは思うけど…
…珍しいこともあるもんだ
木葉「くぁ〜〜…」
クラスメイト「…よっ、木葉!!
調子どうよ!!」
木葉「うおっ!!って
なんだよその質問w」
木葉「そーだなー、強いて言うなら
朝練上がりでバカ眠いくらいー?」
木葉「あと彼女欲しい」
クラスメイト「そっか…なんか
元気そうで良かった!!」
木葉「…?」
今日はやけにみんな様子が変だ…
…みんな俺に気使ってるみてー…
[小文字]木葉「…わっかんねーな…」[/小文字]
あっという間に時は過ぎてもう放課後
部活が始まる
でも色々やってるうちに少し
俺は遅れて体育館についた
赤葦と●●にどやされ
ませんように…!!
…そう思ってきたのに肝心の
2人はまた居なかった
木葉「流石になんかおかしいだろ…」
木葉「…!!」
木葉「なぁお前らー」
猿杙「!!木葉…」
木葉「?どうしたんだよ、そんな顔して」
木葉「…まぁいいや」
木葉「今日、赤葦と●●は?
朝から居なかった
けど、休みなん?」
古見「おま…それ本気で言ってんのか…?」
木葉「いや、別に冗談のつもりはさらさら
ねーけど…つか、冗談
にはならんだろ?」
木葉「…俺、なんか変なこと
言ったかなー…?なんて…」
古見「お前…そんな…もう…」
古見「…ごめんな…」
木葉「は?いや、なにがごめん
なんだよ…俺、何一つ状況
分かってねーんだけど…?」
猿杙「…木葉、目を逸らしても変わらない
っていうのは分かってるから
何度でも俺は言ってやるけどさ…」
猿杙「…あいつらは…もう…」
猿杙「…死んじまったんだよ」
木葉「…[小文字]は[/小文字]…?」
いや…いやいやいや…冗談キツいぜ…?
木葉「…だ…大体…!!なんで…
…赤葦まで…!!!」
猿杙「…赤葦は●●が死んだ
のを自分のせいだって背負い
込んで…その重さに耐えられ
なくなって…」
猿杙「…首吊ったんだろ…」
猿杙「…お前だって、アイツが書き
残したメッセージ…
…読んだじゃんか…!!」
木葉「…あ…あぁ…」
知らない…知らないはずなのに…
…そんな物…読んだ記憶なんて…
…ないはずなのに…流れ込んでくる…
…その時の…風景が…
古見「…木葉…」
木葉「…な…なぁ…頼む…お願い
だから…誰でも…誰でもいい…
…嘘って…嘘だって冗談だって…
…言ってくれよ…!!…なぁ…!!!」
だって…だって赤葦はついこないだまで
木兎の世話してたし、●●は翼に
説教してて、合宿先では元気に…!!!
…合宿…?…あれ…は…夢…?
木葉「…ッッ!!!」
古見「!!おい!!待てよ、木葉!!!」
木兎「うおっ!?木葉!!?」
木兎「ちょ、木葉!!何
やってんのあれ!?」
猿杙「…なんか今日珍しくケロッと
してっから声かけたら…遂に
ショックで赤葦と●●に
何があったのか…
…忘れちまったって…」
猿杙「…だから俺全部聞かれたこと
説明したんだよ…それが
辛いことだって重々承知の上で」
木兎「…俺、ちょっと木葉追いかける」
古見「追いかけるって…!!」
木兎「アイツ、急に飛び
出してったんだぜ?」
木兎「どーせ傘も持たないで
行ってんだろ!!外の雨ひでーし
ビッシャビシャになる前に
連れ戻してくる!!」
古見「!!」
古見「…風邪、拗らせんなよ!!
お前も、木葉も」
木兎「任せろ!!」
木葉「はっ…はっ…はっ…はっ…!!!」
…あの時の…あいつらの…
…いつも通りな…声も…
…俺が…必死…こいて…
…助けた…あの時も…
…実際は…誰も…助かってなんか
なくて…全部…全部…全部全部全部…!!!
…俺の…頭ん中の…身勝手な…
…夢…だっ…た…?
木葉「は…っ…はぁ…っ…はぁ…っ」
木葉「は…ぁ…」
今更気付いた…こんなとこ
まで走ってきたのか…
…雨が凄いのも今の今まで
気にならなかったな…
…濁流に押し流されて
行く平和な川の水流を
見ていたら思いついた…
木葉「…はは…ごめんな…赤葦…
…ごめんな…●●」
…気付くと、俺は橋の欄干に立ってた
木葉「…これで…これで…人一人も
救えなかった器用貧乏は…
…お前らに報えるかな…」
木葉「…今…そっちに逝くよ」
片足、そして両足を離すと
どういう原理か体はくるりと
向きを変えて仰向けになった
…ごめんな
木葉「…!!」
木兎「…ッ!!!」
木葉「ぼく…と…?なんで…」
木兎「何やってんだよ!!!
バカ野郎!!!!」
木葉「…手…離してくれよ…
…お願いだからさ…」
木兎「嫌だ!!!」
木葉「…もう無理なんだよ…なんか…
…俺…おかしくなっち
まったんだってさ…」
木葉「…ショックかなんかなのかさ…
…忘れてたんだ…もし…
…それが何回もこれから
あって…そしたら話を聞いた
俺はまた…投げ出したくなる…」
木葉「…そんなの…俺は無理だ…」
木兎「でも…でも赤葦は!!!俺の分も
皆さんは…皆さんは長生き
してくださいって…!!!!」
木葉「うるせぇよ…!!!!」
木葉「分かれよ木兎光太郎…!!!!」
木葉「俺は…お前じゃない…!!!!」
木兎「!!」
木葉「ずっっっとそうだ!!!
お前に会ったときから
ずっっっっとだよ!!!!」
木葉「俺達のスタートは1年の頃から
言えば同じウィングだった!!!」
木葉「今じゃオポとエースで
それぞれの役割こそあるけど
その根本は変わらないわけ!!!」
木葉「俺が…!!あんな嫌になるくらいの
量の部員で…!!!特に突出して
持ってた物だってなかった
のに…器用で…なんでも
卒なくこなせるくらいだった
俺が…!!!できるとこまでやって
粘って…それでやっとスタメン
だってゲットした!!!
それなのに…結局もてはやされる
のはお前なんだよ木兎…!!!!」
木葉「…ずっと比べられて…器用貧乏とか
言われて…まさにそうだよ…!!
…知ってるよそれくらい…!!」
木葉「…木兎が…死ぬほど努力してる
ことも…嫌な奴じゃない
ことも…どこよりも最高の
エースだってことも…
…知ってんだよ…」
木葉「…知ってる上で…今も時々
木兎を羨んでる俺がいる
時点で…俺とお前は同じ
考えにはなれない…俺は…
…お前じゃないんだ…」
木葉「…きっとこの先俺は…ほって
おきながら生きる
なんて…無理なんだよ…」
木葉「…だから…幕の下ろし方
くらいは…俺の好きに
選ばせてくれよ…」
木兎「…そんなこと言いながら…
…そんな顔で笑うなよ…」
木兎「…こっちまで辛く
なっちまうだろ…」
木兎「…分かった…お前は俺
じゃない…それなら…俺は…
…俺がやりたいことをやる…!!!」
木葉「おま…引き上げるつもりかよ…!!?」
木兎「当たり前!!!」
木葉「バカ!!そんなん、下手すりゃ
お前も真っ逆さまだぞ!!!」
木兎「知らん…!!!!」
木葉「…!!」
木葉「…はっ…笑」
なんだよ…俺も結局…コイツに
救われることを望んでん
じゃねぇかよ…死にたいなら…
…コイツの手を振りほどけば
いいだけじゃねぇか…
…でも…
木葉「…木兎」
木葉「俺…あんなこと言ったけど
やっぱお前のこと好きだ」
木葉「お前にはケガも
してほしくないのよ」
木葉「…だからさ…」
木葉「…お前は赤葦の言う通り
真っ当に木兎光太郎の
オリジナルスタイルで」
[大文字][太字]シュバッ!!![/太字][/大文字]
木葉「生きていけ!!」
木兎「!!!」
木兎「木葉!!!!」
木葉「…」
アイツの手を振りほどいた瞬間
重力に逆らえなくなった…
濁流に吸い込まれるように落ちる…
…これでよかったんだ…
…バカな俺を許せな…木兎…
[小文字][小文字][小文字]…は…[/小文字][/小文字][/小文字]
[小文字][小文字]…のは…[/小文字][/小文字]
[小文字]…このは…[/小文字]
[太字][大文字]●●、赤葦『木葉/さん!!』[/大文字][/太字]
木葉「!!!?」
●●『…飛び起きた』
木葉「はぁっはぁっはぁっ…」
赤葦「大丈夫ですか
うなされていましたが…」
木葉「赤葦…?…●●…?」
木葉「ほん…もの…?」
●●、赤葦『???』
●●『偽物なんてことないでしょ』
木葉「…あ…ああ…あああ…」
赤葦「あ、ちょ、木葉さん
泣いてるんですか?」
●●『え…』
[太字][大文字]ドサッ!!![/大文字][/太字]
木葉「生きてる…生きてるよなぁ…!!!
夢じゃないよなぁ…!!!!」
赤葦「…」
●●『…』
●●『…取りあえず離れて』
木葉「…むり…」
赤葦「木葉さん…ほんとに離れましょう
色々不便ですから」
木葉「やだ…」
●●『…なにこれ悪夢』
赤葦「いや、ただの現実…」
●●、赤葦『…はぁ〜…』
黒尾「おやおや?おやおやおやおや?
いつにもまして距離が
近くないかい2年ズ〜?」
赤葦「後ろの宇宙人が
見えてないんですか…」
黒尾「え?宇宙人?って、おまw
木葉ww何してん
だよコイツwww」
●●『起床直後突然
無理ヤダ無理星人に
なりました』
黒尾「お〜いw無理ヤダ無理星人〜w」
[小文字]木葉「う…うぅ…ぅ…」[/小文字]
黒尾「って…お前、泣いてんのか!?」
赤葦「…まぁ、この通りで俺達に
まとめて腕回してるせいで
抜け出せないんです」
黒尾「んー、赤葦なら行け
なくもなんじゃね?」
赤葦「俺一人ならいいんですけど
なんせ●●が居る状態で
拘束されて反対側に
手が回せないんです」
黒尾「なら片腕をそれぞれ赤葦と
●●で引き剥がせば…」
赤葦「女マネのか弱さ舐めないで
もらってもいいですか?」
↑
パワー3
●●『私もう試しましたよ』
↑
パワー1
木葉「…う…」
↑
パワー2
黒尾「あーれまー」
黒尾「つーか、昨日の小生意気な
●●はどこ
行っちゃったのよ」
●●『…?』
●●『…すみません
記憶はないんですけど』
黒尾「え!?ないの!?」
●●『はい』
●●『眠気とか夜中に弱くて
典型的に不機嫌になり
やすいらしいです』
●●『意識はぽやぽやしてますが』
赤葦〔ぽやぽや〕
黒尾〔ぽやぽや…?〕
黒尾「はぁ〜…なんでこんなクセの
あるのが多いのかねぇ梟谷は」
赤葦「音駒も大概ですよ」
黒尾「おいおーい、そんなほぼ90°
みたいな角度でくっついて
腰痛めるぞー」
木兎「あー!!木葉やっと
起きたのかー!!」
翼「遅くね?遅くね?」
[小文字]木葉「ぼ…くと…?」[/小文字]
木兎「?なにしてんのお前?」
木兎「…なんか楽しそう!!
おーれもやるー!!!」
翼「えー!!じゃー俺もー!!」
●●『は、え、ちょ』
・・・
赤葦「…なんですかこのカオス」
●●『…このまま歩いていいかな』
赤葦「え」
そして、この2年ズを先頭に掲げた
無理ヤダ無理星人とバレーバカ
モンスターとバレーLOVE幽霊の
奇妙な列車(?)は沢山の人間の
目に触れ、ネタにされ、写真も
撮られ一通り騒ぎ立てたあと
サームラやら烏野の強面なコーチ
やらに見つかってそれなりに
言われたまま木葉は梟谷3年の
マネちゃんズにしばかれたあと
慰められてわりかし平和に
終わりましたとさ…
…あれ、なんで俺さっき怒られた?
byみんな大好き音駒の血液黒尾サン☆
おぼろげな意識の中響く音
それはいつも朝の訪れを
合図するアラームの音
俺はこの音があんまり好きじゃない
朝起きなきゃ行けないって憂鬱も
あるけど、その時に夢を見ていたなら
それがいい夢だったなら余計
目覚めたくないと考えてしまうから
木葉「…ん…」
木葉「…あれ…」
霞む目を開いた時見えた天井は
学校の天井じゃなくて、見慣れた
自分の部屋の天井だった
木葉「…」
目をぐしぐしと擦ってみたけど
風景は変わらず自分の部屋の天井
木葉「…合宿…あれは…夢…?」
やけにリアルだったような気がするが
何度も目を擦っても頬をつねっても
めっちゃ普通に痛いだけだった
木葉「…あ…日付…」
スマホを手にとって電源をつける
日付を確認したが合宿なんて近いと
言えば近いがまだ先、なら
あれは夢だったのか
木葉「…支度するか…」
つか、今日朝練あったっけ
…ま、あってもなくてもあの
バレー馬鹿は居るんだろうな
…なんか今日天気わりーな
今すぐにでも降り出しそうだ
木葉「んじゃ、行ってきまーす」
木葉母「…大丈夫なの?」
木葉「?別に俺、元気だけど…」
木葉母「…そう…なら、気をつけてね」
木葉「お、おう…?」
母さんが言ったことが
俺は全然理解できなかった
別に変なこともないのに…
…そういや、今日の朝練に
●●と赤葦居なかったな…
別に強制じゃないからただ忙しかった
だけだとは思うけど…
…珍しいこともあるもんだ
木葉「くぁ〜〜…」
クラスメイト「…よっ、木葉!!
調子どうよ!!」
木葉「うおっ!!って
なんだよその質問w」
木葉「そーだなー、強いて言うなら
朝練上がりでバカ眠いくらいー?」
木葉「あと彼女欲しい」
クラスメイト「そっか…なんか
元気そうで良かった!!」
木葉「…?」
今日はやけにみんな様子が変だ…
…みんな俺に気使ってるみてー…
[小文字]木葉「…わっかんねーな…」[/小文字]
あっという間に時は過ぎてもう放課後
部活が始まる
でも色々やってるうちに少し
俺は遅れて体育館についた
赤葦と●●にどやされ
ませんように…!!
…そう思ってきたのに肝心の
2人はまた居なかった
木葉「流石になんかおかしいだろ…」
木葉「…!!」
木葉「なぁお前らー」
猿杙「!!木葉…」
木葉「?どうしたんだよ、そんな顔して」
木葉「…まぁいいや」
木葉「今日、赤葦と●●は?
朝から居なかった
けど、休みなん?」
古見「おま…それ本気で言ってんのか…?」
木葉「いや、別に冗談のつもりはさらさら
ねーけど…つか、冗談
にはならんだろ?」
木葉「…俺、なんか変なこと
言ったかなー…?なんて…」
古見「お前…そんな…もう…」
古見「…ごめんな…」
木葉「は?いや、なにがごめん
なんだよ…俺、何一つ状況
分かってねーんだけど…?」
猿杙「…木葉、目を逸らしても変わらない
っていうのは分かってるから
何度でも俺は言ってやるけどさ…」
猿杙「…あいつらは…もう…」
猿杙「…死んじまったんだよ」
木葉「…[小文字]は[/小文字]…?」
いや…いやいやいや…冗談キツいぜ…?
木葉「…だ…大体…!!なんで…
…赤葦まで…!!!」
猿杙「…赤葦は●●が死んだ
のを自分のせいだって背負い
込んで…その重さに耐えられ
なくなって…」
猿杙「…首吊ったんだろ…」
猿杙「…お前だって、アイツが書き
残したメッセージ…
…読んだじゃんか…!!」
木葉「…あ…あぁ…」
知らない…知らないはずなのに…
…そんな物…読んだ記憶なんて…
…ないはずなのに…流れ込んでくる…
…その時の…風景が…
古見「…木葉…」
木葉「…な…なぁ…頼む…お願い
だから…誰でも…誰でもいい…
…嘘って…嘘だって冗談だって…
…言ってくれよ…!!…なぁ…!!!」
だって…だって赤葦はついこないだまで
木兎の世話してたし、●●は翼に
説教してて、合宿先では元気に…!!!
…合宿…?…あれ…は…夢…?
木葉「…ッッ!!!」
古見「!!おい!!待てよ、木葉!!!」
木兎「うおっ!?木葉!!?」
木兎「ちょ、木葉!!何
やってんのあれ!?」
猿杙「…なんか今日珍しくケロッと
してっから声かけたら…遂に
ショックで赤葦と●●に
何があったのか…
…忘れちまったって…」
猿杙「…だから俺全部聞かれたこと
説明したんだよ…それが
辛いことだって重々承知の上で」
木兎「…俺、ちょっと木葉追いかける」
古見「追いかけるって…!!」
木兎「アイツ、急に飛び
出してったんだぜ?」
木兎「どーせ傘も持たないで
行ってんだろ!!外の雨ひでーし
ビッシャビシャになる前に
連れ戻してくる!!」
古見「!!」
古見「…風邪、拗らせんなよ!!
お前も、木葉も」
木兎「任せろ!!」
木葉「はっ…はっ…はっ…はっ…!!!」
…あの時の…あいつらの…
…いつも通りな…声も…
…俺が…必死…こいて…
…助けた…あの時も…
…実際は…誰も…助かってなんか
なくて…全部…全部…全部全部全部…!!!
…俺の…頭ん中の…身勝手な…
…夢…だっ…た…?
木葉「は…っ…はぁ…っ…はぁ…っ」
木葉「は…ぁ…」
今更気付いた…こんなとこ
まで走ってきたのか…
…雨が凄いのも今の今まで
気にならなかったな…
…濁流に押し流されて
行く平和な川の水流を
見ていたら思いついた…
木葉「…はは…ごめんな…赤葦…
…ごめんな…●●」
…気付くと、俺は橋の欄干に立ってた
木葉「…これで…これで…人一人も
救えなかった器用貧乏は…
…お前らに報えるかな…」
木葉「…今…そっちに逝くよ」
片足、そして両足を離すと
どういう原理か体はくるりと
向きを変えて仰向けになった
…ごめんな
木葉「…!!」
木兎「…ッ!!!」
木葉「ぼく…と…?なんで…」
木兎「何やってんだよ!!!
バカ野郎!!!!」
木葉「…手…離してくれよ…
…お願いだからさ…」
木兎「嫌だ!!!」
木葉「…もう無理なんだよ…なんか…
…俺…おかしくなっち
まったんだってさ…」
木葉「…ショックかなんかなのかさ…
…忘れてたんだ…もし…
…それが何回もこれから
あって…そしたら話を聞いた
俺はまた…投げ出したくなる…」
木葉「…そんなの…俺は無理だ…」
木兎「でも…でも赤葦は!!!俺の分も
皆さんは…皆さんは長生き
してくださいって…!!!!」
木葉「うるせぇよ…!!!!」
木葉「分かれよ木兎光太郎…!!!!」
木葉「俺は…お前じゃない…!!!!」
木兎「!!」
木葉「ずっっっとそうだ!!!
お前に会ったときから
ずっっっっとだよ!!!!」
木葉「俺達のスタートは1年の頃から
言えば同じウィングだった!!!」
木葉「今じゃオポとエースで
それぞれの役割こそあるけど
その根本は変わらないわけ!!!」
木葉「俺が…!!あんな嫌になるくらいの
量の部員で…!!!特に突出して
持ってた物だってなかった
のに…器用で…なんでも
卒なくこなせるくらいだった
俺が…!!!できるとこまでやって
粘って…それでやっとスタメン
だってゲットした!!!
それなのに…結局もてはやされる
のはお前なんだよ木兎…!!!!」
木葉「…ずっと比べられて…器用貧乏とか
言われて…まさにそうだよ…!!
…知ってるよそれくらい…!!」
木葉「…木兎が…死ぬほど努力してる
ことも…嫌な奴じゃない
ことも…どこよりも最高の
エースだってことも…
…知ってんだよ…」
木葉「…知ってる上で…今も時々
木兎を羨んでる俺がいる
時点で…俺とお前は同じ
考えにはなれない…俺は…
…お前じゃないんだ…」
木葉「…きっとこの先俺は…ほって
おきながら生きる
なんて…無理なんだよ…」
木葉「…だから…幕の下ろし方
くらいは…俺の好きに
選ばせてくれよ…」
木兎「…そんなこと言いながら…
…そんな顔で笑うなよ…」
木兎「…こっちまで辛く
なっちまうだろ…」
木兎「…分かった…お前は俺
じゃない…それなら…俺は…
…俺がやりたいことをやる…!!!」
木葉「おま…引き上げるつもりかよ…!!?」
木兎「当たり前!!!」
木葉「バカ!!そんなん、下手すりゃ
お前も真っ逆さまだぞ!!!」
木兎「知らん…!!!!」
木葉「…!!」
木葉「…はっ…笑」
なんだよ…俺も結局…コイツに
救われることを望んでん
じゃねぇかよ…死にたいなら…
…コイツの手を振りほどけば
いいだけじゃねぇか…
…でも…
木葉「…木兎」
木葉「俺…あんなこと言ったけど
やっぱお前のこと好きだ」
木葉「お前にはケガも
してほしくないのよ」
木葉「…だからさ…」
木葉「…お前は赤葦の言う通り
真っ当に木兎光太郎の
オリジナルスタイルで」
[大文字][太字]シュバッ!!![/太字][/大文字]
木葉「生きていけ!!」
木兎「!!!」
木兎「木葉!!!!」
木葉「…」
アイツの手を振りほどいた瞬間
重力に逆らえなくなった…
濁流に吸い込まれるように落ちる…
…これでよかったんだ…
…バカな俺を許せな…木兎…
[小文字][小文字][小文字]…は…[/小文字][/小文字][/小文字]
[小文字][小文字]…のは…[/小文字][/小文字]
[小文字]…このは…[/小文字]
[太字][大文字]●●、赤葦『木葉/さん!!』[/大文字][/太字]
木葉「!!!?」
●●『…飛び起きた』
木葉「はぁっはぁっはぁっ…」
赤葦「大丈夫ですか
うなされていましたが…」
木葉「赤葦…?…●●…?」
木葉「ほん…もの…?」
●●、赤葦『???』
●●『偽物なんてことないでしょ』
木葉「…あ…ああ…あああ…」
赤葦「あ、ちょ、木葉さん
泣いてるんですか?」
●●『え…』
[太字][大文字]ドサッ!!![/大文字][/太字]
木葉「生きてる…生きてるよなぁ…!!!
夢じゃないよなぁ…!!!!」
赤葦「…」
●●『…』
●●『…取りあえず離れて』
木葉「…むり…」
赤葦「木葉さん…ほんとに離れましょう
色々不便ですから」
木葉「やだ…」
●●『…なにこれ悪夢』
赤葦「いや、ただの現実…」
●●、赤葦『…はぁ〜…』
黒尾「おやおや?おやおやおやおや?
いつにもまして距離が
近くないかい2年ズ〜?」
赤葦「後ろの宇宙人が
見えてないんですか…」
黒尾「え?宇宙人?って、おまw
木葉ww何してん
だよコイツwww」
●●『起床直後突然
無理ヤダ無理星人に
なりました』
黒尾「お〜いw無理ヤダ無理星人〜w」
[小文字]木葉「う…うぅ…ぅ…」[/小文字]
黒尾「って…お前、泣いてんのか!?」
赤葦「…まぁ、この通りで俺達に
まとめて腕回してるせいで
抜け出せないんです」
黒尾「んー、赤葦なら行け
なくもなんじゃね?」
赤葦「俺一人ならいいんですけど
なんせ●●が居る状態で
拘束されて反対側に
手が回せないんです」
黒尾「なら片腕をそれぞれ赤葦と
●●で引き剥がせば…」
赤葦「女マネのか弱さ舐めないで
もらってもいいですか?」
↑
パワー3
●●『私もう試しましたよ』
↑
パワー1
木葉「…う…」
↑
パワー2
黒尾「あーれまー」
黒尾「つーか、昨日の小生意気な
●●はどこ
行っちゃったのよ」
●●『…?』
●●『…すみません
記憶はないんですけど』
黒尾「え!?ないの!?」
●●『はい』
●●『眠気とか夜中に弱くて
典型的に不機嫌になり
やすいらしいです』
●●『意識はぽやぽやしてますが』
赤葦〔ぽやぽや〕
黒尾〔ぽやぽや…?〕
黒尾「はぁ〜…なんでこんなクセの
あるのが多いのかねぇ梟谷は」
赤葦「音駒も大概ですよ」
黒尾「おいおーい、そんなほぼ90°
みたいな角度でくっついて
腰痛めるぞー」
木兎「あー!!木葉やっと
起きたのかー!!」
翼「遅くね?遅くね?」
[小文字]木葉「ぼ…くと…?」[/小文字]
木兎「?なにしてんのお前?」
木兎「…なんか楽しそう!!
おーれもやるー!!!」
翼「えー!!じゃー俺もー!!」
●●『は、え、ちょ』
・・・
赤葦「…なんですかこのカオス」
●●『…このまま歩いていいかな』
赤葦「え」
そして、この2年ズを先頭に掲げた
無理ヤダ無理星人とバレーバカ
モンスターとバレーLOVE幽霊の
奇妙な列車(?)は沢山の人間の
目に触れ、ネタにされ、写真も
撮られ一通り騒ぎ立てたあと
サームラやら烏野の強面なコーチ
やらに見つかってそれなりに
言われたまま木葉は梟谷3年の
マネちゃんズにしばかれたあと
慰められてわりかし平和に
終わりましたとさ…
…あれ、なんで俺さっき怒られた?
byみんな大好き音駒の血液黒尾サン☆