鏡像世界を知りたい10000歳の冒険者
謎の爺さん「確かに武の道に果ては無い。極意へとまた一歩近づいたな。」
「お主に教えることはもう何もない。」
シュタルク「それ毎日言ってるよね…?」
「…あれ?フェルン?」
フェルン「むっすー」
シュタルク「ブチギレてる⁉なんで⁉」
フェルン「フリーレン様と喧嘩しました。」
シュタルク「またなの…最近そういうの多くない?」
「次の第三次試験が最終試験なんだろ?」
「喧嘩なんかしている場合じゃ___」
フェルン「今回ばかりは酷すぎます。」
「零落の王墓での戦いで杖が壊れてしまったので、」
「直しに行きたいとフリーレン様に伝えました。」
「そうしたら古い杖は捨てて新しい杖を買ったほうがいいと…」
シュタルク「あの杖だろ。粉々だからもう直せないって言っていたぜ。」
フェルン「それでもあれはハイター様から貰った杖です。」
「小さい頃からずっと一緒だったんです。」
シュタルク「フリーレンだぜ?悪気があった訳じゃ…」
フェルン「少なくとも私には、」
「[太字]捨てる[/太字]だなんて発想はありませんでした。」
カンネ「次の一級試験まで三年か…三年は長いよね。」
ラヴィーネ「いつもみたいに馬鹿にしろよ。」
カンネ「馬鹿にして欲しいの?」
ラヴィーネ「…いいや。」
カンネ「……」
「じゃあラヴィーネちゃん。なでなでしてあげよっか?」
「おっ?やんのか?」
ラヴィーネ「早くしろ。」
カンネ「…こりゃ重症だね。」
「…あ、フリーレンだ。何その袋?」
リヒター「おい。いつまでいるつもりだ。」
「俺はもう試験に落ちたんだ。もう他人だろう。」
「商売の邪魔だから帰れ。」
デンケン「儂は今客としてここにいる。」
リヒター「…ならさっさと選べ」
ラオフェン「…あげる。」
リヒター「いらん。」
デンケン「今回は運が悪かったな。」
「損な役回りだ。」
「あの場にいた誰もがそうなる可能性があった。」
リヒター「負けは負けだ。俺の実力が足りなかった。」
「だがその話は二度とするな。」
「こう見えて俺は今最悪な気分なんだ。」
デンケン「それでも店はやるんだな。」
リヒター「デンケン。お前は知らないだろうが、」
「どんな最悪な気分でも人は食っていくために働かなければいけん。」
デンケン「そうか。」
リヒター「まあ落ちたのが俺でよかったんじゃないか。」
「一級試験は三年に一度。」
「デンケン。お前みたいな老いぼれに三年後はないかもしれないからな。」
デンケン「…確かにな。」
リヒター「言い返せ。」
デンケン「リヒター。お前は本当に生意気な若造だ。」
「権威を馬鹿にし、目的のためなら弱者を足蹴にすることも厭わない。」
「とても褒められたような人間ではない。」
「なのに儂はお前になんの嫌悪も抱いていない。」
「きっと昔、儂がそういう生意気な若造だったからだ。」
「そんな儂が今は宮廷魔法使いの地位にいる。」
リヒター「…何が言いたい?」
デンケン「そう悲観するなということだ。」
「三年後のお前は今よりずっと強くなっている。」
「ラオフェン帰るぞ。」
ラオフェン「ごめんね。爺さん不器用なんだ。」
リヒター「お前はデンケンのなんなんだよ…」
「老いぼれが…」
「結局何も買っていかないのかよ。」 ガチャ
「今日は厄日か何かなのか?」
フリーレン「街の人達に聞いて回ったんだけど。」
「ここならどんなに壊れた杖でも修理できるんだよね。」
リヒター「…見せてみろ。」
「このバラバラの物体はなんだ?まさか杖なのか?」
「こんなゴミを寄こされても困る。」
フリーレン「ゴミじゃないよ。…たぶん。」
●●「フェルンちゃん。もう帰らない?もう真っ暗だよぉ~。」
「あと痛いしぃ~。ポコポコしないでよぉ。」
フェルン「フリーレン様は私のことをまるでわかっていません。」
シュタルク「そんなの俺だってわかんねぇよ。」
「やめてよぉ!!俺にシフトチェンジしないで!!」 ポコポコ
●●「あぁスッキリしたぁ…」
シュタルク「…だからさ、わかろうとするのが大事だと思うんだよ。」
「フリーレンは頑張っていると思うぜ。」
フェルン「…私の杖。」
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ハイター「フリーレンは感情や感性に乏しい。」
「それが原因で困難や行き違いが起こることもあるでしょう。」
「でも一つだけいいこともあります。」
「その分だけきっと、フリーレンはあなたのために」
「思い悩んでくれる。彼女以上の師はなかなかいませんよ。」
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~次の日~
ファルシュ「それでは、これより第三次試験を始めます。」
【おまけ】
カンネ「元気出た?」
ラヴィーネ「もいちょい」
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