数ヶ月後──。
いよいよ結果が発表される日だ。
私は「お願いっ」と手を合わせ、ひたすら祈るしかない。私にできることはただそれだけだった。
[小文字][小文字]大学のこと分からん。だから飛ばす[/小文字][/小文字]

　「ご、合格⁈」
そこに書いてあったのは、太く、大きく“合格”という文字が表示されていた。
私はあまりにも嬉しかった為、涙をこぼした。
本当は声をあげて泣きたかったが、半信半疑で実感が湧かなかった為、声をあげられながった。個人の意見だが。
「おめでとう結月」
よっぽど声が大きかったのだろう。
二階の部屋にいた母が気持ちが踊っているような感じで階段を降りてきて言った。
「信じられない」
私は夢を見ているような気がしたので、頭を軽く叩いた。
痛い……
これは夢ではない。本当だ！
そう思うと益々嬉しくなる。
私は、心が浮き、グループメールでこう送った。
「受かった？」
すると、すぐに既読がついた。
私は既読がついた瞬間、ハッと我に返った。
やばい。駄目な事を送ってしまった。
落ちた人がいたらとても大変になる。
私は見なかった事にして、画面を閉じた。
──取り敢えずお菓子でも食べよう

すると、メール専用の通知音がした。
私は気持ちを引き締めてトーク画面を開いた。
「うかった！」
と遥から来た。
それから返信がどんどん来て、全員受かっていたことが分かった。
私は色々な意味でほっとした。

　それから私は、卒業式のためのピアノの練習をした。
途中で挫折したが、これが最後の発表になる。
そう思うと、失敗したくないという気持ちが湧く。
それを心の中に入れとけばどうにかなる。適当だが、本当の事だ。