オタクは今日も恋をする 3
「結月ならできる。頑張れ。」
「慎二、頑張って。」
[中央寄せ][大文字]3学期、開幕。[/大文字][/中央寄せ]
「ふぅー。」とため息を吐く。
今さっきテストが終わったところだ。
「大学入試きっつ。」
私は建物から出て、家に帰ろうとした。すると、横から「あっ」という声がした。
私は気になり、ちらりと見る。
男性がこちらを凝然として見る。
「え?」と私も目を細めて見る。
「あ!」と私は気づいた。
慎二だった。
「慎二だったんだね。私、気付かなかった。」と私はくすくすと笑いながら言った。
慎二もつられて笑った。
「でも、私じゃなかったら不審者扱いされるよ」と私は1人ツボに入ってた。
「笑いすぎ」
「大学、どこ?」
「駅の近く」
駅とは[漢字]西松並駅[/漢字][ふりがな]にしまつなみえき[/ふりがな]という駅で、徒歩3分もしないで着く、1番近い駅のことだ。
「意外と近いんだね。私は……あそこ。」
私は指を指した。
「あ、俺、買い物頼まれてるから、また」
「うん、じゃあね。」
私は軽く手を振った。
月曜日、私は早く学校に来て、音楽室に向かった。
鍵盤蓋を丁寧に開け、さっと座った。
流れるように弾く。
少し悲しい曲だ、と思ったが、しょうがない。これは卒業の曲だから。
弾きながら思う。
もう、全員と一緒に学校生活を送るのもこれが最後。
全員別の道を歩んでいく。
すると、がらがらとドアを開ける音が聞こえたのと同時に誰かの足音も聞こえた。
私は気にしないで演奏を続けた。
段々と足音が近づいてくる。
私の目の前で止まり、「綺麗。」と一言。
私は思わず顔を上げ、「し、慎二。」と何も考えずに言った。
すると慎二は「だ、大丈夫⁈」と何故か私を心配した。
私は困惑した。
慎二は「涙。」と心配した理由を教えてくれた。
「え」と思った。
目のあたりを拭くと水分を感じた。
「あ……」
何故だろう?と考える。
[斜体][明朝体]少し悲しい曲だ、と思ったが、しょうがない。これは卒業の曲だから。
弾きながら思う。
もう、全員と一緒に学校生活を送るのもこれが最後。
全員別の道を歩んでいく。[/明朝体][/斜体]
そうだ。私は1人になる事が嫌だったんだ。
このままずっとみんなと一緒に生活したいと思っていたんだった。
「いや、悲しくて。卒業後は、みんな別々になるじゃん。だから嫌で。」私はうつむきながらいった。
「俺もそうだよ。」と慎二はぽつりと言う。
「だけど、離れ離れになっても、きっとどこかで会えるかもしれない。そう思う心が大切なんだよ。」
私は少し励まされた。
そうだね。
そう思えば楽かもしれない。
卒業まであと3ヶ月
「慎二、頑張って。」
[中央寄せ][大文字]3学期、開幕。[/大文字][/中央寄せ]
「ふぅー。」とため息を吐く。
今さっきテストが終わったところだ。
「大学入試きっつ。」
私は建物から出て、家に帰ろうとした。すると、横から「あっ」という声がした。
私は気になり、ちらりと見る。
男性がこちらを凝然として見る。
「え?」と私も目を細めて見る。
「あ!」と私は気づいた。
慎二だった。
「慎二だったんだね。私、気付かなかった。」と私はくすくすと笑いながら言った。
慎二もつられて笑った。
「でも、私じゃなかったら不審者扱いされるよ」と私は1人ツボに入ってた。
「笑いすぎ」
「大学、どこ?」
「駅の近く」
駅とは[漢字]西松並駅[/漢字][ふりがな]にしまつなみえき[/ふりがな]という駅で、徒歩3分もしないで着く、1番近い駅のことだ。
「意外と近いんだね。私は……あそこ。」
私は指を指した。
「あ、俺、買い物頼まれてるから、また」
「うん、じゃあね。」
私は軽く手を振った。
月曜日、私は早く学校に来て、音楽室に向かった。
鍵盤蓋を丁寧に開け、さっと座った。
流れるように弾く。
少し悲しい曲だ、と思ったが、しょうがない。これは卒業の曲だから。
弾きながら思う。
もう、全員と一緒に学校生活を送るのもこれが最後。
全員別の道を歩んでいく。
すると、がらがらとドアを開ける音が聞こえたのと同時に誰かの足音も聞こえた。
私は気にしないで演奏を続けた。
段々と足音が近づいてくる。
私の目の前で止まり、「綺麗。」と一言。
私は思わず顔を上げ、「し、慎二。」と何も考えずに言った。
すると慎二は「だ、大丈夫⁈」と何故か私を心配した。
私は困惑した。
慎二は「涙。」と心配した理由を教えてくれた。
「え」と思った。
目のあたりを拭くと水分を感じた。
「あ……」
何故だろう?と考える。
[斜体][明朝体]少し悲しい曲だ、と思ったが、しょうがない。これは卒業の曲だから。
弾きながら思う。
もう、全員と一緒に学校生活を送るのもこれが最後。
全員別の道を歩んでいく。[/明朝体][/斜体]
そうだ。私は1人になる事が嫌だったんだ。
このままずっとみんなと一緒に生活したいと思っていたんだった。
「いや、悲しくて。卒業後は、みんな別々になるじゃん。だから嫌で。」私はうつむきながらいった。
「俺もそうだよ。」と慎二はぽつりと言う。
「だけど、離れ離れになっても、きっとどこかで会えるかもしれない。そう思う心が大切なんだよ。」
私は少し励まされた。
そうだね。
そう思えば楽かもしれない。
卒業まであと3ヶ月