オタクは今日も恋をする 3
今日は卒業アルバム用の写真を撮る。
個人とクラスの2種類を撮る予定らしい。
私達のクラスは個人が先だった。
「俺、変顔する」と光が謎の宣言をした。
「必要ない情報だな」と淳司が言う。正論だ。
光以外、全員笑顔で撮った。
光は宣言した通り、変顔で撮った。
[中央寄せ]◆[/中央寄せ]
「もう少し自然に!」
わたしは笑うのが苦手だ。
笑えるけれど「不自然だ」と言われる。
更にコミュ障なので最悪だ。
本当はもっとみんなと話したい。だけど怖い。
信じていいのか分からない。
その頃のわたしは普通だった。
「りえちゃん、友達になろう!」と急に言われたので、違和感を感じた。
だけど、その頃のわたしは最悪の事態になる事を考えていなかった。
「え、いいの⁈」
「勿論!」
「ありがとう!」
「ねぇ、うちら友達だよね?」
「そ、そうだよ」
決して否定するような言葉を言ってはいけない。
「じゃあさ、私が好きなお菓子、買ってきて」
わたしは100円しか持っていなかった。そのお菓子は200円する物だった。
「お金、ない。」
やばい、どうしよう、とわたしは焦った。
このままじゃ前と同じように殴られる。
「チッ。」と舌打ちし、「使えない。友達って言ったよね?」とまた質問してくる。
「はい!すみません!」と土下座して言う。
それからわたしは人と関わる事が怖くなり、友達を作らなくなった。
「頬と口角を持ち上げる!」
「こ、こうかな?」
「そうそう!自然になってる!」
この人は、大丈夫。悪い気はしない。
沢山関わっていけば少し話せる。だけど初対面の人や、あまり話さない人と会話をする時は怖く感じる。
「じゃあ、顔触らずに笑って!」
「こうかな?」と心の中で呟く。
「めっちゃ良くなってる!これで写真、バッチリだね!」
そう、わたしは今日の日の為に練習してきたんだ。
「はい、笑顔ー」と写真屋さんが言う。
カシャッとシャッターの音がする。
「はい、OKです」
「ありがとうございます。」
わたしは初めて初対面の人と自分から話した。
「いえいえ」
わたしは思わず笑みを浮かべた。
「めっちゃしぜーん」という声が耳元で聞こえた。
わたしは一驚を喫した。
「ご、ごめん。嬉しくてつい……」
「いや、付き合ってくれて嬉しかった。ありがとう、は、遥……」
わたしは初めて名前を呼んだ。
遥[小文字][小文字]さん[/小文字][/小文字]は唖然とした。
その後、感極まって涙した。
「あ、えっと、、」
こんなとき、何をしたらいいのだろう。
「そこー。騒がしいぞー。」と先生が言った。
ナイスタイミング。
「じゃあ、またっ!」
私は走って教室に向かった。
個人とクラスの2種類を撮る予定らしい。
私達のクラスは個人が先だった。
「俺、変顔する」と光が謎の宣言をした。
「必要ない情報だな」と淳司が言う。正論だ。
光以外、全員笑顔で撮った。
光は宣言した通り、変顔で撮った。
[中央寄せ]◆[/中央寄せ]
「もう少し自然に!」
わたしは笑うのが苦手だ。
笑えるけれど「不自然だ」と言われる。
更にコミュ障なので最悪だ。
本当はもっとみんなと話したい。だけど怖い。
信じていいのか分からない。
その頃のわたしは普通だった。
「りえちゃん、友達になろう!」と急に言われたので、違和感を感じた。
だけど、その頃のわたしは最悪の事態になる事を考えていなかった。
「え、いいの⁈」
「勿論!」
「ありがとう!」
「ねぇ、うちら友達だよね?」
「そ、そうだよ」
決して否定するような言葉を言ってはいけない。
「じゃあさ、私が好きなお菓子、買ってきて」
わたしは100円しか持っていなかった。そのお菓子は200円する物だった。
「お金、ない。」
やばい、どうしよう、とわたしは焦った。
このままじゃ前と同じように殴られる。
「チッ。」と舌打ちし、「使えない。友達って言ったよね?」とまた質問してくる。
「はい!すみません!」と土下座して言う。
それからわたしは人と関わる事が怖くなり、友達を作らなくなった。
「頬と口角を持ち上げる!」
「こ、こうかな?」
「そうそう!自然になってる!」
この人は、大丈夫。悪い気はしない。
沢山関わっていけば少し話せる。だけど初対面の人や、あまり話さない人と会話をする時は怖く感じる。
「じゃあ、顔触らずに笑って!」
「こうかな?」と心の中で呟く。
「めっちゃ良くなってる!これで写真、バッチリだね!」
そう、わたしは今日の日の為に練習してきたんだ。
「はい、笑顔ー」と写真屋さんが言う。
カシャッとシャッターの音がする。
「はい、OKです」
「ありがとうございます。」
わたしは初めて初対面の人と自分から話した。
「いえいえ」
わたしは思わず笑みを浮かべた。
「めっちゃしぜーん」という声が耳元で聞こえた。
わたしは一驚を喫した。
「ご、ごめん。嬉しくてつい……」
「いや、付き合ってくれて嬉しかった。ありがとう、は、遥……」
わたしは初めて名前を呼んだ。
遥[小文字][小文字]さん[/小文字][/小文字]は唖然とした。
その後、感極まって涙した。
「あ、えっと、、」
こんなとき、何をしたらいいのだろう。
「そこー。騒がしいぞー。」と先生が言った。
ナイスタイミング。
「じゃあ、またっ!」
私は走って教室に向かった。