オタクは今日も恋をする 3
今年の春は昨年よりも長く、過ごしやすかった。
桜も散り、アスファルトの上は桜の花びらでいっぱいになり、ピンクの[漢字]絨毯[/漢字][ふりがな]じゅうたん[/ふりがな]のようだった。
「春も、終わりか……」と慎二が寂しそうにぽつりと言う。
来年は卒業……か。
そう思うと私も寂しくなってくる。
「あっと言う間に卒業かー。」と光が上を向きながら言う。
「それは来年に言う台詞じゃないか?」と淳司が久々(?)にツッコむ。
季節は変わり夏。当然だが、春よりも過ごしづらい季節だ。
──まぁ、私は長い休みがあるから夏は嫌いになれないけれど。
「ねぇ、夏休みの予定どうする?」と遥が沈黙を避けるかのように言う。
「うーん、どうするかー。やっぱり勉強?」光が珍しく真面目に言う。
「えー。」とみんな。
「でも知り合いから聞いたけど夏休み中に勉強しとかないとヤバいらしい。」光は怖い顔をして言った。
だが、怖いのがが苦手な私でもあまり怖く感じなかった。
「ってかみんなはどーする?大学行く?」と光が続けて言う。
「行くよ」とみんな揃って言った。
私は思わずクスッと笑ってしまった。
「?」と慎二がこちらをみて首をかしげる。
「え、あ、いや、みんな揃うってあまり見た事がなくて。」
「そうだな」と慎二はひっそりと笑い、遠くを見た。
──まるで、どんな未来が待っているのかと考え、わくわくしている感じに。
「みんなって将来の夢とかあるの?」と由依が質問する。
「私は作曲家とか音楽関係の仕事に就きたいなー。」
「私は保育士!」と遥。
絶対になりたい!と言う気持ちが伝わってくる。
「俺たちは芸人!」と肩を組みながら光と淳司が言う。
「お笑いの方か?」
「そう!俺がボケ、淳司がツッコミ!」
「めっちゃ似合う。」と由依。
うんうん、とみんな頷く。
「俺は教師かな。」
「え⁈」
私は思いのほか驚き、言葉が漏れてしまった。
「そんな驚く?」慎二は微かな笑みを浮かべながら言う。
「まぁ、初めて知ったから……」
「俺は……普通の会社員かな。」と明。
「平凡でいいね!」と遥が明るく言う。
「それって良い発言なのか……?」と光が不安になる。
「わ、私は……小説家かな。」とりえちゃん。
「小説書くの上手いもんね!」遥が破顔一笑しながら言う。
「それは良い発言だな。」
「じゃあ、今年の夏休みは勉強だな!!」と元気よく言うつもりだったが、「勉強、だな……」と嫌な顔をしながら言った。理想と現実は違うのであった。
ーー
6月も終わり、明日はいよいよ待ちに待った夏休み。
今日は終業式の為、いつもより早く帰れる。
「夏休み楽しみだなぁー。」うきうきしながら光は言う。
「勉強好きだったんだな」と慎二。
「は?違う違う。沖縄に行くんだよ家族で」と光が言うと、みんなは「え」と言い、フリーズした。
「え?」
「遠くない……?」
「まぁ、そうだけど」
「じゃっその間にみんなで勉強しようぜ」と淳司が笑いながら言う。
「別にどーぞ」と光。
「どうする?TDLでも行っちゃう?あとは……東京?」と淳司は嘲るように言う。
「いいねー!」とみんなも乗る。
勿論、TDLや東京には行かない。勉強優先だ。
「おい、それはやめろって!」光はカッとなる。
「行かないよ」そう遥が言うと、光はほっとした。
桜も散り、アスファルトの上は桜の花びらでいっぱいになり、ピンクの[漢字]絨毯[/漢字][ふりがな]じゅうたん[/ふりがな]のようだった。
「春も、終わりか……」と慎二が寂しそうにぽつりと言う。
来年は卒業……か。
そう思うと私も寂しくなってくる。
「あっと言う間に卒業かー。」と光が上を向きながら言う。
「それは来年に言う台詞じゃないか?」と淳司が久々(?)にツッコむ。
季節は変わり夏。当然だが、春よりも過ごしづらい季節だ。
──まぁ、私は長い休みがあるから夏は嫌いになれないけれど。
「ねぇ、夏休みの予定どうする?」と遥が沈黙を避けるかのように言う。
「うーん、どうするかー。やっぱり勉強?」光が珍しく真面目に言う。
「えー。」とみんな。
「でも知り合いから聞いたけど夏休み中に勉強しとかないとヤバいらしい。」光は怖い顔をして言った。
だが、怖いのがが苦手な私でもあまり怖く感じなかった。
「ってかみんなはどーする?大学行く?」と光が続けて言う。
「行くよ」とみんな揃って言った。
私は思わずクスッと笑ってしまった。
「?」と慎二がこちらをみて首をかしげる。
「え、あ、いや、みんな揃うってあまり見た事がなくて。」
「そうだな」と慎二はひっそりと笑い、遠くを見た。
──まるで、どんな未来が待っているのかと考え、わくわくしている感じに。
「みんなって将来の夢とかあるの?」と由依が質問する。
「私は作曲家とか音楽関係の仕事に就きたいなー。」
「私は保育士!」と遥。
絶対になりたい!と言う気持ちが伝わってくる。
「俺たちは芸人!」と肩を組みながら光と淳司が言う。
「お笑いの方か?」
「そう!俺がボケ、淳司がツッコミ!」
「めっちゃ似合う。」と由依。
うんうん、とみんな頷く。
「俺は教師かな。」
「え⁈」
私は思いのほか驚き、言葉が漏れてしまった。
「そんな驚く?」慎二は微かな笑みを浮かべながら言う。
「まぁ、初めて知ったから……」
「俺は……普通の会社員かな。」と明。
「平凡でいいね!」と遥が明るく言う。
「それって良い発言なのか……?」と光が不安になる。
「わ、私は……小説家かな。」とりえちゃん。
「小説書くの上手いもんね!」遥が破顔一笑しながら言う。
「それは良い発言だな。」
「じゃあ、今年の夏休みは勉強だな!!」と元気よく言うつもりだったが、「勉強、だな……」と嫌な顔をしながら言った。理想と現実は違うのであった。
ーー
6月も終わり、明日はいよいよ待ちに待った夏休み。
今日は終業式の為、いつもより早く帰れる。
「夏休み楽しみだなぁー。」うきうきしながら光は言う。
「勉強好きだったんだな」と慎二。
「は?違う違う。沖縄に行くんだよ家族で」と光が言うと、みんなは「え」と言い、フリーズした。
「え?」
「遠くない……?」
「まぁ、そうだけど」
「じゃっその間にみんなで勉強しようぜ」と淳司が笑いながら言う。
「別にどーぞ」と光。
「どうする?TDLでも行っちゃう?あとは……東京?」と淳司は嘲るように言う。
「いいねー!」とみんなも乗る。
勿論、TDLや東京には行かない。勉強優先だ。
「おい、それはやめろって!」光はカッとなる。
「行かないよ」そう遥が言うと、光はほっとした。