ライside

（南梨）「でもその前にこの人たちを起こさないとね」

彼は倒れている人に指を刺し笑顔で言った。

（乃琉楽）「そうですね。それじゃあ私は＿＿」

彼女が言いかけていた時突然大きな揺れがした。僕はドアを開ける。最初は地震だと思ったけれど、どうやら違った。なぜなら＿＿＿＿


家の前に血を被った知らない人が立っていて後ろには穴だらけの道があったからだ。



僕は逃げようとするが、体を思い通りに動かない。相手が刃物で突き刺そうとした瞬間、目を閉じた。


「……大丈夫……？」

僕は目を開けた。するとどこかで見たことがある人物が庇ってくれていた。その人物は腹部を服を赤色に染め、倒れた。僕は夢ではないのか、夢であって欲しい、そういう思いが強くなった。倒れた人物の顔＿＿[下線]夏夢[/下線]を見た。彼は狼のように相手を鋭く睨みつけ、相手の腕を引っ張った。

「見つけた……」
　
彼は血が出ていながらも立ち上がり、相手を捕まえていた。僕は能力で手錠を出して相手にかけた。
すると乃琉楽がドアを開けた。

（乃琉楽）「！これって……？」

（ライ）「あ、」

彼女は彼が血が出ていることを察し、ステを連れてきた。

（乃琉楽）「ステ、彼を治してくれないか？」

（ステ）「………承知しましたけれど、治るかわかりませんからね」

ステは彼を治すために手をかざした。彼女の能力は『治天』らしい。ざっくり言うと能力を使えば、怪我が治るんだって。

（ステ）「無事、治せれました。後で報酬として冷やし中華作ってくださいね」

（乃琉楽）「分かった。………で、貴方何か用？」

彼女は彼を温かみのない視線で見た。

（夏夢）「……ライをこっちに戻して欲しい」

僕はその言葉に驚いた。
仲間を傷つけた僕が戻ってきて欲しいと言われるということを。

（乃琉楽）「だってさ、ライ。どうする？」

彼のところに行っても彼女に色々手伝ってもらったのに申し訳ない。
彼女のところに行っても彼のところへはもう二度と戻れない。

（ライ）「僕は………」

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[太字][下線]「乃琉楽も連れて[漢字]そっち[/漢字][ふりがな]モノカラ[/ふりがな]に戻りたい」[/下線][/太字][/中央寄せ]