癒しの花びら
“あたし、陽鞠叔母さんのこと、大好きなんだぁ”
“そうなんですか。…でも、分かる気がします”
渚月が優しく微笑む。白香も微笑み返した。
“自分が望んでいない現実は捨てて前を見ようって、陽鞠叔母さんは言ってた。もしかしたらそれは…現実を観ていないのと同じなのかもしれない。だけどね、くじけず、諦めない強い意思は変わらないの。それに…辛い現実ばかり観ていたら新しい考えは思いつかないこともあるんだし”
それを叔母さんはお教えてくれた、と白香は言った。
“私、それに大きな影響を受けてたはずなの…そのはずなの……”
“白香叔母さん?”
葵が、心配げに話しかけた。
“叔母さんは、悪くない……”
“……………、葵君……”
〈付箋〉
凄い怖かった。あの夜、白香叔母さんから電話がかかってきたとき。
なんだか色々と嫌な単語ばかり出てきて、耳を塞いでいた。でも、その中に知っている名前が出てきて僕は興味を惹かれてしまった。
“凪” “良”
凪…?凪お兄ちゃん…?良は…確か凪お兄ちゃんのお父さんの名前…。
ああ、どうして僕は…あの話に耳を傾けてしまったのだろう。せめて、安らかな死と思えるくらい大人な思考であったなら……。
“そうなんですか。…でも、分かる気がします”
渚月が優しく微笑む。白香も微笑み返した。
“自分が望んでいない現実は捨てて前を見ようって、陽鞠叔母さんは言ってた。もしかしたらそれは…現実を観ていないのと同じなのかもしれない。だけどね、くじけず、諦めない強い意思は変わらないの。それに…辛い現実ばかり観ていたら新しい考えは思いつかないこともあるんだし”
それを叔母さんはお教えてくれた、と白香は言った。
“私、それに大きな影響を受けてたはずなの…そのはずなの……”
“白香叔母さん?”
葵が、心配げに話しかけた。
“叔母さんは、悪くない……”
“……………、葵君……”
〈付箋〉
凄い怖かった。あの夜、白香叔母さんから電話がかかってきたとき。
なんだか色々と嫌な単語ばかり出てきて、耳を塞いでいた。でも、その中に知っている名前が出てきて僕は興味を惹かれてしまった。
“凪” “良”
凪…?凪お兄ちゃん…?良は…確か凪お兄ちゃんのお父さんの名前…。
ああ、どうして僕は…あの話に耳を傾けてしまったのだろう。せめて、安らかな死と思えるくらい大人な思考であったなら……。
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