癒しの花びら
“はぁ、赤濃、早く行ってー”
黄香音が、赤濃を急かす。
“ご、ごめん、姉さん。ちょっと待って。どこか分かんない”
“この方向オンチめー”
笑いながら赤濃から紙を奪って、黄香音が先頭を歩く。
“赤濃ー。このバッグ、今度あげるよ”
そのバッグはチューリップが刺繍されていた。
“そんな可愛いバッグ、くれるの?”
“いいから、貰いなさい!…返品するとお金かかるし”
“…えへへ。ケチ姉さん”
“べー、だ!”
さっきまでのひんやりとした空気が嘘のように溶かされる。
“ありがと、姉さん”
〈付箋〉
姉さんは、白香姉さんのことを心配しているという理由で、私のことを嫌っている、っぽい。姉さんは白香姉さんを、なんとなく苦手意識していたから。何でかは、私には想像も付かないけど。聞くと怖い反応されそうだから、聞くこともできないでいる。
なんだか今思えば、姉さんだけ仲間はずれみたい…。
“あれ、黄菊ちゃん。どうしたの?”
白香が声をかける。
“トイレ行ったんだけど、席、どうやって戻るか忘れちゃった…”
黄菊は少し目に涙をためていた。
“じゃあ、私連れて行くよ”
“あ、うん。行ってらっしゃい”
陽鞠が席を立つ。
〈付箋〉
ここから立って離れたところへ行ったら、道を忘れる可能性はあるけど、さすがにこのぐらいはトレーニングしてきた。このぐらいは役に立ちたい。
だから…、行かせて、白香ちゃん。
“白香さん。飲み物でも飲みましょう”
”あ、う、うん…”
陽鞠から視線を外して、白香は頷いた。
黄香音が、赤濃を急かす。
“ご、ごめん、姉さん。ちょっと待って。どこか分かんない”
“この方向オンチめー”
笑いながら赤濃から紙を奪って、黄香音が先頭を歩く。
“赤濃ー。このバッグ、今度あげるよ”
そのバッグはチューリップが刺繍されていた。
“そんな可愛いバッグ、くれるの?”
“いいから、貰いなさい!…返品するとお金かかるし”
“…えへへ。ケチ姉さん”
“べー、だ!”
さっきまでのひんやりとした空気が嘘のように溶かされる。
“ありがと、姉さん”
〈付箋〉
姉さんは、白香姉さんのことを心配しているという理由で、私のことを嫌っている、っぽい。姉さんは白香姉さんを、なんとなく苦手意識していたから。何でかは、私には想像も付かないけど。聞くと怖い反応されそうだから、聞くこともできないでいる。
なんだか今思えば、姉さんだけ仲間はずれみたい…。
“あれ、黄菊ちゃん。どうしたの?”
白香が声をかける。
“トイレ行ったんだけど、席、どうやって戻るか忘れちゃった…”
黄菊は少し目に涙をためていた。
“じゃあ、私連れて行くよ”
“あ、うん。行ってらっしゃい”
陽鞠が席を立つ。
〈付箋〉
ここから立って離れたところへ行ったら、道を忘れる可能性はあるけど、さすがにこのぐらいはトレーニングしてきた。このぐらいは役に立ちたい。
だから…、行かせて、白香ちゃん。
“白香さん。飲み物でも飲みましょう”
”あ、う、うん…”
陽鞠から視線を外して、白香は頷いた。
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