癒しの花びら
●第一章・旅行
“あ、陽鞠ねぇさん。……その、落ち込んでる……よね……”
“……ッ…、落ち込んでないように…思えるの…?”
少し怒ったような口調になった。私は慌てて、
“いや、…ご、ごめんね!その……、…気分転換に…”
旅行でもどうかと誘ってみた。
“白香も連れて行こうかと思うの。最近会ってなかったでしょう。”
“白香ちゃん。…会いたいなぁ…”
愛おしそうに、姉さんは言う。
白香は私の…前の旦那の娘だ。もう2歳になる。旦那と別れたのは一年前。
私は勝助という人と不倫していて、そのことを根にもたれて…。そして、白香と私を残して出ていった。
白香がいるんだけど、私だって女だ。勝助さんが好き。だから、勝助さんと合う日は姉さんに面倒を見て貰っている。本当に優しくてありがたい姉さんなのだ。
ただ、発達障害なところがあるんだよね。でも、そんなにひどくはないんだ。だから小さい頃からあまり気にしていない。ドジすることをいつものようにあるけど。
“じゃあ、白香も連れて行く。駅で待ち合わせ、良いよね?”
“うん。”
“忘れ物、気を付けてね”
“ありがと。心配してくれて”
姉さんは申し訳なさそうにした。
“ううん。姉さんにはいっつもお世話になってるから”
そう言って、電話を切った。
“白香、災難だったね”
“あんた、何で電話かけてくんのよ”
白香が言う。
“母親に対してそんなことを…”
“はっ…?母親らしいことあんたにされた覚えない…!”
大きな声で怒鳴られた。
私はあの後、勝助さんと再婚した。それが大きくなって白香にもどういうことか分かってきて、わたしの愛を拒絶した。勝助さんの嘘の愛情も。そんなことが毎日起きるのだから、…白香は早めに家をでて、恋人を作った。そして……。
“あのさ……、気分転換に……”
“旅行に行こう……でしょう?…行きたくない。この家で…凪が一人になってしまう。ほっといて…。”
そうだよね…無理に誘って…。
“ごめんなさい”
そう言って電話を切った。
“皆そろったぁ?もうちょっとで電車、行っちゃう…”
白香が言う。結局、凪の思い出のものを荷物に詰めて、来ることになった。
“名前読んだ方が、早いんじゃ…?”
白香の義妹・赤濃が言う。そうね、と白香は賛成してメモを出した。
“お母さん、いるね。黄香音、いたいた。あれ、黄縁ちゃんは?”
“友達とお泊まり会”
“おけ。葵君、いるね。陽鞠おばちゃん、いる、あと…”
“あ、私の養子なの、黄菊です。読み方、分からなかったかしら”
“あ、はい、すこし。勝助さん、いますね。あ、黄香音、黄縁ちゃんは聞いたけど、祐一さんは、仕事?”
“うん、三日ほど出張でねぇ”
白香は頷いて、横を向いた。
“渚月君は、黄縁ちゃんの代理だよね。緊張しなくていいよ。よろしくね”
渚月は、黄縁の友達・日菜子の幼なじみだ。日菜子と黄縁がお泊まり会だから行ってくれと頼まれたらしい。
“はい、賑やかで楽しそうです!”
元気に白香に返事を返した。
“じゃあ、ホーム行こうか”
いよいよ出発する。
“あ、陽鞠ねぇさん。……その、落ち込んでる……よね……”
“……ッ…、落ち込んでないように…思えるの…?”
少し怒ったような口調になった。私は慌てて、
“いや、…ご、ごめんね!その……、…気分転換に…”
旅行でもどうかと誘ってみた。
“白香も連れて行こうかと思うの。最近会ってなかったでしょう。”
“白香ちゃん。…会いたいなぁ…”
愛おしそうに、姉さんは言う。
白香は私の…前の旦那の娘だ。もう2歳になる。旦那と別れたのは一年前。
私は勝助という人と不倫していて、そのことを根にもたれて…。そして、白香と私を残して出ていった。
白香がいるんだけど、私だって女だ。勝助さんが好き。だから、勝助さんと合う日は姉さんに面倒を見て貰っている。本当に優しくてありがたい姉さんなのだ。
ただ、発達障害なところがあるんだよね。でも、そんなにひどくはないんだ。だから小さい頃からあまり気にしていない。ドジすることをいつものようにあるけど。
“じゃあ、白香も連れて行く。駅で待ち合わせ、良いよね?”
“うん。”
“忘れ物、気を付けてね”
“ありがと。心配してくれて”
姉さんは申し訳なさそうにした。
“ううん。姉さんにはいっつもお世話になってるから”
そう言って、電話を切った。
“白香、災難だったね”
“あんた、何で電話かけてくんのよ”
白香が言う。
“母親に対してそんなことを…”
“はっ…?母親らしいことあんたにされた覚えない…!”
大きな声で怒鳴られた。
私はあの後、勝助さんと再婚した。それが大きくなって白香にもどういうことか分かってきて、わたしの愛を拒絶した。勝助さんの嘘の愛情も。そんなことが毎日起きるのだから、…白香は早めに家をでて、恋人を作った。そして……。
“あのさ……、気分転換に……”
“旅行に行こう……でしょう?…行きたくない。この家で…凪が一人になってしまう。ほっといて…。”
そうだよね…無理に誘って…。
“ごめんなさい”
そう言って電話を切った。
“皆そろったぁ?もうちょっとで電車、行っちゃう…”
白香が言う。結局、凪の思い出のものを荷物に詰めて、来ることになった。
“名前読んだ方が、早いんじゃ…?”
白香の義妹・赤濃が言う。そうね、と白香は賛成してメモを出した。
“お母さん、いるね。黄香音、いたいた。あれ、黄縁ちゃんは?”
“友達とお泊まり会”
“おけ。葵君、いるね。陽鞠おばちゃん、いる、あと…”
“あ、私の養子なの、黄菊です。読み方、分からなかったかしら”
“あ、はい、すこし。勝助さん、いますね。あ、黄香音、黄縁ちゃんは聞いたけど、祐一さんは、仕事?”
“うん、三日ほど出張でねぇ”
白香は頷いて、横を向いた。
“渚月君は、黄縁ちゃんの代理だよね。緊張しなくていいよ。よろしくね”
渚月は、黄縁の友達・日菜子の幼なじみだ。日菜子と黄縁がお泊まり会だから行ってくれと頼まれたらしい。
“はい、賑やかで楽しそうです!”
元気に白香に返事を返した。
“じゃあ、ホーム行こうか”
いよいよ出発する。
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