雄英高校1年、ヒーローに興味なぞないわ。
さて、次が緑谷くんの番。果たしてどうなるのか。失敗しても、成功しても、泣いても、笑っても、これからの失敗はきっと許されない。
「緑谷くん……」
だがしかし、私の心配は、とんでもなくちっぽけで、呆気ない、杞憂に終わる事となる。
「……待って、あれって、まさか、そんな事……!」
緑谷くんの指に、段々と力が加わっている。そして、彼の指は変色していき、周りのクラスメイト達も、その光景にざわつく。心配になるほど強力で、異様なそれは、尋常ではないパワーを放つ準備をしていた。
「あれ……ヤバくない」
「マジかよマジかよ……!」
周りのひそひそとした声が聞こえる。そして私も、緑谷くんのその力に、思わず目を見張った。
「嘘でしょ、そんな、そんな事って……!」
そして、その瞬間だった。
シュン、と遅れて音を立て、ソフトボールは彼からの対角線上を綺麗に飛んだ。
美しくて、怖くて、強すぎて、狂っていて、恐ろしくて。彼の紫色に変色し、グニャクニャと曲がってしまっている指を見ると、なんだかよく分からないような感情が浮かんできた。
「緑谷、705.3だ」
その結果は、私の倍の倍の倍。いや、そもそも倍で例えるのも馬鹿らしくなる程の数字だった。
「す、すげぇ……!」
「あんな感じの個性なんだ」
「反動すごいな……」
周りが各々の反応を見せている中、私はただ素直に、感心していた。何がすごいかって、彼の心意気に感動したのだ。彼は、自分の指があんなのにある反動を知った上であんな力を使ったのか。そう思うと、ただただ凄いな、と思うばかりだった。
あんな怪我をしてしまったので、彼は人と話せる雰囲気では無さそうだが、私は彼の紫色になった指を見つめながら考えた。
「後で緑谷くんと、話でもしようかしら」
「緑谷くん……」
だがしかし、私の心配は、とんでもなくちっぽけで、呆気ない、杞憂に終わる事となる。
「……待って、あれって、まさか、そんな事……!」
緑谷くんの指に、段々と力が加わっている。そして、彼の指は変色していき、周りのクラスメイト達も、その光景にざわつく。心配になるほど強力で、異様なそれは、尋常ではないパワーを放つ準備をしていた。
「あれ……ヤバくない」
「マジかよマジかよ……!」
周りのひそひそとした声が聞こえる。そして私も、緑谷くんのその力に、思わず目を見張った。
「嘘でしょ、そんな、そんな事って……!」
そして、その瞬間だった。
シュン、と遅れて音を立て、ソフトボールは彼からの対角線上を綺麗に飛んだ。
美しくて、怖くて、強すぎて、狂っていて、恐ろしくて。彼の紫色に変色し、グニャクニャと曲がってしまっている指を見ると、なんだかよく分からないような感情が浮かんできた。
「緑谷、705.3だ」
その結果は、私の倍の倍の倍。いや、そもそも倍で例えるのも馬鹿らしくなる程の数字だった。
「す、すげぇ……!」
「あんな感じの個性なんだ」
「反動すごいな……」
周りが各々の反応を見せている中、私はただ素直に、感心していた。何がすごいかって、彼の心意気に感動したのだ。彼は、自分の指があんなのにある反動を知った上であんな力を使ったのか。そう思うと、ただただ凄いな、と思うばかりだった。
あんな怪我をしてしまったので、彼は人と話せる雰囲気では無さそうだが、私は彼の紫色になった指を見つめながら考えた。
「後で緑谷くんと、話でもしようかしら」
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