雄英高校1年、ヒーローに興味なぞないわ。
まず最初、私達は50m走に挑戦することとなった。
「よし、走るならいける…!」
「次、小宮いけ」
「はい」
私は、走るのが苦手だ。体力はあるのだが、走るだけが出来ない。50m走はかなりの苦手分野だ。
…だが、このテストでは、個性を存分に使って良い。むしろ、自分の個性を発揮できない者は、減点対象まであるだろう。
「…スモール化!」
私は、自分の体をできる限り小さくした。そして走り始めた。
__原理を説明しよう。
まず、心臓の仕組みについて解説をしなければいけない。
心臓という臓器の役割だが、簡単にいえば
「体を動かすために、体に酸素を送り込む」という感じだ。これでも結構ふわっとした説明。
酸素がたくさんあると、運動できる。運動するためには大量の酸素が必要だ。
そして、小動物は体が小さい。体の体積が小さければ小さいほど、一回の鼓動で体全体に酸素を送り込める。だが、小動物は使うエネルギーが多いため、かなり鼓動が早い。
ここまでで、分かる人は分かっていると思うが、すごく簡単に説明すれば
「心臓は体に酸素を送るためにある→運動時はたくさんの酸素が必要」
「小動物は、体が小さいから、すぐに酸素が送れる→だけどエネルギーのほうが多いから、小動物は鼓動が早い」
もっと噛み砕いてまとめれば
「小動物=運動時に使える酸素が多いのでめっちゃ動きが早い」
ということなのである!
この原理で、私は今めちゃくちゃ早く走っているのだ!
「タイム、4.56」
「よし!」
[水平線]
早く走れたところで、次にやる事は「握力測定」だった。これに関しては、個性の都合上普通にやった。そして普通の結果が出た。なんだかすごくつまらない。もっと個性が活かせる種目にしてくれよ。
[水平線]
そしてさらに次。立ち幅跳び。これもまぁ普通。強いてやった事といえば、飛ぶ瞬間は小さく、着地の瞬間に大きくなった事ぐらい。意味はなかったが、こうすれば結果が伸びるのではないかと思ったのだ。はぁ、もっと良いの来ない?
[水平線]
お次は反復横飛び。これもまぁ普通。最初の50m走を除けば、今のところただの体力測定だ。個性把握も何も使うところがない。
「もっと…活躍できる種目はないかしら?」
[水平線]
そしてボール投げ。
この個性は人にしか効かないので、ボールに適用することは出来なかった。今回もすごく普通の結果。私の個性ってなんのためにあるんだろうと、そろそろ思い始めてきたところだ。
[水平線]
__それから私は、持久走と上体起こし、長座体前屈もやった。結果を残せたのは、結局持久走のみだった。
「はぁ…」
普通はこんな結果、ぶっちぎりで最下位にもなるだろう。
だがしかし、私以外にも"そういう候補"は居て。
「…そういえばあの子、全く個性使ってないわね?」
たしか彼は…[漢字]緑谷[/漢字][ふりがな]みどりや[/ふりがな] [漢字]出久[/漢字][ふりがな]いずく[/ふりがな]といった。
緑谷くんは、まだ一回も個性を使っていないのだ。私ですら、二回ほど使ったのに。
「どうしたのかしら」
何やら、変な雰囲気がする。
「よし、走るならいける…!」
「次、小宮いけ」
「はい」
私は、走るのが苦手だ。体力はあるのだが、走るだけが出来ない。50m走はかなりの苦手分野だ。
…だが、このテストでは、個性を存分に使って良い。むしろ、自分の個性を発揮できない者は、減点対象まであるだろう。
「…スモール化!」
私は、自分の体をできる限り小さくした。そして走り始めた。
__原理を説明しよう。
まず、心臓の仕組みについて解説をしなければいけない。
心臓という臓器の役割だが、簡単にいえば
「体を動かすために、体に酸素を送り込む」という感じだ。これでも結構ふわっとした説明。
酸素がたくさんあると、運動できる。運動するためには大量の酸素が必要だ。
そして、小動物は体が小さい。体の体積が小さければ小さいほど、一回の鼓動で体全体に酸素を送り込める。だが、小動物は使うエネルギーが多いため、かなり鼓動が早い。
ここまでで、分かる人は分かっていると思うが、すごく簡単に説明すれば
「心臓は体に酸素を送るためにある→運動時はたくさんの酸素が必要」
「小動物は、体が小さいから、すぐに酸素が送れる→だけどエネルギーのほうが多いから、小動物は鼓動が早い」
もっと噛み砕いてまとめれば
「小動物=運動時に使える酸素が多いのでめっちゃ動きが早い」
ということなのである!
この原理で、私は今めちゃくちゃ早く走っているのだ!
「タイム、4.56」
「よし!」
[水平線]
早く走れたところで、次にやる事は「握力測定」だった。これに関しては、個性の都合上普通にやった。そして普通の結果が出た。なんだかすごくつまらない。もっと個性が活かせる種目にしてくれよ。
[水平線]
そしてさらに次。立ち幅跳び。これもまぁ普通。強いてやった事といえば、飛ぶ瞬間は小さく、着地の瞬間に大きくなった事ぐらい。意味はなかったが、こうすれば結果が伸びるのではないかと思ったのだ。はぁ、もっと良いの来ない?
[水平線]
お次は反復横飛び。これもまぁ普通。最初の50m走を除けば、今のところただの体力測定だ。個性把握も何も使うところがない。
「もっと…活躍できる種目はないかしら?」
[水平線]
そしてボール投げ。
この個性は人にしか効かないので、ボールに適用することは出来なかった。今回もすごく普通の結果。私の個性ってなんのためにあるんだろうと、そろそろ思い始めてきたところだ。
[水平線]
__それから私は、持久走と上体起こし、長座体前屈もやった。結果を残せたのは、結局持久走のみだった。
「はぁ…」
普通はこんな結果、ぶっちぎりで最下位にもなるだろう。
だがしかし、私以外にも"そういう候補"は居て。
「…そういえばあの子、全く個性使ってないわね?」
たしか彼は…[漢字]緑谷[/漢字][ふりがな]みどりや[/ふりがな] [漢字]出久[/漢字][ふりがな]いずく[/ふりがな]といった。
緑谷くんは、まだ一回も個性を使っていないのだ。私ですら、二回ほど使ったのに。
「どうしたのかしら」
何やら、変な雰囲気がする。
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