いきなり現れたのは、謎の暗い男だった。
「誰かしら…？」
教室はザワザワとしはじめた。私も、そのザワザワの中にいる。
「担任の相澤消太だ。よろしくね」
なんと適当な挨拶だこと。教師がこれで良いのか。
…まぁ、これぐらいの方が、私にとっては心地良いのだが。
「よし、じゃあ早速お前らに、してもらわなければいけない事がある＿＿」

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数分後。私達は、体操着を着てグラウンドに居た。
「個性把握テスト？」
そう、今から私達がやるのは、個性把握テストと呼ばれるものだ。詳しいことはよく知らないけれど、名前で大体、やる事は想像つくわね。
「入学式はないんですか？ガイダンスは？」
「ヒーローになるなら、そんな悠長にしてる時間ないよ」
「入学式もガイダンスもないのね、なるほど…」
正直、これらが無いのは少々驚く。ヒーローになるから、まぁしょうがないが、一応私達だって高校生だぞ。青春真っ只中だぞ。花の十代でもあるんだぞ。

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＿＿ええっと、そして、個性を使った個性把握テストが始まったが、別に特筆すべきものはなかった。誰かさんがソフトボール投げで705cm出したりはしたが、まぁそれぐらいなら別に普通だろう。
問題なのは、ある時の先生の言葉だ。
要約すると、先生は
「テストのトータル結果で最下位の人は除籍処分にするよ」と言った。これは流石に、とても怖いしとても焦る。
私は別に、ヒーローに興味があるわけではない。だけど、ここで除籍処分はまずい。何がまずいって、親がすごく悲しむかもしれない、ということ。親を泣かせないは、私の人生におけるモットーだというのに。
「最下位になるわけには…！」
私は、とりあえず本気を出すことを決めた。