月下、君は何を思う
#1
あなたの幸せは
side:レーネ
僕は彼女の部屋の扉を叩く。
手の上ではお盆に乗った紅茶が揺れている。
レーネ「お嬢様、失礼します。」
やがて、部屋から声が聞こえてきた。
ローネ「どうぞ。」
レーネ「失礼します。」
部屋の中はベッドと机だけの殺風景な部屋。
…目立つのはガムテープが綺麗に貼られた大きな窓だ。
ローネ「紅茶…ありがとう。レーネ。」
レーネ「いえいえ。お召し上がりください。」
僕は机の上に紅茶を置く。
…すると彼女は寂しそうな顔をしてポロリと零した。
ローネ「…あ~あ…生きてる内は外出られないのかな。」
…そんなことありません。
大丈夫です。僕がいつか外に出られるようにします。
だから、
だから…
…
ローネ「…カヌレが食べたいわ。作ってきてくれる?」
レーネ「はい。もちろんです。」
レーネ「…失礼しました。」
そう言って僕は扉をゆっくり閉めた。
…僕は…
…僕は妹にあんな[漢字]表情[/漢字][ふりがな]かお[/ふりがな]させて…
…最低だ。
…でも…大丈夫。
ローネのためなら僕はなんでもできるから。
僕は彼女の部屋の扉を叩く。
手の上ではお盆に乗った紅茶が揺れている。
レーネ「お嬢様、失礼します。」
やがて、部屋から声が聞こえてきた。
ローネ「どうぞ。」
レーネ「失礼します。」
部屋の中はベッドと机だけの殺風景な部屋。
…目立つのはガムテープが綺麗に貼られた大きな窓だ。
ローネ「紅茶…ありがとう。レーネ。」
レーネ「いえいえ。お召し上がりください。」
僕は机の上に紅茶を置く。
…すると彼女は寂しそうな顔をしてポロリと零した。
ローネ「…あ~あ…生きてる内は外出られないのかな。」
…そんなことありません。
大丈夫です。僕がいつか外に出られるようにします。
だから、
だから…
…
ローネ「…カヌレが食べたいわ。作ってきてくれる?」
レーネ「はい。もちろんです。」
レーネ「…失礼しました。」
そう言って僕は扉をゆっくり閉めた。
…僕は…
…僕は妹にあんな[漢字]表情[/漢字][ふりがな]かお[/ふりがな]させて…
…最低だ。
…でも…大丈夫。
ローネのためなら僕はなんでもできるから。
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