愛に言葉はいらない
#1
episode1 違和感
ピピピピ!目覚まし時計が鳴った。ふと、隣を見ると彼女がいた。俺は彼女の寝顔があまりにも可愛くて思わず
[大文字]「好きだよ。」[/大文字]
と言ってしまう。そんな日々が毎日続くと思ってた。そんな俺に異変が訪れたのは、約二ヶ月前に遡る。26歳会社員、風間蒼汰はいつものように会社へと向かった。
蒼汰 「おはようございます!」
柊さん 「おはよう!」
山中 「おはよう。」
水上 「おはようございます!風間さん!」
斎藤さん 「風間くん、おはよう。」
俺は、おもちゃを作る会社に勤務している。俺は昔から特撮ヒーローが好きで、おもちゃを買ってもらおうとよくおばあちゃんにねだっていた。そんな俺がおもちゃの会社を志すようになったのは、彼女の四宮鈴の後押しがあったからなんだが・・・。この会社の同期は山中だ。彼も特撮ファンで、新入社員のときに仲良くなってからは、週2で飲みに行くほどの親友になった。柊さんは俺の先輩で、この会社について一から教えてもらった恩人だ。相談に乗ってくれるし、疲れているときは仕事も手伝ってくれる後輩思いな人だ。水上は俺の後輩で、1年前にこの会社に来た。会社員としてはまだまだだが、天真爛漫な性格で周りの雰囲気を和やかにしてくれる。斎藤さんはこの会社の社長で「想像力の爆発」を企業理念として掲げている。想像することが好きらしくて、手元にはいつもスケッチブックがある、とても面白い人だ。会社は大手企業ではない。というか、社員は少なすぎる。けど、ここで夢を叶えられる、そう思ってここに就職した。今日もいつものように自分の席に座り、パソコンを開いた。
柊さん 「風間くん、火炎戦隊ブレイブとのコラボの企画書締め切り近いけど、大丈夫なの?」
蒼汰 「あぁ!やばい!忘れてました。締切はいつまででしたっけ?」
柊さん 「もう!風間くんったら・・・確か明後日までだったと思う。」
蒼汰 「明後日か!まだ間に合います!一瞬で終わらせます。」
火炎戦隊ブレイブは地方の特撮ヒーローで認知度は低い。だが、今回のコラボで上手くいけば、この会社の赤字を何とか解決できそうだ。そんな大役を俺に任せてくれたんだ。もっと頑張らないと!蒼汰は気を入れ直した。パソコンの企画書のページを新しく作成し、タイトルに「企画書」と入れようとしたその時だった。
蒼汰 「あれ・・・?企画書の『き』が打てない。。。」
『き』を打とうと頭の中ではしているのに、体が動かない。脳に指令がいっているのに、その指令を脳がシャットダウンしているみたいな感覚だ。何だこれ?いくら『き』のキーを打とうと思っても打つ直前で止まってしまう。『か』も打とうとしてみた。やはり、だめだった。『く』は?だめだ。『け』は?全然出来ない。
『こ』もパソコンに打てなかった。どうやら、カ行は全部打てないらしい。これ、金縛りってやつか?蒼汰はそう思い、音声入力で文字を打ち始めた。口ではカ行がしっかりと言える。これで、なんとかなる。最初はそう思ってた。蒼汰は音声入力で企画書を作ることができた。もう、午後7時だ。音声入力は慣れていなかったため、通常の2倍の時間がかかってしまった。
蒼汰 「出来たーーー!」
柊さん 「おっ!出来た?なんか声出してたけど、どうしたの?」
蒼汰 「なんか打とうと思っている字が打てないっていう不思議な現象が起こりましてね、まぁカ行だけなんですけど。」
柊さん 「最近、疲れが溜まっているんじゃない?企画書お疲れ、明日課長に出す前に私がチェックしておく。今日はもう帰って休みな。」
蒼汰 「ありがとうございます。」
家に帰ると、彼女の鈴が
鈴 「おっ!蒼汰おかえり!」
と言った。
鈴 「お腹すいたでしょ?ご飯、作っといた。」
蒼汰 「あぁ、ありがと!助かるわ、今日は色々と疲れたからな。」
鈴 「なんかあったの?」
蒼汰 「いや、まぁいつものことよ。」
鈴 「そっか。」
本当はもっと話したいことがあったけど、鈴には心配をかけたくない。付き合って10年の仲だからこそだ。今まで、何度アイツの世話になってきたことか。俺が何かアイツにしてやりたい。そう思ったときから、鈴のことが好きになっていた。二ヶ月後は鈴の誕生日だ。その日に俺はプロポーズする。それまでは、絶対に心配なんかかけない。今日あったことは、俺が疲れていたせい!そう思って、蒼汰は鈴の作ってくれたチャーハンを食べる。だが、このときは思いもしなかった。これから、文字だけでなく、声からも言葉を出せなくなることを。
蒼汰 「うめぇな!これ!鈴、ありがとう、好きだよ。」
鈴 「はずいよ!」
蒼汰はその違和感をも食らうようにしてチャーハンを食べていた。
[大文字]「好きだよ。」[/大文字]
と言ってしまう。そんな日々が毎日続くと思ってた。そんな俺に異変が訪れたのは、約二ヶ月前に遡る。26歳会社員、風間蒼汰はいつものように会社へと向かった。
蒼汰 「おはようございます!」
柊さん 「おはよう!」
山中 「おはよう。」
水上 「おはようございます!風間さん!」
斎藤さん 「風間くん、おはよう。」
俺は、おもちゃを作る会社に勤務している。俺は昔から特撮ヒーローが好きで、おもちゃを買ってもらおうとよくおばあちゃんにねだっていた。そんな俺がおもちゃの会社を志すようになったのは、彼女の四宮鈴の後押しがあったからなんだが・・・。この会社の同期は山中だ。彼も特撮ファンで、新入社員のときに仲良くなってからは、週2で飲みに行くほどの親友になった。柊さんは俺の先輩で、この会社について一から教えてもらった恩人だ。相談に乗ってくれるし、疲れているときは仕事も手伝ってくれる後輩思いな人だ。水上は俺の後輩で、1年前にこの会社に来た。会社員としてはまだまだだが、天真爛漫な性格で周りの雰囲気を和やかにしてくれる。斎藤さんはこの会社の社長で「想像力の爆発」を企業理念として掲げている。想像することが好きらしくて、手元にはいつもスケッチブックがある、とても面白い人だ。会社は大手企業ではない。というか、社員は少なすぎる。けど、ここで夢を叶えられる、そう思ってここに就職した。今日もいつものように自分の席に座り、パソコンを開いた。
柊さん 「風間くん、火炎戦隊ブレイブとのコラボの企画書締め切り近いけど、大丈夫なの?」
蒼汰 「あぁ!やばい!忘れてました。締切はいつまででしたっけ?」
柊さん 「もう!風間くんったら・・・確か明後日までだったと思う。」
蒼汰 「明後日か!まだ間に合います!一瞬で終わらせます。」
火炎戦隊ブレイブは地方の特撮ヒーローで認知度は低い。だが、今回のコラボで上手くいけば、この会社の赤字を何とか解決できそうだ。そんな大役を俺に任せてくれたんだ。もっと頑張らないと!蒼汰は気を入れ直した。パソコンの企画書のページを新しく作成し、タイトルに「企画書」と入れようとしたその時だった。
蒼汰 「あれ・・・?企画書の『き』が打てない。。。」
『き』を打とうと頭の中ではしているのに、体が動かない。脳に指令がいっているのに、その指令を脳がシャットダウンしているみたいな感覚だ。何だこれ?いくら『き』のキーを打とうと思っても打つ直前で止まってしまう。『か』も打とうとしてみた。やはり、だめだった。『く』は?だめだ。『け』は?全然出来ない。
『こ』もパソコンに打てなかった。どうやら、カ行は全部打てないらしい。これ、金縛りってやつか?蒼汰はそう思い、音声入力で文字を打ち始めた。口ではカ行がしっかりと言える。これで、なんとかなる。最初はそう思ってた。蒼汰は音声入力で企画書を作ることができた。もう、午後7時だ。音声入力は慣れていなかったため、通常の2倍の時間がかかってしまった。
蒼汰 「出来たーーー!」
柊さん 「おっ!出来た?なんか声出してたけど、どうしたの?」
蒼汰 「なんか打とうと思っている字が打てないっていう不思議な現象が起こりましてね、まぁカ行だけなんですけど。」
柊さん 「最近、疲れが溜まっているんじゃない?企画書お疲れ、明日課長に出す前に私がチェックしておく。今日はもう帰って休みな。」
蒼汰 「ありがとうございます。」
家に帰ると、彼女の鈴が
鈴 「おっ!蒼汰おかえり!」
と言った。
鈴 「お腹すいたでしょ?ご飯、作っといた。」
蒼汰 「あぁ、ありがと!助かるわ、今日は色々と疲れたからな。」
鈴 「なんかあったの?」
蒼汰 「いや、まぁいつものことよ。」
鈴 「そっか。」
本当はもっと話したいことがあったけど、鈴には心配をかけたくない。付き合って10年の仲だからこそだ。今まで、何度アイツの世話になってきたことか。俺が何かアイツにしてやりたい。そう思ったときから、鈴のことが好きになっていた。二ヶ月後は鈴の誕生日だ。その日に俺はプロポーズする。それまでは、絶対に心配なんかかけない。今日あったことは、俺が疲れていたせい!そう思って、蒼汰は鈴の作ってくれたチャーハンを食べる。だが、このときは思いもしなかった。これから、文字だけでなく、声からも言葉を出せなくなることを。
蒼汰 「うめぇな!これ!鈴、ありがとう、好きだよ。」
鈴 「はずいよ!」
蒼汰はその違和感をも食らうようにしてチャーハンを食べていた。
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