文字サイズ変更

解けた螺線

#2

螺線の中の菜の花

中一のときだった。
初めての仮入部。正式には初日じゃない。私はなんだか不安で、入りたい部活もなくて三日ほど行かなかった。だけど、さすがに行かなきゃと思い、私はテニス部をやりにに行った。
正直、運動は全く好きじゃなくて、あまりやらない。だけど私はママが大好きだから、
“日菜希も運動部入ったら?”
と進められて、仮入部をしに来た。
はぁ…、どうしよう。楽しくないとか思っちゃったら。そんなことを考えながら横を見ると、一人の女の子がいた。
鼻が整っていて目が菜の花みたいに可愛らしくて、でもどこか真面目そうな雰囲気を出していた。髪も菜の花みたいにふんわりしていてブロンド色が黄色に輝いていた。
私はその子をずっと見つめていた。
“あっ…こんにちはぁ”
柔らかい声だった。のんびりしていて春の花みたいに暖かい。
眼鏡から可愛らしい目がのぞいていて、私は緊張してしまった。
でも…気が合いそうだと、思った。

私はリーダーシップな子が嫌いだ。元気で可愛くておしゃれ。とにかく女子力があって男子の憧れ。
でも…女子力がある子ってなんだか派手なものにこだわるし、あまりにもずっと話すから疲れてしまったりする。男子をのけ者にしたり、特定の子としか仲良くしなかったり。
私はだから、あまり好きじゃない。でもそれが友達がいないことの原因でもあったのかも。
やっぱり皆、派手な子に惹かれるし、リーダー格のその子に皆ついていく。私は…ついていくのに抵抗があったから。

私は頭を戻す。そして、
“こんにちは”
と話しかけた。そうするとその子は笑ってくれて、
“昨日、かのちゃんと私しかいなかったんだけど、今日はたくさんいるねぇ”
と言った。
かのちゃんという言葉にひっかかって、私は言った。
“かのちゃんて、遠藤かのちゃん?”
“うん、そうだよぉ”
かのちゃんは小学校が同じで、よくペースが遅くて一緒に怒られたものだ。懐かしいな。
“名前はぁ?”
“沢村…日菜希。よろしくね!”
“ヒナキちゃん。私は、日菜子。辻村日菜子。よろしくぅ”

このボタンは廃止予定です

2023/08/13 19:16

礼舞 ID:≫5pGdECtpkmy/Y
続きを執筆
小説を編集
/ 3

コメント
[0]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL