あの日、私の人生が輝きだした日…。
私は羽衣（うい）。私は、双子の妹の未来（みく）と比べられている。私たち双子は、貴族の娘だった。私は、あがり症で、人前では緊張してうまく話せないし、ワルツなども上手く踊れない。反対に、未来は、いつもキラキラしていて、社交界でも人気で、ワルツも今にも周りに花が咲きそうなくらい上手だ。だから、姉妹の立場が逆だった。
バシャッ！ パリーン！
ああ、また紅茶落として、ドレス汚しちゃった。でもこれは、私にはよくあることだ。
未来「アハハ！お姉ちゃんどんくさ～wwこんなんだから、婚約者もいないんでしょうね～？ww」全くその通りだ。
未来「でも、私の片思いの王子様の颯太（そうた）様だけは、今中が深まっているところだから、絶対邪魔したら許さないよ♡」
颯太様とは、王家の王子様で、次の王様になることが決まっている、責任感が強くて、優しい方なのだ。だから、貴族の女性らは、玉の輿に乗るために、みなお妃の座を争っている。もちろん、未来も狙っている。しかも、社交界で人気だから、お妃に選ばれる可能性が高いのだ。私は、入っていなかった。もう諦めている。そんなことより、私はお父様とお母様に愛されたかった。だから、たくさん勉強して、ダンスも足が痛くなるほど練習した。でも、お父様とお母様は、私を見てくれなかった。愛されたいと、何回も願った。でも、お父様たちは未来しか見なくなった。だから、感情や表情がほぼなくなっていた。
ふふっと、未来が意地悪な笑みを浮かべた。私は、未来が羨ましいという気持ちになり、気付かないうちに未来を蹴ってしまった。
ドンッ！
未来「痛っ！お姉ちゃんひどい！私が妬ましいからって、私を蹴るなんて！」
ドタバタと、お父様とお母様が近づいてきた。私はハッと気が付いた。
お父様「羽衣、何をしている！可愛い未来を蹴るなんて、本当にありえない。」
お母様「そうよ。もうすぐせっかくの可愛い可愛い未来と颯太様の結婚なんだから！」
お父様「今までは可哀想だとは思っていたけど、お前なんかいらない。家から出ていけ。」と言った。
私は、「はい、ありがとうございました。」と言って、家を出た。
しばらく歩いて、大きな道路に来た。顔を上げた時、後ろから「どうしてここに女性がいるのだ。」と颯太様の声がして、次の瞬間、
「あなたはとても美しい。どうか私の妻にになってくれませんか？」と言ってきた。私は最初は信じられなかったが、「…はい！」と答えていた。
その後は、颯太様は、王家に報告したり、お披露目会もした。
～結婚式～
私たちは、「おめでとうございます！」という声に包まれながら、結婚式をした。
舞踏会で、私はすみれ色のドレスを着た。私は颯太様と踊ることになった。失敗しないか不安だったが、うまく踊れて、驚いた。「嘘…でしょ…。夢みたい。」その時、未来が「出来損ないの羽衣が、どうして…。私は颯太様のことが好きだったのに！」と言って、未来が颯太様の前でダンスを披露したが、颯太様は未来に「私はあなたのことが嫌いだ。羽衣を馬鹿にしたからな。」と言っていた。嘘だ…。と言いながら、未来はショックでその場で倒れた。逆にお父様とお母様は「羽衣、帰っておいで。」とか「羽衣は本当にすごいよ。」とか言って、手のひら返ししてきたが、私は「あなたたちは私を一度も愛さなかったくせに、なんでそんなことが言えるの？私は帰らない。」と返した。父と母はすごい剣幕で怒り出したが、役人に連れていかれた。私はその後、颯太様の手を取り、幸せそうに微笑み合い、ワルツを踊った。