コード:リヴィングデッド
ここデミダスカ軍事帝国は、その法に従い正しく税を納める者の―――平たく言えば国民の―――居住区を3つに分けている。
王族や一部有力な貴族、そしてそれを守るエリート兵の棲む[漢字]地上[/漢字][ふりがな]・・[/ふりがな]――≪[漢字]保護帝都町[/漢字][ふりがな]プロテゴール[/ふりがな]≫。
大半の軍人や士官学生、その訓練に使う武器を作る[漢字]学廠[/漢字][ふりがな]まなびかかりや[/ふりがな]―――[漢字][漢字]宇宙[/漢字][ふりがな]そら[/ふりがな][/漢字][ふりがな]・・[/ふりがな]、≪[漢字]兵学都市[/漢字][ふりがな]アーミリオン[/ふりがな]≫。
そして、[漢字]保護帝都町[/漢字][ふりがな]プロテゴール[/ふりがな]を取り巻くように広がっている、農業に従事する者や生くアテのない者が集い[漢字]生活協同地[/漢字][ふりがな]コロニー[/ふりがな]を形成する、街とは名ばかりの[漢字]貧民街[/漢字][ふりがな]スラム[/ふりがな]――≪[漢字]星街[/漢字][ふりがな]ステラ・クラスター[/ふりがな]≫。
このデミダスカ帝国において、[漢字]金髪は[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな]さほど特異なものではない。
それこそ[漢字]保護帝都町[/漢字][ふりがな]プロテゴール[/ふりがな]から[漢字]星街[/漢字][ふりがな]ステラ・クラスター[/ふりがな]に至るまで、街に溢れるほどに金髪の人間は居る。金髪の有名人を挙げればキリがないが――例を言うとするならば、ここの帝王が金髪だ。………というか俺も金髪だ。最近鏡を見ないから忘れていた。
―――一方、碧眼はというと。
唯々、ソレは特異でしかない。
デミダスカでは黒が四割、茶も同じく四割、そして朱が残りの二割を占め、その他の瞳の色は一分にも満たないと言われている。――遺伝的に、碧い眼を持つ人物が生まれることがまずないからだ。
生まれるとすればそれは二通り。一つは他国から[漢字]星街[/漢字][ふりがな]ステラ・クラスター[/ふりがな]に流れた難民との子か、或いは…その格式高さから碧の眼を神聖なものと捉え、わざわざ碧眼を持つ者と婚姻関係に結んだり――酷いときは近親婚をしたりしたらしい――するような特権階級。
強張る表情筋を無理矢理にでも抑え、その態度をできる限り表面化させないよう気を配る。
背中を汗が伝い、意図せずとも手に力がこもっていることが解った。
「チッ…結局軍人サンも気になんじゃねえかよ、クソ……」
こちらを睨み付ける二つの眼。
碧く碧く、[漢字]宇宙[/漢字][ふりがな]そら[/ふりがな]より危険とされる深海を思わせる深き瞳。
もしかすれば。いやその発音から、この場所から、[漢字]ソレだけは[/漢字][ふりがな]・・・・・[/ふりがな]有り得ない事だと理性が叫ぶ。
「…、………。いえ。公的記録にあなたの名はありません――それが答え、唯一の証明でしょう。ハンス=テティス[漢字]は王族ではない[/漢字][ふりがな] ・・・・・・[/ふりがな]。仕事を始めましょう、[漢字]Diabolus in ferro arca[/漢字][ふりがな]鉄の箱の悪魔[/ふりがな]」
「……あ、ああ」
先方は僅か声が震えている。それほどまでに俺の結論が不思議だっただろうか――いや面と向かって悪魔と言った方か。
精神動揺からつい口に出してしまった。……早く、人間として完成されなければ。
これが、俺と悪魔の初めての邂逅だった。
王族や一部有力な貴族、そしてそれを守るエリート兵の棲む[漢字]地上[/漢字][ふりがな]・・[/ふりがな]――≪[漢字]保護帝都町[/漢字][ふりがな]プロテゴール[/ふりがな]≫。
大半の軍人や士官学生、その訓練に使う武器を作る[漢字]学廠[/漢字][ふりがな]まなびかかりや[/ふりがな]―――[漢字][漢字]宇宙[/漢字][ふりがな]そら[/ふりがな][/漢字][ふりがな]・・[/ふりがな]、≪[漢字]兵学都市[/漢字][ふりがな]アーミリオン[/ふりがな]≫。
そして、[漢字]保護帝都町[/漢字][ふりがな]プロテゴール[/ふりがな]を取り巻くように広がっている、農業に従事する者や生くアテのない者が集い[漢字]生活協同地[/漢字][ふりがな]コロニー[/ふりがな]を形成する、街とは名ばかりの[漢字]貧民街[/漢字][ふりがな]スラム[/ふりがな]――≪[漢字]星街[/漢字][ふりがな]ステラ・クラスター[/ふりがな]≫。
このデミダスカ帝国において、[漢字]金髪は[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな]さほど特異なものではない。
それこそ[漢字]保護帝都町[/漢字][ふりがな]プロテゴール[/ふりがな]から[漢字]星街[/漢字][ふりがな]ステラ・クラスター[/ふりがな]に至るまで、街に溢れるほどに金髪の人間は居る。金髪の有名人を挙げればキリがないが――例を言うとするならば、ここの帝王が金髪だ。………というか俺も金髪だ。最近鏡を見ないから忘れていた。
―――一方、碧眼はというと。
唯々、ソレは特異でしかない。
デミダスカでは黒が四割、茶も同じく四割、そして朱が残りの二割を占め、その他の瞳の色は一分にも満たないと言われている。――遺伝的に、碧い眼を持つ人物が生まれることがまずないからだ。
生まれるとすればそれは二通り。一つは他国から[漢字]星街[/漢字][ふりがな]ステラ・クラスター[/ふりがな]に流れた難民との子か、或いは…その格式高さから碧の眼を神聖なものと捉え、わざわざ碧眼を持つ者と婚姻関係に結んだり――酷いときは近親婚をしたりしたらしい――するような特権階級。
強張る表情筋を無理矢理にでも抑え、その態度をできる限り表面化させないよう気を配る。
背中を汗が伝い、意図せずとも手に力がこもっていることが解った。
「チッ…結局軍人サンも気になんじゃねえかよ、クソ……」
こちらを睨み付ける二つの眼。
碧く碧く、[漢字]宇宙[/漢字][ふりがな]そら[/ふりがな]より危険とされる深海を思わせる深き瞳。
もしかすれば。いやその発音から、この場所から、[漢字]ソレだけは[/漢字][ふりがな]・・・・・[/ふりがな]有り得ない事だと理性が叫ぶ。
「…、………。いえ。公的記録にあなたの名はありません――それが答え、唯一の証明でしょう。ハンス=テティス[漢字]は王族ではない[/漢字][ふりがな] ・・・・・・[/ふりがな]。仕事を始めましょう、[漢字]Diabolus in ferro arca[/漢字][ふりがな]鉄の箱の悪魔[/ふりがな]」
「……あ、ああ」
先方は僅か声が震えている。それほどまでに俺の結論が不思議だっただろうか――いや面と向かって悪魔と言った方か。
精神動揺からつい口に出してしまった。……早く、人間として完成されなければ。
これが、俺と悪魔の初めての邂逅だった。
このボタンは廃止予定です