「好きだなぁ……」
私は、青春を謳歌する、高校生だ。
たった今、青春の1ページ。『恋』をしている。
好きな人に会うたびに、心が飛び跳ねて、嬉しくなって。
好きな人と会えなかったら、すっごく悲しくて。
恋は、人を変にするし、幸せにする。
私が好きになったのは、前の席の男の子。
女の子のファンが多いけど、私には自信がある。
あ、彼女とか、両思いとかではないんだけど……。
たくさんファンがいるなかで、私が、一番貴女のことが好きだよ。
すっごくかっこいい。歩く姿も、笑う顔も、負けて悔しそうな顔も、問題をさらっと解いて自慢げな顔も、帰るときに友達に見せる顔も、おはようって言って優しく笑う顔も、全部、全部、大好き。愛してる、のほうがいいかな。
貴女を、愛してやまない。
私だけの、ヒーローになってくれないかなぁ。
「本当に、好きだよねぇ」
「好きだよっ」
これが、本人にも言えたらいいのに。
放課後、友達と帰っている。この時間も、大事な青春。
「でも、かっこいい、とは思う。意外と、ミーハー？」
「違うよっ」
そんなんじゃない。そうじゃなくて…確かに、かっこいい。すごく。
かっこいいから、好きなんじゃない。好きだから、かっこいいんだよ。
どんなに、テレビでかっこいいって言われてるイケメンがいたって、私は貴女のほうがかっこいいと思うよ。だって、好きだから。
好きだから、他の人の100倍、いや100億倍かっこよく見える。
眠い、が口癖なくらいなのに、授業はちゃんと起きてるまじめなとこ。
皆の前では、クールで静か。でもこの前、通学路で犬にでれでれしてるとこ見ちゃった。
そうゆうとこ、大好き。かっこいい、可愛い、全部。
一緒にいたいな。
LINEもしていたいし、一緒に帰ったりとか。
放課後、部活に行く貴女に「またね。」ってひとりごと、言っちゃって。
休みの日だって会いたい。寝落ち電話もしてみたいって、ちょっと思ったり。
寝言が聞けたら…なんて考えて。
そんな勇気はなくて、あきれるけど…。
私のほう、振り向いてほしい。私のこと、意識してほしい。
背伸びして、香水をつけて、1人でむせたりとか。
貴女が欲しい。貴女のものになりたい。
「もっと、私のほう見てよ…」
明日こそって、自分に言い聞かせて。
ベッドの上で、またね。のシュミレーション。
大好きな貴女のことを考えて、今日も眠りについた。