あの春の日、手に取った花 編集版
やがて奏がトイレから出てきて、会場に戻った。
やっぱり中は涼しいな。
“もうすぐ役者が出てくるわよ”
と奏が早くとせかす。
これで何度目か分からないけれど、奏は舞台が好きだな、と思う。もしかしたら…奏と凪さんが共演なんて、凄いことがあるかも。だって奏は演劇に対して熱意があるし、演技に興味があるって言うし、おまけにルックスも良い。全然あり得る話しだからさ。なんだか考えてしまったんだ。
“バック、こっち置いときなよ”
“あっ、ありがとう”
そんな他愛のない会話をしていると、電気が消えた。
“始まったわ。楽しみね。”
僕は笑顔で頷いたけど、多分暗くて、奏には見えなかっただろう。
でも、僕には…奏の笑顔が見えた。
先週は奏の不満ばかり心の中で唱えてたのに、…今日は奏の良いところしか見つからない。だから…僕も自然と口角が持ち上がって嬉しかった。
あとは…この僕たちの笑顔が、凪さんに届くのかだーー。
やっぱり中は涼しいな。
“もうすぐ役者が出てくるわよ”
と奏が早くとせかす。
これで何度目か分からないけれど、奏は舞台が好きだな、と思う。もしかしたら…奏と凪さんが共演なんて、凄いことがあるかも。だって奏は演劇に対して熱意があるし、演技に興味があるって言うし、おまけにルックスも良い。全然あり得る話しだからさ。なんだか考えてしまったんだ。
“バック、こっち置いときなよ”
“あっ、ありがとう”
そんな他愛のない会話をしていると、電気が消えた。
“始まったわ。楽しみね。”
僕は笑顔で頷いたけど、多分暗くて、奏には見えなかっただろう。
でも、僕には…奏の笑顔が見えた。
先週は奏の不満ばかり心の中で唱えてたのに、…今日は奏の良いところしか見つからない。だから…僕も自然と口角が持ち上がって嬉しかった。
あとは…この僕たちの笑顔が、凪さんに届くのかだーー。
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