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あの春の日、手に取った花 編集版

#8

凪の実力④

熱で息が苦しかった。そんな僕の隣で彼女は微笑んでくれていた。
“大丈夫よ。私がいるから”
母みたいなことを言って、…彼女だって子供なんだ。でも僕はそんなのお構いなしだ。
演技の稽古があるのに、彼女は僕の手を握って離れなかった。
適度に水を替えてくれたし、ご飯も食べさせてくれた。
“ごめんなさい”
そう謝った僕に、あなたのせいじゃない。私のせいよ、と優しく言ってくれた。
“僕は…。まだ全然、強くない…”
“恭君?”
“僕は大人になったら、もっと背が伸びて、力も強くなって…あなたを守る…”
義母は…顔を赤くして、うつむいていた。
僕はこの人に接近しているのか。
この人は、僕のトラウマを安定させるための…薬ではなかったのか。
今では、そんな風に思っていた自分が虚しい…!
“あなたは…僕の母でも姉でもないよ…あなたは…”
僕はもう…抑えられなかった。
“ぃや……、…あ”
彼女の唇を奪った。もう彼女も抵抗を示さなかった。
彼女は、今何を思っているだろうーー。

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2023/07/27 18:07

礼舞 ID:≫5pGdECtpkmy/Y
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