あの春の日、手に取った花 編集版
早速、会場に入る。
役者達はどこにいるのだろう。全然、分からない。とにかく席に荷物を置いてトイレに行くことになった。
“はぁ、暑いな”
フロントはかなり蒸し蒸ししていた。“
そうね。やっぱり役者も長時間だから、中はエアコン効かせてるのかもね”
奏は暑い中、汗一つかいていない。凄いな。顔は熱そうだけど。女子力って奴か。
トイレはやっぱり男子の方が早い。女子はメイク直しなんてものがあるからなのかな。
“こんにちはー”
よく見ると、役者達が遠くで打ち合わせをしていた。ビデオに撮ってる人もいる。レアだもんな。
僕はその中に凪さんがいないかと探した。
“ねぇ、あれ、小鳥遊凪じゃないか?可愛い!”
凪さんのファンらしき男性が僕の近くで役者の集まりを見ていた。
僕は男性に近寄って“すみません”
と声をかける。
男性は、何ですか、と笑顔で返事をしてくれた。
“凪さん、あそこにいますかね”
そんなに真剣に探してない自分が可愛かった。
“あの中央の女の子だよ”
中央を見ると、…確かにいた。
あのきれいな髪と整ったルックスは絶対そうだ。
“可愛いよね、君も、彼女のファン?”
さすがにここで息子という訳にはいかないから、軽めに頷いて答えた。
“凪さんは…僕の義母でも、…姉でもないよ…。あなたは…”
過去の記憶が鮮明に蘇る。彼女は…あの時のことを覚えているだろうかーー。
役者達はどこにいるのだろう。全然、分からない。とにかく席に荷物を置いてトイレに行くことになった。
“はぁ、暑いな”
フロントはかなり蒸し蒸ししていた。“
そうね。やっぱり役者も長時間だから、中はエアコン効かせてるのかもね”
奏は暑い中、汗一つかいていない。凄いな。顔は熱そうだけど。女子力って奴か。
トイレはやっぱり男子の方が早い。女子はメイク直しなんてものがあるからなのかな。
“こんにちはー”
よく見ると、役者達が遠くで打ち合わせをしていた。ビデオに撮ってる人もいる。レアだもんな。
僕はその中に凪さんがいないかと探した。
“ねぇ、あれ、小鳥遊凪じゃないか?可愛い!”
凪さんのファンらしき男性が僕の近くで役者の集まりを見ていた。
僕は男性に近寄って“すみません”
と声をかける。
男性は、何ですか、と笑顔で返事をしてくれた。
“凪さん、あそこにいますかね”
そんなに真剣に探してない自分が可愛かった。
“あの中央の女の子だよ”
中央を見ると、…確かにいた。
あのきれいな髪と整ったルックスは絶対そうだ。
“可愛いよね、君も、彼女のファン?”
さすがにここで息子という訳にはいかないから、軽めに頷いて答えた。
“凪さんは…僕の義母でも、…姉でもないよ…。あなたは…”
過去の記憶が鮮明に蘇る。彼女は…あの時のことを覚えているだろうかーー。
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