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あの春の日、手に取った花 編集版

#42

そら!
私が目を開けると、目の前にはパソコンがあった。隣を見ると、恭がいた。
そら.........。

嫌な夢を見た。
恭は居眠りをしているだけだと思って放っておいてくれたのだろう。だけど、あんな悪夢を見ている私を救って欲しかった、と理不尽だけどそう思った。

家に帰って私は、キラを抱き抱えた。
きら。
今日は嫌な夢を見たのよ。中学時代の夢。あのときは、天国にいた気もしたし、地獄にいた気もしたわ。思春期だったから、あんなにおかしかったのかな。
そら。ねぇ、私っておかしい?
心の中のそらに問いかける。
私を置いていったそら。せめて返事をして、そら。私のそら。
ねぇ、お願い。

[太字]雲井そら[/太字]
私にはあの子がよく分からなかった。
純粋で遠慮なしで、全く気を使えないのかと思いきや、急に大人びたことを言ってくる。
私にはそれが新鮮で、どんどん彼女に興味を持てた反面、彼女を知れば知るほど、彼女が分からなくなっていくふうだった。
彼女の穏やかで美しい瞳。可愛らしい髪。すべてを今でも覚えている。
ねぇ、そら。
私はあなたのことをこんなにも鮮明に覚えている。あなたはどうなの?もちろん、覚えてるわよね?それ。
一緒に、演劇を見に行って、女優を目指そうと言ったことも、全部ーー。

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2024/02/06 19:40

礼舞 ID:≫9pQX94SwwU0Ws
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