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あの春の日、手に取った花 編集版

#4


会社に着くと、中はとても蒸し暑かった。会社員達の、あっつと言う不機嫌な声が聞こえる。
奏は、暑いし、遅れるし最悪!と僕の目の前で声を上げる。
みんなはそんなのお構いなしに、奏に近寄って、“奏ちゃん、今日は予定あいてる?ご飯行こう”なんて聞いている。
“あぁ!もう、むかつく!”
男達が奏のパンチで飛ばされていた。
“奏、行こう!”
僕は静かなところへ連れて行こうとして、奏の手を取った。“誰のせい?”と言う感じに一瞬にらみつけられたが、すぐ視線を外した。
奥のエスカレーターに乗って、パソコンルームへ行く。奏は…相変わらずだ。
扉を開けると下と違ってパソコンルームはガンガンに冷えていた。
“おはよーございまーす!”
奏は前を歩いて行く。僕もそれに着いていく。僕たちは席が隣同士だ。だからデートの時以外でも話しやすい。でも…今日は怒っているからな…、どうかな。

“ねぇ、恭君”
お昼に近くなって、女性に話しかけられる。
“またコンビニ行くの?”
“うん、まぁ”
その返事を聞くと女性は僕に、弁当を渡してきた。手作り弁当だ。
僕は何かともてる(?)みたいだ。それは凄いのかもしれないけど、何かと面倒くさい。女性が周りにうろちょろしてるのは、あまり好きではなかった。

結構断ったのだが、結局、貰った。そして、開けてみる。
あぁ、今時の弁当だ。キャラ弁てやつかな。もっと地味なのが良かったなぁ。まぁ、貰ったんだし悪いよな。
味は普通だった。そう伝えた。そうしたら、帰りに告白された。
“ごめん”
そう返事した。女性は寂しそうに帰って行った。

僕が告白をO.K.したのは奏だけだ。
まぁ自分から告白したのは、一度だけ…ある。
奏は友達に進められたから、流れでそのまま…みたいなやつね。だから…僕の意思じゃない。それは確かで…なのに、まだ関係は続いていた。


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2023/07/27 14:35

礼舞 ID:≫5pGdECtpkmy/Y
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