あの春の日、手に取った花 編集版
ある春の日。私に花を取ってきてくれたっけ。
忘れられないな。まぁ、あの後風邪引いちゃった訳だけど。でも…嬉しかったなぁ。
“はぁい”
ここは劇団の宿泊場所。私の部屋に客が来たのだ。
“あっ…”
恭君だった。
“凪さん…やっと会えた………!”
抑えてきた言葉を吐き出すように……彼はいう。
私は真っ赤になってドキドキしてしまった。だめなことなのに。
この人は…息子なのに…。
“……ッ”
恭君は、私の胸元に顔を埋めて、一緒に倒れ込んだ。
“だめ……!離してっ、お願いッ……”
私の声はどんどん弱々しくなっていく。
“なんでそんなこと言うの?”
子供みたいに恭君が言う。
この人は昔から不安定だ。
どこか寂しげで、それでいて強がりで……。私に甘えていた。
彼が15歳のとき、この場所へ来てしまったけれど。
恭君はあの時よりずっと背が伸びて、力も強くなっていた。
私には……とめられない。
“……………、”
声を出しはしないと決めた。だって、彼をその気にさせるわけには行かないから、だからーー。
忘れられないな。まぁ、あの後風邪引いちゃった訳だけど。でも…嬉しかったなぁ。
“はぁい”
ここは劇団の宿泊場所。私の部屋に客が来たのだ。
“あっ…”
恭君だった。
“凪さん…やっと会えた………!”
抑えてきた言葉を吐き出すように……彼はいう。
私は真っ赤になってドキドキしてしまった。だめなことなのに。
この人は…息子なのに…。
“……ッ”
恭君は、私の胸元に顔を埋めて、一緒に倒れ込んだ。
“だめ……!離してっ、お願いッ……”
私の声はどんどん弱々しくなっていく。
“なんでそんなこと言うの?”
子供みたいに恭君が言う。
この人は昔から不安定だ。
どこか寂しげで、それでいて強がりで……。私に甘えていた。
彼が15歳のとき、この場所へ来てしまったけれど。
恭君はあの時よりずっと背が伸びて、力も強くなっていた。
私には……とめられない。
“……………、”
声を出しはしないと決めた。だって、彼をその気にさせるわけには行かないから、だからーー。
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