あの春の日、手に取った花 編集版
“お嬢ちゃん、迷っちゃった?”
私は遠慮なく頷く。苦しい、助けて。そう言いたかったけど、寒くて無理だった。
“とにかく、おいで”
おじちゃんに手を引かれ、カメラがいっぱいあるところまで来た。眩しい。こんなの初めて。
“おーい!迷子の子だよ!コーヒーを入れてやれ!”
そう言った後、思い直したように、
“お嬢ちゃん、コーヒー飲める?”
“お茶がいい”
もう遠慮なんてものはしなかった。いや、できなかったのだ。
“美味しい?”
“うん”
一気に寒さが消えた気がする。体がポカポカする。
“良かったぁ!いやぁ、それにしても、美人だね!”
私は恥ずかしくて俯いた。
“あはは!君、親御さんは?”
“……………”
もう…思い出したくなくて、答えなかった。答えたら、泣いてしまいそうだったから。怖かったから。ただフルフルと首を振った。私の反応を見て、向こうも察してくれたらしく、
“そっか。…辛かったね”
と、頭を優しくなでてくれた。お母さんの方が何倍もあったかかってけれど、お兄さんの手も十分、優しかったーー。
私は遠慮なく頷く。苦しい、助けて。そう言いたかったけど、寒くて無理だった。
“とにかく、おいで”
おじちゃんに手を引かれ、カメラがいっぱいあるところまで来た。眩しい。こんなの初めて。
“おーい!迷子の子だよ!コーヒーを入れてやれ!”
そう言った後、思い直したように、
“お嬢ちゃん、コーヒー飲める?”
“お茶がいい”
もう遠慮なんてものはしなかった。いや、できなかったのだ。
“美味しい?”
“うん”
一気に寒さが消えた気がする。体がポカポカする。
“良かったぁ!いやぁ、それにしても、美人だね!”
私は恥ずかしくて俯いた。
“あはは!君、親御さんは?”
“……………”
もう…思い出したくなくて、答えなかった。答えたら、泣いてしまいそうだったから。怖かったから。ただフルフルと首を振った。私の反応を見て、向こうも察してくれたらしく、
“そっか。…辛かったね”
と、頭を優しくなでてくれた。お母さんの方が何倍もあったかかってけれど、お兄さんの手も十分、優しかったーー。
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