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あの春の日、手に取った花 編集版

#23

真夜中

なんだかトイレに行きたくなってベッドから出る。部屋の外はとても寒くてガウンを羽織ってくるんだったと思った。
トイレを済ませて階段を上がる途中、凪さんの部屋の前を通った。思わず興奮が止まらなくなった。同じ部屋だったら一体、僕はーー。
ずっと部屋の前でたっていると、疲れてきた。部屋に戻ろうかと思ったけれど、吸い寄せられているかのように、足が前へ進まなかった。
“ガタッ”
と音を立てて座り込んだ。ドアにもたれ掛かる。中から声が聞こえた。
“…誰…?誰かいるの………?”
柔らかく穏やかだけど、少し……怯えた声。凪さんだ。
ギィッと音がして凪さんが出てきた。
“あっ…。凪…さん”
僕は下を向いてしまった。緊張して。
“こんなところで…何しているの”
少し呆れたような声。こんな声は初めて聞いた。演技のときは聞いたことがあったけれど……。
“ごめんなさい……”
僕は素直に謝った。凪さんはしゃがみ込んで、
“体、冷えてる……。いつからここに?”
そういえば、いつからここにいるっけ。どのくらいこのドアの前に立っていたっけ。
“分からない……”
弱々しげに答える。
“………………、暖かいものでも飲んでく?”

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2023/08/08 16:25

礼舞 ID:≫5pGdECtpkmy/Y
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