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あの春の日、手に取った花 編集版

#21

寝室の準備

“さぁさ、寝る支度するよ!”
奏は自然な感じに僕と凪さんの手を取った。
“おっ…と、いたっ…!”
強く引っ張られて腕が痛い。やがて押し入れの前まで来る。凪さんは後ろからついてきていた。
“私が引くよ。今日はみんなを招待しているんだし。ね”
凪さんは僕たちに目配せをして見せた。
“じゃあ一緒に引くよ”
と、奏が言った。

僕たちは、三人で協力して布団を敷くことになった。
“引き終わった人からお風呂入ってこよう。丁度、森田さん準備できたみたいだから”
森田さんは凪さんのボディーガードの名前だ。
みんな、凪さんの意見に乗っかってそうすることになった。

“今日のハンバーグ、美味しかった?”
たくさん手伝って貰ったということで、奏が一番最初に風呂に入った。
凪さんと二人きりだ。
“え、あ…、う…うん!おいしかった!奏のソースも良かったし”
なぜこのとき奏のことが頭に出たのだろう。分からない。
凪さんはさっきのことはなかったかのように話しかけてきた。
忘れようとしているのだろうか。
幼い頃、抱き締め合った日、唇を奪った日、凪さんは何を思ったんだろうーー。

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2023/07/31 13:13

礼舞 ID:≫5pGdECtpkmy/Y
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