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あの春の日、手に取った花 編集版

#20

夕食の終わりと正夢

“僕が本当に付き合いたかったのは…凪さん、あなただ!”
僕は彼女を壁に追い込んだ。急なことに戸惑っている風だった。
お皿洗いをしているところ、凪さんだけ休憩に入ったから、僕もさりげない感じに、奏に断って凪さんと部屋に入った。
“な…何言ってるの…?”
凪さんは汗ばんで赤くなっている。僕もそんな状態なのだろうか。
“凪さん、こっち向いて”
僕は彼女の顔を包み込んで、そのまま唇を奪う。恥ずかしそうに抵抗する彼女の手を壁の上に押さえつけた。
抵抗がピタリとやむと、僕は唇を離した。
“やめて…もう、こんなこと……”
下を向いている凪さん。
“凪さん。凪さんは僕のこと、どう思っている?”
“聞いて……どうするの……?”
呼吸を整えながら、問いかけられた。
“どうって言うか、……凪さん、僕は…!”
コンコン。
“どうしたの?喧嘩?”
奏が向こうから歩いてくる。僕たちは慌てて離れて距離を作る。
“大丈夫…えっ…”
奏が怪訝な顔をする。
“二人ともなんでそんな離れてるの。ホントに喧嘩した?親子喧嘩…?”
奏は僕たちの間に割り込んできて、
“はい、おしまいおしまい。仲良く仲良く!”
と、笑顔で僕たちを励ましてくれた。

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2023/07/30 17:59

礼舞 ID:≫5pGdECtpkmy/Y
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