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あの春の日、手に取った花 編集版

#19

夕食のはじまりと夢

“恭君……!?”
僕は凪さんを後ろから強く抱き締める。
“凪さん!”
逃げようとする彼女の手を掴んでまた強く抱く。僕は……確かに興奮していたと思う。
“あなたには……、奏ちゃんがいる……だから…”

目が覚めると、…椅子に座っていた。
“あっ、起きた起きた!”
奏が笑顔で近づく。
“あんたが寝てる間に完成しちゃった”
事態が飲み込めない。
奏と凪さんは料理をしていたのか。じゃあ僕は、夕食のためにここに来て……。だめだ。全然記憶がない。
“ほら恭君。少し手をどかして”
凪さんの優しい声で我に返って、すぐ背筋を伸ばす。横で奏が笑う。
“なんだよ”
“いや、何でも。なんか親子だなぁ、って思っただけ”
僕はその奏の言葉に、僕は凪さんの息子に見えているのか、と安堵を覚えた。
この凪さんへの気持ちは僕の心の中だけのものであってほしい。

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2023/07/30 15:48

礼舞 ID:≫5pGdECtpkmy/Y
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