気づいたら、柔らかいベッドに横になっていた。隣を見ると………奏がいた。
“良かったぁ。目が覚めて”
と言って泣いた。
“ごめんね、私が行かせるような雰囲気作っちゃって……”
なんだか、あの時もこんな会話だったな。凪さんも……すごい謝ってたもんな。
“いや、大丈夫だよ。むしろ、気遣ってくれてありがとう”
奏の顔はめちゃくちゃだが、笑顔になった。
“ちょっとタオル持ってくる。”
と言って奏は外を出た。
そういえば、ここどこだろう。全然知らないところだ。木造の家で、民宿みたいだ。丁度いい温かさで気持ちが良い。　
外から話し声が聞こえる。“じゃあ、よろしくね”という声。返事をする奏の声。相手の女性は誰だろう。
ガチャという音がして、ドアが開く。
入ってきたのは……凪さんだった。
“あっ、急に入っちゃってごめんね……。あと少し待って。お連れの人、奏ちゃんだっけ。タオル持ってきてくれるから。”
あぁ…。優しく穏やかな声が懐かしかった。