デートは明日の午後からだった。丁度土曜だしいいよな。……奏、どう思うかな。
僕がレンタルした女性は、……小鳥遊凪だった。そう。義母と同姓同名だったんだ。おまけに……顔も似てた。いや、瓜二つだ。もう僕は衝動を抑えきれなかった。
翌日。もう今日は奏とは顔を合わせないと決めた。
待ち合わせの駅前に着くと、僕はすぐ小鳥遊凪を発見した。
“あ…あの！”
彼女の方から声をかけてきた。僕が振り向くと、
“あのさ。小倉恭君？”
“は、はいッ！”
僕は慌てて答える。
本当に似ている。もう凪さんそのものじゃないか。
“恭って呼んでいい？”
僕はえっと言ってしまった。だって、これは凪さんじゃないと思っても、言ってしまった。
彼女の穏やかで儚げで、優しい性格はどこに…。こんな社交的だったか？
“あっ、はい、どうぞ”
真顔で棒読みの僕。僕を見つめ返す彼女。もうめちゃくちゃだーー。