二次創作
【今んとこ復活】青い監獄のマネは超無気力らしい
糸師 冴「…今日メイクしてんだな」
なんで気づくんだ、やっぱアスリートって目良いのかな。
●●『されたの』と、サングラスをかけながら言う。
糸師 冴「…あっそ」
似合ってるよ、くらい言えないのかよ。お世辞でも((
糸師 冴「似合ってるな」
●●『え…………』
●●『頭打った??』
糸師 冴「わかった二度と褒めねえ」
●●『ごめんて』
●●『てゆーか、どこ行くの』
糸師 冴「着いたらわかる」
●●『…』
愛想とかねえのかよマジで…。
まあ私が言えたことじゃないか。
●●『(生きて帰れるといいなぁ…)』
糸師 冴「着いたぞ」
●●『んー』
車が止まり、窓の外を見る。
…いやどこだここ。
●●『…すい、ぞくかん?』と看板の文字を読み上げる。
糸師 冴「ああ、水族館」
●●『水族館…✨️』
動物園はあまり好かないが、水族館は小さい頃から好きなのだ。
そういや最近行ってなかったなぁ…中1のときが最後か…。
糸師 冴「ん」
●●『…?なに』
車から降りようとすると、先に降りたらしい冴が手を差し伸べていた。
首を傾げると、焦れったそうにする。
糸師 冴「…手、出せ」
●●『手…?』
言われるがままに手を重ねる…と、ぎゅっと握られた。そのままぐっと引っ張られ、車を降りる。
言葉足らずにも程があるわ←特大ブーメラン
●●『ん、ありがと』
糸師 冴「別に」
ホント可愛くないやつ…。
少し歩いて水族館の入り口へ来た。
でっっっか…。
糸師 冴「国内最大級らしいぞ、ここ」
●●『ふーん…』
糸師 冴「…水族館、嫌いだったか?」
●●『ん?いや全然…むしろ好き』
子供の頃の思い出に、自然と柔らかい表情になる。
…やばいキモかったかな
糸師 冴「…なら良い」
●●『…もしかして、気にしてくれた?』
糸師 冴「…フイッ」
あ、目逸らした。
案外良い奴なのか?この下まつげ。
糸師 冴「…お前、歩くの遅ぇ」
●●『はっ倒すぞ』
前言撤回、全然良い奴じゃない((
どう考えてもお前が速ぇのが悪いんだよ、サッカーバカが。
何だかんだで入館し、早速回り始める。
糸師 冴「どこ行きたい」
●●『…サメ、見たい』
糸師 冴「お前意外と尖ったやつ好きなんだな」
●●『悪いか』
糸師 冴「別に」
ふっと微笑む冴。
えっ、お前の表情筋に笑うなんて動きあったんだ…((
即座にスマホの天気アプリを開く。
糸師 冴「何してんだお前」
●●『いや、今から嵐かなと思って』
糸師 冴「…………」
ググググ…
●●『痛い痛い痛い頭割れる』
くそ…私の頭を指圧マッサージしてんじゃねえよ…((
糸師 冴「ほら、サメ行くぞ」
●●『ん』
さっきより少し早足で歩く。
また遅ぇとか言われたらホントにはっ倒す((
糸師 冴「…いい、俺に合わせなくて」
キツイだろ、と付け足される。
…少しムカついたが、ここは下まつげの優しさに甘んじよう。
●●『…先行くなよ?』
こんな大迷宮、絶対に1人じゃ出られない。
糸師 冴「わかってる」
糸師 冴「…ここじゃね」
●●『お、』
その声に立ち止まる。
水槽でっか…。
あれか、巨大水槽とかいうやつか。
小さな魚の、大きな群れを目で追う。
糸師 冴「…あ、いた」
●●『…!!』
冴の視線の先を辿ればそこにはサメが。
ちっさ((
糸師 冴「子供のサメらしいぞ」
●●『へえ…』
子供…
え、可愛い((
少し水槽に近づいてサメを眺める。
糸師 冴「…美味そ」
●●『お前どこに倫理観落としてきた?((』
水族館で1番言っちゃダメだろ、それ。
回らない寿司でも行ってろよ金持ちが。
なんか悲しくなってきた…((←金欠
●●『…あ、あっちにシーラカンス展示されてるって』
糸師 冴「行くか?」
●●『行く』
シーラカンスの模型が鎮座している場所に来る。
●●『…かわい』
糸師 冴「お前って感性ズレてんのか」
●●『人それぞれでしょーが』
糸師 冴「いや、そうだけど…」
しばらく無言でシーラカンスの模型を見る。
ホント、不思議な生き物だよなぁ…。
糸師 冴「…シーラカンスって、」
●●『…また美味そうとか言ったらはっ倒すよ』
糸師 冴「違ぇよ。…シーラカンスって幸せを呼ぶ魚って言われてるらしいぞ」
●●『そうなの?』
●●『…この見た目で?』
糸師 冴「お前がはっ倒されろよ((」
ここに書いてある、と冴が指さした水族館の案内を見る。
おお、マジだ。
●●『…これ食べたら幸せになるんじゃないの』
糸師 冴「ぜってー美味しくないと思うけどな」
●●『そこ?笑』
美味しさの話じゃないだろ、と思わず笑ってしまった。
糸師 冴「…………」
●●『…え、なに』
あっやばいうるさかったのかもしれない。
あわてて緩んだ口角を戻す。
●●『うるさかった…?』
糸師 冴「違ぇよバカ。…次行くぞ」
●●『はぁ?…はーい』
意外と淡々と進んでくなぁ…。
先に歩き出した冴の背中を追いかけながら、私はそう思った。
………案外楽しんでるとか、言わない。