果実戦争
これはボク『[漢字]赤砥 京斗[/漢字][ふりがな]アカトギケイト[/ふりがな]』の過去の話。
ボクが10歳のとき、両親が交通事故で死んでしまった。
失意のどん底に突き落とされたボクだったが、そんなボクに寄り添ってくれたのが、ボクの兄『[漢字]赤砥 練冶[/漢字][ふりがな]アカトギレンヤ[/ふりがな]』
「なあ、ケイト…そんなメソメソしてたら、母さんと父さんも悲しむぞ」
「…………分かってるよ。それは」
「そうだよな……オレだって悲しいけどよぉ…少しは笑うことも必要だぜ」
「…うん…!」
こうして支えられながら、二人で暮らしてきた。
そしてボクが高校卒業一歩手前のとき、レンヤがいなくなった。
【東京に行ってくる】と手紙を残してそれっきり…。
[水平線]
「というわけです…」
ケイトは自分の今までのことをザックリと語った。
「なるほど……」
カリモトは苦い表情でこう言った。
「ケイトくん…キミのことは大体分かった。そしてキミに一つ聞きたいことがある…」
「え? なんですか?」
「キミは[太字]『本気』[/太字]か?」
「…え、そりゃそうですよ! そのためにここに来たんですから!」
少し戸惑いながらもケイトは答えた。
「そうか…じゃあ捜査結果をお知らせしよう」
カリモトは虫眼鏡をポケットにしまう。
「…練冶くんはこの世にいる…ただし、その『場所』がわからない」
その言葉はケイトにとって嬉しくもあり謎もある言葉だった。
「ということは…生きているのは『確実』ってことですか?」
「ああ…だが『場所』だ…『場所』だけが分からない…普通なら分かるはずなんだ。正確な場所も分かるはず…ボクの能力ならできるはずなんだが……」
「やっぱり何か『ありえない』ことが起きてるみたいだな」
やはりレンヤには謎が多い。
さっきのマンションで起きたこともそうだった。
見ず知らずの男がレンヤのことを追っている。
「そういえばなんですけど…カリモトさんは、[太字]『禁断の果実』[/太字]って知ってますか?」
「…あ〜…噂だけはな…食べたヤツの願いを叶える代物って聞いたことがある…マジにファンタジーだと思ったけど…今までの経験から…ボクは[太字]『ある』[/太字]と思っている……もしかしてだがな…ケイトくん…まさかソレを探そうとしているのか?」
カリモトは真剣な眼差しでケイトを見つめている。
「いや…別に探そうとは思ってないんですけど…少し気になって」
「…そうかい…だけど、もしあるとすれば、ケイトくんなら見つけられると思っているよ」
カリモトは少し笑みを浮かんで言う。
「はい…ありがとうございます!」
そしてケイトは探偵事務所をあとにした。
去っていくケイトの後ろ姿を見ながら、カリモトは一つ思うことがあった。
「ケイトくん……まるでボクみたいなヤツだ…[大文字]目的のためならいかなる手段も[漢字]厭[/漢字][ふりがな]いと[/ふりがな]わない。[/大文字]伸びしろだらけだな…」
そして探偵事務所をあとにしたケイト。
「とりあえず、大体の情報はつかめた…レンヤは『禁断の果実』と関係がありそうだ…だけどまずは、探さないことには始まらないな…」
再び、ケイトの兄探しの旅は再開した。
ボクが10歳のとき、両親が交通事故で死んでしまった。
失意のどん底に突き落とされたボクだったが、そんなボクに寄り添ってくれたのが、ボクの兄『[漢字]赤砥 練冶[/漢字][ふりがな]アカトギレンヤ[/ふりがな]』
「なあ、ケイト…そんなメソメソしてたら、母さんと父さんも悲しむぞ」
「…………分かってるよ。それは」
「そうだよな……オレだって悲しいけどよぉ…少しは笑うことも必要だぜ」
「…うん…!」
こうして支えられながら、二人で暮らしてきた。
そしてボクが高校卒業一歩手前のとき、レンヤがいなくなった。
【東京に行ってくる】と手紙を残してそれっきり…。
[水平線]
「というわけです…」
ケイトは自分の今までのことをザックリと語った。
「なるほど……」
カリモトは苦い表情でこう言った。
「ケイトくん…キミのことは大体分かった。そしてキミに一つ聞きたいことがある…」
「え? なんですか?」
「キミは[太字]『本気』[/太字]か?」
「…え、そりゃそうですよ! そのためにここに来たんですから!」
少し戸惑いながらもケイトは答えた。
「そうか…じゃあ捜査結果をお知らせしよう」
カリモトは虫眼鏡をポケットにしまう。
「…練冶くんはこの世にいる…ただし、その『場所』がわからない」
その言葉はケイトにとって嬉しくもあり謎もある言葉だった。
「ということは…生きているのは『確実』ってことですか?」
「ああ…だが『場所』だ…『場所』だけが分からない…普通なら分かるはずなんだ。正確な場所も分かるはず…ボクの能力ならできるはずなんだが……」
「やっぱり何か『ありえない』ことが起きてるみたいだな」
やはりレンヤには謎が多い。
さっきのマンションで起きたこともそうだった。
見ず知らずの男がレンヤのことを追っている。
「そういえばなんですけど…カリモトさんは、[太字]『禁断の果実』[/太字]って知ってますか?」
「…あ〜…噂だけはな…食べたヤツの願いを叶える代物って聞いたことがある…マジにファンタジーだと思ったけど…今までの経験から…ボクは[太字]『ある』[/太字]と思っている……もしかしてだがな…ケイトくん…まさかソレを探そうとしているのか?」
カリモトは真剣な眼差しでケイトを見つめている。
「いや…別に探そうとは思ってないんですけど…少し気になって」
「…そうかい…だけど、もしあるとすれば、ケイトくんなら見つけられると思っているよ」
カリモトは少し笑みを浮かんで言う。
「はい…ありがとうございます!」
そしてケイトは探偵事務所をあとにした。
去っていくケイトの後ろ姿を見ながら、カリモトは一つ思うことがあった。
「ケイトくん……まるでボクみたいなヤツだ…[大文字]目的のためならいかなる手段も[漢字]厭[/漢字][ふりがな]いと[/ふりがな]わない。[/大文字]伸びしろだらけだな…」
そして探偵事務所をあとにしたケイト。
「とりあえず、大体の情報はつかめた…レンヤは『禁断の果実』と関係がありそうだ…だけどまずは、探さないことには始まらないな…」
再び、ケイトの兄探しの旅は再開した。
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