- 閲覧前にご確認ください -

登場人物が死ぬ描写があります。
そして、話が進むにつれて過激な表現が含まれますのでさらにご注意ください

文字サイズ変更

果実戦争

#43

ep43 潜入

[中央寄せ]時刻:8月18日10時30分
場所:くろめだか付近[/中央寄せ]


「あそこか、例の闇ありまくりのスーパーは…」

「…な…なんかドキドキしてきた……」

京斗と巻機は、公園で敵から脅し聞いた情報を頼りに、一つのスーパーにたどり着いた。

スーパーの内装を見る限り、明かりは一個もついていない。今日は休業日らしい。しかし、そんなことは買い物目的ではない二人には関係なかった。

もしかしたら中に誰かがいるかもしれない、がらんどうに広い駐車場を物音立てずに歩いていく。砂利を踏んだ音さえも鳴らさないように、音を殺しながら壁へと近寄った。

外壁の白いコンクリートに背を付けると、二人は自然に止めてしまった息を激しく吐きだす。

そんなとき、吐息を打ち消すように、男の声がざわざわと壁を這って伝わってきた。若い声で、[下線]誰かと電話している様子[/下線]だった。

二人は角に身を隠し、電話の内容を盗み聞きする。



「____もしもーし?……[太字]『フルーツ』[/太字]の状況はどぉ?」


「……まあ、売れる分はあるかな…」


「オッケー!…………確か、[太字]一個盗られたんでしたっけ?[/太字]」


「……別に、気にしなくていいよ。もう終わったことだからね」


「は〜い……それじゃ用事が終わったら、ボクが回収向かいますねぇ〜」


「頼んだよ。…………そういえば、キミの組織は、今どんな感じなの?」


「あ〜……もうウチは崩壊寸前でぇ〜!…チョー大変なんですよぉ〜!」


[太字]『フルーツ』[/太字]

この言葉の裏を二人は知っている。それはそうだが、さらに京斗は[太字]『盗られた』[/太字]という事についても聞き覚えがあった。

[下線]自分の事を兄と勘違いしていた者たちが、話してきた内容と同じ内容だったのだ。[/下線]

「…………時間はあんまり無いみたいですね。あんなヤツに回収されるぐらいなら、ボクたちが先に見つけてやりましょうよ」

底しれぬ决意が京斗の心を奮い立てる。さっきの様子とは打って変わって心強さを感じる。

「…さっきまでドキドキしてる〜、とか言ってたくせに……まるで人が変わったみたいだぜ……ま、賛成だけどな」


そして、二人はスーパーの入口までたどり着いた。電気が通っていない自動ドアを無理やりこじ開ける。中はかなり広いし、結構暗い。

「……こりゃ広いな……」

二人は一歩踏み出した。黒いマットを踏みしめて、早速目に止まったのは野菜売り場。

もしかしたら、もしかすると普通の野菜に混じって置いてあるかも、とか考えていると…。

「……ん?」

京斗のスマホに[太字]一つの着信[/太字]が届いた。うるさい着信音を鳴らさないように服に押さえつけながら、電話に出る。

その相手は高校の同級生の[太字]『弘夢』[/太字]からだった。会うのは五ヶ月ぶり、彼とは友達だ。


「もしもし…弘夢? 久しぶりだけど、なにかあった?」


「……いや、別に何かあったわけでもないけど、久しぶりに声が聞きたくなって」

「……ちょっとゴメンけど、いまマジ忙しいんだ……後でかけ直して…」


「…………そうなんだ。じゃ、一旦切るね」


「…うん、バイバイ…」


何気ない電話を申し訳なく切った。

「じゃ、行きま…………」

そこに巻機の姿はなかった。よく子供から目を離すなとは言ったものだが、彼もそういうタイプなのか。


「……もう!! 何で先に行くかな……!?」

京斗は静かにふくれながら、真っ暗なスーパーに入り込んでいった。
その足取りは、ガクガクしていた。

作者メッセージ

あけましておめでとうございます(激遅)

2025/01/06 11:35

ドレミファ・ソラティド ID:≫3p6uB4x4cRRX.
続きを執筆
小説を編集
パスワードをおぼえている場合は、ご自分で小説を削除してください。【削除方法

小説削除依頼フォーム

お名前 ※必須
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
削除の理由 ※必須

パスワードについて

ご自分で投稿した小説ですか? ※必須

この小説は、あなたが投稿した小説で間違いありませんか?

削除後に復旧はできません※必須

削除したあとに復旧はできません。クレームも受け付けません。

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL
/ 44

コメント
[6]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL