果実戦争
[中央寄せ]時刻:8月18日11時20分
場所:くろめだか駐車場[/中央寄せ]
煙のように現れたバイク、匡斌は决意を固めた。
[太字]「盗賊ナメんなッ!!」[/太字]
匡斌はシートに腰を置く、それと同時に激しい排気音が騒ぎ始める。細いハンドルを両手で握りしめ、アクセルをグルっと捻った。
合図に応答するように、バイクがスタートを切る!
風を切り開き、スピードはグングン加速していく。まるで、[下線]誰かが投げた石[/下線]のような速度だ。
しかし男は、冷静に向かってくる黒いバイクを見つめて不思議そうにしていた。
「なぁんで一般人が能力持っちゃってるわけ? でも、勝つのはボクさ……! [漢字]『鋁金主義』[/漢字][ふりがな]”アルミニズム”[/ふりがな]……」
男が口走ったその時、男の両手が[太字]銀色[/太字]に染まった。金属に見られる光沢もある。信じがたいが男は、[太字]手を金属に変化させた[/太字]。
まさか身一つで爆速のバイクを受け止めるとでもいうのか。
「………やってみろよ…! [太字]お前の思い通りには行かせないッ!![/太字]」
イラついてる匡斌は更にアクセルを手首から捻り回した。この一発で勝敗を決める!
[太字](僕はこの馬鹿みたいな世界で生きていくって、アイツらと誓ったから!!)[/太字]
[大文字]「うおおおあああァ!!!!」[/大文字]
自身の覚悟を叫び散らし、バイクと共に男へ衝突した。金属を金属で叩いたような鈍い音が耳の中で[漢字]木霊[/漢字][ふりがな]こだま[/ふりがな]する。
気づけば、男はバイクのヘッド部分を握り押さえつけていた。たったこれだけの力で、[下線]バイクは進むことが出来なかった[/下線]。エンジンと共に振動する手が、底知れない絶望を漂わせる。
[太字]「ざんねん…」[/太字]
この上ない本能的な喜びを声色に乗せ、男は嬉しさを見せつける。しかし、喜びを見せていたのは男だけではなかった。
「[太字]『武器』は、バイクだけじゃないんだぜ…![/太字]」
男をバカにするように言うと、匡斌は素早くシートの上に立ち上がる。そしてそのまま前へ飛び上がった。
飛んでいる最中、匡斌はあご紐のストラップをパチっと外し、黒いヘルメットを脱ぐ、ヘルメットから垂れ下がるあご紐を握りしめ、男の真後ろに着地した。
男は反応しようとするが、[太字]何故か[/太字]バイクが誰も乗っていないのにアクセルがかかっているため、手を離そうにも離せない状況だった。
匡斌は着地して振り向く。ヘルメットを大きく振りかぶり、今までの怒りを力に変えた。
[大文字]「くたばれゴラアアアアァァ!!」[/大文字]
地面に投げつけるように男の後頭部をブッ叩いた。今までに聞いたことが無いぐらい鈍い音、確実に後頭部は凹んだろう。
「ロ……ロアァ…!」
男はあまりの衝撃に気を失い、糸が切れたように倒れた。匡斌は息を切らしながら勝利を叫ぶ。
「ハァ…ハァ……[太字][大文字]勝ったァァーーッ!![/大文字][/太字]」
昔の情けない自分を乗り越え、仇を取ることができた。
匡斌の勝利だ。
場所:くろめだか駐車場[/中央寄せ]
煙のように現れたバイク、匡斌は决意を固めた。
[太字]「盗賊ナメんなッ!!」[/太字]
匡斌はシートに腰を置く、それと同時に激しい排気音が騒ぎ始める。細いハンドルを両手で握りしめ、アクセルをグルっと捻った。
合図に応答するように、バイクがスタートを切る!
風を切り開き、スピードはグングン加速していく。まるで、[下線]誰かが投げた石[/下線]のような速度だ。
しかし男は、冷静に向かってくる黒いバイクを見つめて不思議そうにしていた。
「なぁんで一般人が能力持っちゃってるわけ? でも、勝つのはボクさ……! [漢字]『鋁金主義』[/漢字][ふりがな]”アルミニズム”[/ふりがな]……」
男が口走ったその時、男の両手が[太字]銀色[/太字]に染まった。金属に見られる光沢もある。信じがたいが男は、[太字]手を金属に変化させた[/太字]。
まさか身一つで爆速のバイクを受け止めるとでもいうのか。
「………やってみろよ…! [太字]お前の思い通りには行かせないッ!![/太字]」
イラついてる匡斌は更にアクセルを手首から捻り回した。この一発で勝敗を決める!
[太字](僕はこの馬鹿みたいな世界で生きていくって、アイツらと誓ったから!!)[/太字]
[大文字]「うおおおあああァ!!!!」[/大文字]
自身の覚悟を叫び散らし、バイクと共に男へ衝突した。金属を金属で叩いたような鈍い音が耳の中で[漢字]木霊[/漢字][ふりがな]こだま[/ふりがな]する。
気づけば、男はバイクのヘッド部分を握り押さえつけていた。たったこれだけの力で、[下線]バイクは進むことが出来なかった[/下線]。エンジンと共に振動する手が、底知れない絶望を漂わせる。
[太字]「ざんねん…」[/太字]
この上ない本能的な喜びを声色に乗せ、男は嬉しさを見せつける。しかし、喜びを見せていたのは男だけではなかった。
「[太字]『武器』は、バイクだけじゃないんだぜ…![/太字]」
男をバカにするように言うと、匡斌は素早くシートの上に立ち上がる。そしてそのまま前へ飛び上がった。
飛んでいる最中、匡斌はあご紐のストラップをパチっと外し、黒いヘルメットを脱ぐ、ヘルメットから垂れ下がるあご紐を握りしめ、男の真後ろに着地した。
男は反応しようとするが、[太字]何故か[/太字]バイクが誰も乗っていないのにアクセルがかかっているため、手を離そうにも離せない状況だった。
匡斌は着地して振り向く。ヘルメットを大きく振りかぶり、今までの怒りを力に変えた。
[大文字]「くたばれゴラアアアアァァ!!」[/大文字]
地面に投げつけるように男の後頭部をブッ叩いた。今までに聞いたことが無いぐらい鈍い音、確実に後頭部は凹んだろう。
「ロ……ロアァ…!」
男はあまりの衝撃に気を失い、糸が切れたように倒れた。匡斌は息を切らしながら勝利を叫ぶ。
「ハァ…ハァ……[太字][大文字]勝ったァァーーッ!![/大文字][/太字]」
昔の情けない自分を乗り越え、仇を取ることができた。
匡斌の勝利だ。