果実戦争
[中央寄せ]時刻:8月18日11時15分
場所:くろめだか駐車場[/中央寄せ]
この世界を正すために生まれた[太字][漢字]『匡気』[/漢字][ふりがな]きょうき[/ふりがな][/太字]
それは、目の前の邪悪な敵を倒すための力になるだろう。
真っ暗な心の中に、明かりが灯された。
世界は戻り、止まった心が動き出す。
匡斌は目を閉じ、思いっきり息を吐き出した。
さっきと状況はまるっきり変わっていない。ゾクが言っていた[太字]死ぬ直前[/太字]のところだ。
目の前には銃を向けている邪悪な男。
「残念だけど……生かしちゃおけないなぁ」
男が乱れた髪をいじった刹那、その引き金は無情に動いた。
火薬の弾ける爆音、銃弾が一直線に発射する。
匡斌が動いたのは火薬の爆音と同時のこと、歯を食いしばる匡斌の両手が[太字]無意識[/太字]に胸の高さまで上がったのだ。
しかし、そんな小さな抵抗では手に穴が開き心臓を貫くのに変わりはない……[太字]と思いきや[/太字]、どういうわけなのか、[下線][太字]ガキン[/太字]と鉄が擦れたような鋭い音[/下線]が響いた、同時に銃弾が宙を舞った。
「……はぁ? 嘘だろ!?」
男は最後の一発が弾かれたことを理解できずに目を丸くしている。
しかし、匡斌も無意識に体が動いてしまった為、何が起きたかは分からなかった。
いつの間にか、匡斌の両手には[太字]ツルツルした硬い丸い物[/太字]を持っている感触があった。
一瞬、匡斌は何を持っているのか分からなかったが、下目に見えたのは、ゾクが身につけていた[太字]ある物[/太字]だった。
(……銃弾を弾くほどの硬い物……まさか……)
持っていたのは、[太字]人影のように真っ黒なヘルメット[/太字]だった。匡斌は全てを悟る。ヘルメットをゆっくりと被り、声を荒げた。
「ゾクさん、一緒に戦ってくれッ…!!」
その時だった。
匡斌の真横に[太字]黒い煙[/太字]が集まった。黒い煙はやがて[下線]何かを形成する。[/下線]煙がふっと消えると、そこには[太字]黒いバイク[/太字]があった。
真っ黒なボディ、真っ黒なタイヤ。
全てが漆黒色、まるでゾクがバイクに変身したかのようだった。
「……さあ、[大文字]覚悟しなッ![/大文字]」
燃えたぎる決意を胸に、匡斌のアクセルが動き出した。
場所:くろめだか駐車場[/中央寄せ]
この世界を正すために生まれた[太字][漢字]『匡気』[/漢字][ふりがな]きょうき[/ふりがな][/太字]
それは、目の前の邪悪な敵を倒すための力になるだろう。
真っ暗な心の中に、明かりが灯された。
世界は戻り、止まった心が動き出す。
匡斌は目を閉じ、思いっきり息を吐き出した。
さっきと状況はまるっきり変わっていない。ゾクが言っていた[太字]死ぬ直前[/太字]のところだ。
目の前には銃を向けている邪悪な男。
「残念だけど……生かしちゃおけないなぁ」
男が乱れた髪をいじった刹那、その引き金は無情に動いた。
火薬の弾ける爆音、銃弾が一直線に発射する。
匡斌が動いたのは火薬の爆音と同時のこと、歯を食いしばる匡斌の両手が[太字]無意識[/太字]に胸の高さまで上がったのだ。
しかし、そんな小さな抵抗では手に穴が開き心臓を貫くのに変わりはない……[太字]と思いきや[/太字]、どういうわけなのか、[下線][太字]ガキン[/太字]と鉄が擦れたような鋭い音[/下線]が響いた、同時に銃弾が宙を舞った。
「……はぁ? 嘘だろ!?」
男は最後の一発が弾かれたことを理解できずに目を丸くしている。
しかし、匡斌も無意識に体が動いてしまった為、何が起きたかは分からなかった。
いつの間にか、匡斌の両手には[太字]ツルツルした硬い丸い物[/太字]を持っている感触があった。
一瞬、匡斌は何を持っているのか分からなかったが、下目に見えたのは、ゾクが身につけていた[太字]ある物[/太字]だった。
(……銃弾を弾くほどの硬い物……まさか……)
持っていたのは、[太字]人影のように真っ黒なヘルメット[/太字]だった。匡斌は全てを悟る。ヘルメットをゆっくりと被り、声を荒げた。
「ゾクさん、一緒に戦ってくれッ…!!」
その時だった。
匡斌の真横に[太字]黒い煙[/太字]が集まった。黒い煙はやがて[下線]何かを形成する。[/下線]煙がふっと消えると、そこには[太字]黒いバイク[/太字]があった。
真っ黒なボディ、真っ黒なタイヤ。
全てが漆黒色、まるでゾクがバイクに変身したかのようだった。
「……さあ、[大文字]覚悟しなッ![/大文字]」
燃えたぎる決意を胸に、匡斌のアクセルが動き出した。