果実戦争
[中央寄せ]時刻:8月18日 10時40分
場所:街中[/中央寄せ]
仕方なく同盟を組んだ羽柴。
ド直球に質問を投げかける。
「早速、質問させてもらうぞ……[太字]果実のある場所とは何処だ?[/太字]」
この答えを聞くために同盟を組んだといっても過言ではない。
「へっへっへ…気になるよな……聞いて驚くなよ。果実がある場所……それは、スーパーマーケット[太字]『くろめだか』[/太字]だ!!」
断言した。
「何だと…?」
にわかには信じられないが、石狩があまりにも堂々としていたため、信じざるを得ない。
「……それが本当だとしたら……大丈夫なのか? [下線]盗った後の事も考えてあるんだろうな?[/下線]」
事の重大さを犇々と感じている羽柴。
しかし、石狩はそうでもない様子だ。
「大丈夫大丈夫! 何とかなるって!!」
あまりにも楽観的すぎる石狩に、羽柴は大きなため息を吐く。
「……そう簡単に物事が進んでくれたら良いんだが…………それで、他に情報はあったりしないか?」
もう少しだけ情報を絞り出そうと、追加の質問をぶつける。
石狩は他にも知っていそうに見えた。
「そう言われてもなァ~…………[大文字]あ!![/大文字]」
何かを思い出したのか、手をパチンと叩いた。
石狩は懐から、一枚の写真を取り出す。
「……先に言っておくけど、これは[太字]『確定』していない[/太字]事だ……それを踏まえてこの写真を見てくれ」
妙に落ち着きが入った声と共に、写真を差し出した。
そこに写っていたのは、[下線]一人の男の後ろ姿[/下線]だった。
顔の大きさが分からないほどに、赤黒い帽子を深く被っている。
写真越しからでも伝わる、半端ないオーラが二人の心を刺激させた。
「こいつが恐らく[下線]『くろめだか』と関係がある男[/下線]だ……確定はしていないが……」
[太字]『確定はしていない』[/太字]
それはどういう意味で言ってるのか羽柴は問おうとしたが、自分が言いそびれたといわんばかりに石狩が話し始める。
「アンタは今、この言葉が引っかかってると思う……[太字]『確定はしていない』[/太字]って事を。この写真はある時、拾ったポラロイドカメラで撮ったものだ……そして、こいつを撮ることができた唯一の写真でもある……オレは絶対に、[下線]10回以上はシャッターボタンを押したはず[/下線]なんだ……でも、出てきたのはこの写真だけだった」
「……それ、単なる[太字]フィルム切れ[/太字]じゃないのか?」
「まあ、それもあり得るけど……オレが言えるのは、ただ怪しいってことだけさ」
石狩が話した事は、単なるカメラのフィルム切れということで説明が付きそうでもあるが、そこに写る男のこともあり、どこか不気味に思えてくる。
石狩は写真を懐にしまった。
「[大文字]と~に~か~く[/大文字]、今から『くろめだか』に行くぞ! そして、果実を見つけたら山分けだ!!」
嬉しそうに口角を上げた後のこと。
何故か石狩は、[下線]動物のように四足歩行で駆け出したのだ[/下線]。
奇行に言葉を失う羽柴。
(……あいつ、やはり[太字]人間じゃない[/太字]な……そもそも屋上から飛び降りて無傷な時点でおかしいと思うべきだったか……)
その後を追うように、羽柴も嫌々ながら走り出したのだった。
場所:街中[/中央寄せ]
仕方なく同盟を組んだ羽柴。
ド直球に質問を投げかける。
「早速、質問させてもらうぞ……[太字]果実のある場所とは何処だ?[/太字]」
この答えを聞くために同盟を組んだといっても過言ではない。
「へっへっへ…気になるよな……聞いて驚くなよ。果実がある場所……それは、スーパーマーケット[太字]『くろめだか』[/太字]だ!!」
断言した。
「何だと…?」
にわかには信じられないが、石狩があまりにも堂々としていたため、信じざるを得ない。
「……それが本当だとしたら……大丈夫なのか? [下線]盗った後の事も考えてあるんだろうな?[/下線]」
事の重大さを犇々と感じている羽柴。
しかし、石狩はそうでもない様子だ。
「大丈夫大丈夫! 何とかなるって!!」
あまりにも楽観的すぎる石狩に、羽柴は大きなため息を吐く。
「……そう簡単に物事が進んでくれたら良いんだが…………それで、他に情報はあったりしないか?」
もう少しだけ情報を絞り出そうと、追加の質問をぶつける。
石狩は他にも知っていそうに見えた。
「そう言われてもなァ~…………[大文字]あ!![/大文字]」
何かを思い出したのか、手をパチンと叩いた。
石狩は懐から、一枚の写真を取り出す。
「……先に言っておくけど、これは[太字]『確定』していない[/太字]事だ……それを踏まえてこの写真を見てくれ」
妙に落ち着きが入った声と共に、写真を差し出した。
そこに写っていたのは、[下線]一人の男の後ろ姿[/下線]だった。
顔の大きさが分からないほどに、赤黒い帽子を深く被っている。
写真越しからでも伝わる、半端ないオーラが二人の心を刺激させた。
「こいつが恐らく[下線]『くろめだか』と関係がある男[/下線]だ……確定はしていないが……」
[太字]『確定はしていない』[/太字]
それはどういう意味で言ってるのか羽柴は問おうとしたが、自分が言いそびれたといわんばかりに石狩が話し始める。
「アンタは今、この言葉が引っかかってると思う……[太字]『確定はしていない』[/太字]って事を。この写真はある時、拾ったポラロイドカメラで撮ったものだ……そして、こいつを撮ることができた唯一の写真でもある……オレは絶対に、[下線]10回以上はシャッターボタンを押したはず[/下線]なんだ……でも、出てきたのはこの写真だけだった」
「……それ、単なる[太字]フィルム切れ[/太字]じゃないのか?」
「まあ、それもあり得るけど……オレが言えるのは、ただ怪しいってことだけさ」
石狩が話した事は、単なるカメラのフィルム切れということで説明が付きそうでもあるが、そこに写る男のこともあり、どこか不気味に思えてくる。
石狩は写真を懐にしまった。
「[大文字]と~に~か~く[/大文字]、今から『くろめだか』に行くぞ! そして、果実を見つけたら山分けだ!!」
嬉しそうに口角を上げた後のこと。
何故か石狩は、[下線]動物のように四足歩行で駆け出したのだ[/下線]。
奇行に言葉を失う羽柴。
(……あいつ、やはり[太字]人間じゃない[/太字]な……そもそも屋上から飛び降りて無傷な時点でおかしいと思うべきだったか……)
その後を追うように、羽柴も嫌々ながら走り出したのだった。
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