果実戦争
[中央寄せ]8月18日 10時30分
ある路地裏[/中央寄せ]
[漢字]叩鬼[/漢字][ふりがな]ハタキ[/ふりがな]盗賊団のリーダー[太字]『羽柴汪生』[/太字]は、町中で果実についての情報を集めていた。
色んな情報屋の元に出向き、得られた情報を紙に書き散らす。
「……本当か嘘かは分からないが……それでも出来ることはやらねば…!」
紙に向かってカリカリとペンを走らせた。
しかし、力が強すぎたのか芯が折れてしまう。
[下線]その手は汗で濡れて、震えていた。[/下線]
「……もしかして……[下線]焦ってる[/下線]のか……私は……?」
自分に自問自答してみたものの、その返事は一向に返ってこない。
[太字]『リーダー』[/太字]その言葉が心を締め付けていたのかもしれない。
「そんなはずはない……!!」
持っていたペンを地面に叩きつける。
地面に崩れたペンは、自分をあざ笑っているかのように感じた。
[太字]「……クソッ!」[/太字]
ペンを踏み潰した。
「私は…何をしているんだ……」
怒りのあとには、変な虚しさだけが残る。
同時に、自分の本当の答えが胸に帰って来た。
[太字](……私のやっていることは、彼らの夢の為だ…! どんな邪魔が入ろうが、全て爆破させれば良いだけの話……私は、決して止まらない)[/太字]
羽柴は、再び歩き出した。
刻んだ決意は光のように輝いている。
人気のない路地裏から出ようとした、そのときだった。
声が聞こえた。
[大文字]「なぁ、そこのアンタ!! 待ってくれ!」[/大文字]
突然響いた声の方向は上。
屋上から男が顔を出して覗き込んでいた。
「……誰だ、お前は?」
羽柴は噛みつくように名前を問う。
「オレに名乗るほどの名前はない……しかし、一つだけあるとしたなら……」
その時、男は名前を言いかけているにも関わらず、なぜか[太字]勢いよく屋上から飛び降りた。[/太字]
「お前…[太字]何をやっているんだ!?[/太字]」
男の謎の行動に、前へ転がり回避する羽柴。
ドシンと地面を揺らして着地した男。
上がった顔には、輝く笑みを浮かべていた。
「オレは[太字]『[漢字]石狩仁鼠[/漢字][ふりがな]イシカリジンネ[/ふりがな]』[/太字]…果実を探している者さ…」
石狩という男は笑みを浮かべていたが、羽柴は明らかに不機嫌だ。
「……一体何しに来た?」
汚れたズボンを叩きながら、目的を問う。
その答えは。
[太字]「アンタと同盟を組むためだ」[/太字]
羽柴は耳を疑った。
「……どういうことだ。なぜ組まないといけない…?」
「まあまあ~アンタも果実を探しているんだろ? どうせだから組んだ方が得じゃないか…」
どこか軽いノリの石狩の態度が鼻につく羽柴。
「……同盟の件については後だ。その前に一つ聞かせろ……お前も、[太字]能力を持っているのか?[/太字]」
石狩は不気味にほほ笑んだ。
「もちろんさ。それで……同盟の件についてだが、オレは果実のある場所を知っている。もしアンタがオレと同盟を組んだのなら、[下線]それ[/下線]を教えよう…」
「……本当か?」
羽柴にとって、石狩という男は他人以外の何物でもない。
しかし、果実の情報を知っているらしい。
色々と考えた。
(果実の場所を知っている、のか……仕方ない、ここは一旦同盟を組もう。断ったら逆に面倒だ)
答えは決まった。
「分かった、組もうじゃないか………石狩」
承認の返事を聞いた瞬間、石狩は目を光らせ、子供のように喜んだ。
[大文字]「え! マジか!? 良っしゃァア~~!」[/大文字]
(本当に大丈夫なのか……こいつ……?)
心の中といわず、心配になる羽柴だった。
ある路地裏[/中央寄せ]
[漢字]叩鬼[/漢字][ふりがな]ハタキ[/ふりがな]盗賊団のリーダー[太字]『羽柴汪生』[/太字]は、町中で果実についての情報を集めていた。
色んな情報屋の元に出向き、得られた情報を紙に書き散らす。
「……本当か嘘かは分からないが……それでも出来ることはやらねば…!」
紙に向かってカリカリとペンを走らせた。
しかし、力が強すぎたのか芯が折れてしまう。
[下線]その手は汗で濡れて、震えていた。[/下線]
「……もしかして……[下線]焦ってる[/下線]のか……私は……?」
自分に自問自答してみたものの、その返事は一向に返ってこない。
[太字]『リーダー』[/太字]その言葉が心を締め付けていたのかもしれない。
「そんなはずはない……!!」
持っていたペンを地面に叩きつける。
地面に崩れたペンは、自分をあざ笑っているかのように感じた。
[太字]「……クソッ!」[/太字]
ペンを踏み潰した。
「私は…何をしているんだ……」
怒りのあとには、変な虚しさだけが残る。
同時に、自分の本当の答えが胸に帰って来た。
[太字](……私のやっていることは、彼らの夢の為だ…! どんな邪魔が入ろうが、全て爆破させれば良いだけの話……私は、決して止まらない)[/太字]
羽柴は、再び歩き出した。
刻んだ決意は光のように輝いている。
人気のない路地裏から出ようとした、そのときだった。
声が聞こえた。
[大文字]「なぁ、そこのアンタ!! 待ってくれ!」[/大文字]
突然響いた声の方向は上。
屋上から男が顔を出して覗き込んでいた。
「……誰だ、お前は?」
羽柴は噛みつくように名前を問う。
「オレに名乗るほどの名前はない……しかし、一つだけあるとしたなら……」
その時、男は名前を言いかけているにも関わらず、なぜか[太字]勢いよく屋上から飛び降りた。[/太字]
「お前…[太字]何をやっているんだ!?[/太字]」
男の謎の行動に、前へ転がり回避する羽柴。
ドシンと地面を揺らして着地した男。
上がった顔には、輝く笑みを浮かべていた。
「オレは[太字]『[漢字]石狩仁鼠[/漢字][ふりがな]イシカリジンネ[/ふりがな]』[/太字]…果実を探している者さ…」
石狩という男は笑みを浮かべていたが、羽柴は明らかに不機嫌だ。
「……一体何しに来た?」
汚れたズボンを叩きながら、目的を問う。
その答えは。
[太字]「アンタと同盟を組むためだ」[/太字]
羽柴は耳を疑った。
「……どういうことだ。なぜ組まないといけない…?」
「まあまあ~アンタも果実を探しているんだろ? どうせだから組んだ方が得じゃないか…」
どこか軽いノリの石狩の態度が鼻につく羽柴。
「……同盟の件については後だ。その前に一つ聞かせろ……お前も、[太字]能力を持っているのか?[/太字]」
石狩は不気味にほほ笑んだ。
「もちろんさ。それで……同盟の件についてだが、オレは果実のある場所を知っている。もしアンタがオレと同盟を組んだのなら、[下線]それ[/下線]を教えよう…」
「……本当か?」
羽柴にとって、石狩という男は他人以外の何物でもない。
しかし、果実の情報を知っているらしい。
色々と考えた。
(果実の場所を知っている、のか……仕方ない、ここは一旦同盟を組もう。断ったら逆に面倒だ)
答えは決まった。
「分かった、組もうじゃないか………石狩」
承認の返事を聞いた瞬間、石狩は目を光らせ、子供のように喜んだ。
[大文字]「え! マジか!? 良っしゃァア~~!」[/大文字]
(本当に大丈夫なのか……こいつ……?)
心の中といわず、心配になる羽柴だった。
このボタンは廃止予定です